子ども仕様簡易モバイルノートによる授業実践

横浜市立川和東小学校

 

1.教室の中でも外でもインターネット接続を

 本校は本企画以前から「職員室」「パソコン室」「図書室」の校内ネットワークは敷設されていた。しかし,一般教室へのインターネット接続はなされていなかったため,各教室においてインターネットや校内サーバへの接続が可能になるネットワーク工事を行った。

 また,INS64一回線でインターネットを複数台で使えるようにするためには,校内にプロキシーサーバを設置するのが近道となる。そこで,古い寄贈マシンをベースとして,LINUX構築業者にシステム設定を依頼して,サーバマシンを構築した。

 

2.子どもたちが普通教室で自由に触れるパソコンを

 パソコン室に置かれた有線LANのパソコンでは,インターネット活用に限界が出てくる。わざわざパソコン室に行かなければインターネットができないからである。そこで,普通教室の普通の授業中にいつでも気軽に使えることを考えた。そして,子どもたちが「普通教室で自由に」触れるパソコンの条件は以下のように考えた。

  ・ノート型でできる限り軽量。そして無線LANでインターネット接続ができる。

  ・起動時間が短い。または,常時電源オンでもバッテリーが持続する。

  ・万一,システム異常やいたずらなどがあってもすぐに修復ができる。

  ・操作が簡単な子ども用のソフトウェアがインストールされている。

 この条件を満たすパソコンにWindowsCEマシンがある。WindowsCEマシンは,新品で5〜10万円。中古品ならば2万円程度ということがあり,本企画により15台のモバイル機を導入することができた。

 

3.普通教室のモバイルパソコン具体的実践

 (1)川和東まつりで私たちの取り組みを伝えよう(総合的な学習の時間)

 教室内で自由に使えるモバイルパソコンとインターネットを活用して,ケナフのことを調べたり,作品を作ることができた。また,自分たちの活動を記録していくための日直や係活動の一環として「デジタル学級日誌」をつけることを続けた。モバイル機は家庭に持ち帰っての文章入力をクラス記録用に,デスクトップ機は全国とインターネットでつながる「web学級日誌」用に分担活用されている。

 (2)全国の伝統的工芸品をみんなに紹介しよう(社会)

 教室内のどこでも無線LANインターネットが可能な環境が構築されたため,通常授業の中で参考書や資料集と同じ扱いとしてのインターネット活用が進んだ。

 (3)インターネットで学校ホームページをつくろう(特活クラブ活動)

 モバイル機は,パソコンクラブのときには普通教室から視聴覚室に全てを集めた。インターネットはどの端末でも無線LANにより活用可能である。子どもたちはネットサーフィンを楽しむとともに,学校ホームページの立ち上げに向けて「学校紹介ページ」の作成を行った。

 

4.成果と課題

 本企画により,学校中どこでも「無線LANモバイルインターネット」が可能となったことで,子どもたちの活動や発想の広がりが認められた。特に社会科や総合の時間の調査活動では,教室内でのインターネット活用がたいへん多くなった。ただ,モバイル機の性能が限られているためインターネット閲覧以上の活動に発展しにくかった。