高校生の調べた,地域公共施設の紹介WEBコンテンツ制作

東京都立工芸高等学校

                                                             

1.企画のねらい

生徒がテーマに沿って問題を認識し,企画・立案する能力と人を説得できるプレゼンテーション能力を養い,生涯学習社会に対応できる(情報発信者として,情報の受け手として)を育成すること。今日,われわれの社会において受け手としてだけの従来のメディアリテラシーを拡げて,情報の送り手としてのメディアリテラシーが重要となってきている。その意味では,メディアに関わる個々人の責任や規範の育成が求められている。

この実習で客観的判断と主体的判断の成長を促すことをめざす。これまで授業の課題として取り組んできた商品広告などのコマーシャルをベースとした制作とは視点の違う対象として公共施設のあり方をテーマとした。利用者と公共施設担当者とのコラボレーションによって公共施設の利用率の向上が図られるものと考える。このような観点から「考える力」「コミュニケーションする力」「創造する力」の育成を図る。

2.指導計画

実施内容
 実習グループが文京区施設(ふるさと歴史資料館,児童館,女性センターなど)を選択する。

1)各グループで選んだ公共施設の意義や社会的背景について図書館やインターネットよる検索で事前学習をする。

2)施設の取材で施設側の課題や利用状況,施設を利用する人々との取材によって把握する。

3)関係者とのミーティングを行い,“制作”を立案する。

4)これらの情報を元にWebコンテンツ制作に入る。Webページのテストをする

5)本校サーバにアップロードし,施設の親しみやすいWebコンテンツを公開する。

3.成 果

1)地域に密着した学習で地域社会のコミュニケーションやそこに住む人々の地域への愛着心など,この実習を通じて学校では得られない体験をした。

2)プレゼンテーションはクリエイティブな一面であることを理解しているためか,生徒の発表はそれなりにできる。普段の授業中などで発表をしたことがない生徒でも「ていねい語」や「敬語」を使ってプレゼンテーションをする。その点では,普段と異なった生徒の側面に気づかされる。

4.課 題

プレゼンテーションの論理構成は生徒によってそれぞれの個性が発揮される。自ら調査するとプレゼンテーションに説得力や深みが出てくる。インターネットのホームページだけの調査のみで終わるプレゼンの場合,発表者に自信が不十分なためか説得力に欠けることが多い。