学校と地域の歴史をつなぎ,未来と世界とを結ぶFuture Schoolの実践

新潟県長岡市立表町小学校 

 

 県内で最も古い学校の一つである本校は今年度創立130周年を迎える。その節目の年に学校と地域の歴史を照らし合わせ,学校と地域の関連性やできごとを調べ,自校だけでなく地域の方も含めただれでもが活用できるデータベースを作りたいと考えた。学校と地域のかかわりの重要性は,どこの学校にも共通していえることであり,他校と交流しながら,地域の調べ方,まとめ方のノウハウを情報交換し,情報共有することで相乗効果をもたらすことが可能となる。

 また,過去から未来に向けて,ネット上の学校「Future School」を提案し,交流する学校と自分たちが必要と考え,学びたいと思う学校像を話し合い,共通のルールのもとで,さまざまなサークル活動を実施していきたいと考えた。

 具体的な実施方法は,以下の通りである。

・積極的に地域に出向き,地域の人とかかわりをもちながら学校と地域の歴史を調べ,だ れでもが使いやすいデータベースを作成する。

・取材したデータを様々な情報メディアを使い,デジタル化することで,将来にわたって 活用したり,検索したりすることができる。

・昔の学校と今の学校を比較し,交流によってできた友達と一緒にネット上の学校「Future  School」を作り,自校のよさを情報交換して,共同で学習を進める環境をつくる。

 

 当校は平成11年度にもEスクエアの「学校企画」を受け,当時4年生だった子供たちが今回6年生としてが学校企画の対象児童となった。

 3年間の継続として得られた成果は,次の通りである。

 (1) 情報メディアによる表現方法の多様化と仲間意識の向上

 過去2年間の交流学習の経験から,すでに子供たち自身がNetMeetingによるテレビ会議の有効性を認識していた。また,メール,ホームページ,手紙,ビデオなどその都度どの手段をつかって相手に伝えるのがいいのかを子供たちが判断し,行動できるようになり,以前よりも頻繁に交流することができるようになった。

 (2) イベントから日常へのコミュニケーションの変化

 従来の交流学習は,子供たちにとって一つ一つのやりとりがイベントとしての単発的な活動として意識され交流を継続することが難しかったことがある。2,3か校の学校との交流で交流対象を明確化でき,「自分たちの未来の学校をプレゼンしよう」と常に相手を意識した交流が可能となった。

 (3) 個人内の振り返りとDVDの思い出作り

 今回「未来にも残したい学校のあり方」という明確なテーマを一人一人がもっていたため,積極的に他校の友達に自分の作ったホームページに対するアンケートをお願いする場面も見られた。

 また,ホームページと映像中心で記録を残してきたことで,DVDで高画質な状態で未来の学校に託す思い出として残すことができた。