高校生の家と学校と教室で
名古屋市立若宮商業高校
概要
生徒,家庭,学校を,ネットワークでつなぎ「家族のポスター作り」を行った。この過程で家族との交流,学校と家庭の結びつきを深めた。また,ポスター作りという目標があった為,画素の学習などコンピュータスキルも高まった。
1 はじめに
高校生レベルになると親子の会話や接点が少なく,協働の場は皆無となる。このような環境に「ページ作り」「他の家庭との交流」「クラスとの交流」をインターネットを通して実現すれば,なによりも「時間の共有」が可能となる。
「切れる10代」が問題となりつつある今,インターネットという新しいメディアでかれらの居場所である「家庭」「学校」「教室」をつなぎ,協働作業を学校の授業に連動させて保証することによって,コミュニケーションの蘇生を促す。
2 実践内容
・海外の家族 テレビ会議の実施
イタリアの教育省からテレビ会議の要請があった。この機会を通して,海外の家族の調査を行うこととした。
テレビ会議は当然英語で行われたが,質問事項を整理し,相手からの回答は,録画し,後にテープ起こしを行った。
中でもイタリアの高校生との会話は印象深いものであった。昼休みはなるべき家族と取るようにしていること,夕食は毎日8時過ぎに家族そろって取ることなどである。
このような形で,「家族の時間」を日常生活のリズムの中に組み込み,絆を大切にしているとのことであった。
これらの情報を下に,家族と連携して「家族ポスター」つくりを行った。
3 生徒の動き
・リテラシー
ホームページ作りを行ったもののB0版への画像貼り付け,印刷はかなりのコンピュータスキルを必要とした。小さな写真の拡大,効果的な切り取り,画素数の計算など目標が明確なことから「飽きやすい」と評させる生徒たちであるが根気強く作り上げていった。
・プレゼンテーション
作品完成後生徒たちはプレゼンテーションに取り組んだ。相互評価の一助として使ったものであるが,あわせてこれは「家族への説明」として使われた。
紙面の都合からこれらはホームページ上からご覧いただきたい。
・まとめも制作
自分が深く関わったことは,集中力をもって取り組む。最後には報告書を一人一人書き上げた。作品制作の過程で家族との会話が同様に進み自分自身の歴史を振り返ることができたのかをまとめた。
またコンピュータがゲームや,効率を追い求めるためだけにあるのではなく,何よりも自分の生活を創造的に展開するツールであることに気付いたようだ。
4 保護者アンケート調査に関する考察
小学校・中学までのは保護者との連絡は頻繁にあるが,高校に入ると急激に減ってしまう。一方アカウンタビリティー(accountability)なる言葉も高校現場には入ってきている。保護者への説明責任である。生徒は学校と家庭が連携してと述べられてきつつあるが,「授業」と「学校」をつなぐ試みはなされていない。
今回のこのCECへのプロジェクトに参加することによって,この質問表を作成してみたが,保護者の学校教育への期待の片鱗を感じることができ,授業への意欲が教師・生徒とも高まった。
学校と家をつなぐネットワークの活用を今後も考えていきたい。