手作りバーチャルミュージアムを活用した教科・総合学習の展開

山梨大学教育人間科学部附属小学校

 

本校では,情報機器のうち特にコンピュータの活用目的として,次の2点について重点化を図っている。

○表現ツールとしての活用:教科や総合学習の時間に獲得した学習成果や思いを,Webページとして保存する。

○コミュニケーションツールとしての活用:Webページを公開して,電子メールやテレビ会議,ネットミーティングなど,インターネットを通して学習を深化させる。

そこで,図工科や社会科の時間に生じた思いや学習成果をWeb保存し,それをバーチャルミュージアムという形にまとめていく。このミュージアムを活用することで,授業時間をこえた活動が可能になり,多様な意見や感想を得て,ものの見方,考え方を深めていくことができると考える。

○実践例1「バーチャル美術館 自画像」<5年生図工科>

○実践例2「バーチャル郷土資料館」<4年生社会科>

 ミュージアムづくりを通して,学習成果や思いをweb化することで次のような有用性を得た。

◎表現方法の選択肢が広がる。
 社会科学習などで今まで行われてきた新聞づくりやパンフレットづくりの活動にあわせて,子どもたちの表現方法の選択肢が増える。

◎授業時間外での交流がおこなわれるようになる。
 発表時間や掲示スペースを気にすることなく仲間とコミュニケーションを図ることができる。休み時間や自宅からでもインターネットを通して仲間のwebページを見ることが可能になり,限られた授業時間を越えて学習ができる。

◎多様な意見や感想をもらえる。
 校内,校外に公開すれば,学級を越えた交流が可能になり,様々な人から多様な意見や感想をもらうことができるようになる。ものの見方・考え方に幅ができる。

◎データの長期保存と蓄積が可能になる。
 作成したものをデジタルデータとして,手軽にコンパクトに長期保存することができる。また,既存データへ挿入,削除が可能になり,作成内容の高まりが期待できる。具体的には,前の学年の子どもたちがつくったデータを参考資料として調べ活動がで

き,新たにわかったことなどを追加し,データのバージョンアップが可能となる。

今後は,これまでの成果をふまえ,さらなるコンピュータ活用をめざしていく。Web・電子メール・テレビ会議システム・ネットミーティングなどを使い分けながら,子どもの目でとらえた事象について,VTR画像など動画を配し,意見交換を行い,コミュニケーションの輪を広め高めていく協働活動を展開していきたい。