中学生のための情報・理科・国際理解・環境教育のためのカリキュラム開発

滝中学校 メディア・コミュニケーション・センター(MCC)


 

はじめに 本センターは,中高6年一貫の滝学園(愛知県江南市,http://www.taki-hj.ac.jp/)に,最先端のネットワーク機器と座卓形式のオープンターミナル室を備え,1998年に完成した。本年度より,中学校1・2年生(290名・260名)に,情報・理科の授業の中で,情報教育,環境教育,国際理解教育などをすすめるための独自のカリキュラム開発を行った。本センターは,中学生・高校生からなるMC(メディア・コミュニケーション)クラブ(http://www.taki.ed.jp/)及び各クラスからなるMC係の生徒の運営となっている。このクラブは,地域のシニアの方々との異世代間交流・国際交流・自律プロジェクト(http://www.nextage.ne.jp/,東海スクールネット研究会http://www.schoolnet.or.jp/運営)を自主的に行い,カリキュラム開発のバックアップをはたしている。

どのような授業であったか(カリキュラム内容,教材,評価など) 2001年4月からスタートした授業内容は,以下のとおりである。授業は,週1回(50分)で,毎回の授業内容(シラバス)は,生徒の進み具合にあわせてどんどん変更をしてきた。

1回目 情報の授業の説明とスキルのアンケート調査 2回目 パソコン機器とケーブルの接続の説明・注意

3回目 電子メールの設定(生徒1名1アドレス)  4回目 個人に電子メールを送る実習1

5回目 個人に電子メールを送る実習2       6回目 メーリングリストの説明(クラスのMLへ送る実習)

7回目 学年のMLへ送る実習            8回目  自己紹介メールの分析と発表資料作成

9回目 2人1組で,発表を行う。         10回目 Web及び検索エンジンの実習

夏休み宿題「身のまわりの環境問題」についてのレポート提出を求める。

11〜12回目 国際理解教育の一貫として,ネパールの中学生をご招待して,Kathmandu市の環境問題について発表をお願いした。また,日本側も英語のプレゼンを用意してお互いの簡単な交流会を開催した。

13〜16回目 プレゼンソフトの説明,作成実習    17〜20回目 発表(クラス全員の総合評価)

21回目 総合評価の集計と分析

冬休み宿題「『米国同時多発テロ』に関する新聞報道から自分の考えを述べよ」というレポート提出を求める。

22〜25回目 自分のWebページを作成する段階的課題解決型実習1〜4を行う。(2002年1月末現在)

本年度使用した教材は,東海スクールネット研究会の中学校部会で作成した--- インターネットで交流を ---「情報とコンピュータ」(http://www.schoolnet.or.jp/junir_txt/,教育家庭新聞社)である。これは,東海スクールネット研究会の中学校部会の先生方がカリキュラム開発の目的で独自に作成されたものである。

発表に対する評価は,生徒同士の総合評価で行った。チェック項目は,次の10項目について,○,△,×の3段階評価で行った。1)声の大きさ 2)言葉の明瞭さ 3)話す速さ 4)アイコンタクト 5)相手の表情の確認 6)経験度胸 7)内容の難易度 8)文字の使い分け 9)発表内容の順番の工夫 10)文字・図・写真などの使い分

今後考えるべき事は,生徒のEffective Communication能力とEffective Presentation能力の育成である。すべての教科の中からこれを育成するのに適したカリキュラムを探して開発することが重要である。生徒が自分自身の能力を自己評価(チェック)しやすいカリキュラム開発を行うことも重要である。また,指導要領のしばりがゆるくなったとき,カリキュラム開発は学校独自に行うことになる。

当初,授業の様子を,Realのストリーミングサーバーで随時公開して,保護者の方々にご意見をあおぐ方向で検討・実施したが,マンパワー不足の問題で今後の課題となった。URLは,http://www.taki.ed.jp/ のTOPページからリンクがある。