国語科・社会科・英語科の連携による「比較文化」の授業

三重県立四日市西高等学校

 

 本校には,「比較文化・歴史コース」のクラスが各学年1クラスある。このコースでは学校独自の教科として「比較文化」という授業を設けている。この科目の独自性や特色をよりいっそう引き出すために,また,今後の教科情報や総合的な学習の時間などを視野に入れ,生徒自らが課題を設定し,調べ,意見を交換し,まとめ,成果を発信・共有する形態の授業に取り組んだ。この授業は,英・国・社の3教科から1名ずつ,計3名の教員で担当している。担当教員の相談の結果,1学年では1〜2学期に英・社のTT,2学年では1学期に社会科担当教員が単独で,3学年では全授業を3人のTTで,今回の企画を実施していくことになった。

1学年の授業は,2学年での韓国修学旅行に向けて,韓国の高校生との交流と異文化理解を目標とし,グループ別に教員が指定した5つのカテゴリーに関するテーマを設定し,研究,web化,発表,という内容である。2学年の授業は,夏休みの韓国修学旅行に向けて,韓国やアジアに関する興味・関心を引き出し,理解を深めることを目標とし,グループ別に韓国に関するテーマを設定し,研究,web化,発表,という内容である。3学年は,「比較文化」の授業の総決算として,グループ別テーマ研究,web化,発表,個人別の論文作成,論文集の編集・作成という内容である。

 授業全般にわたり,情報機器・インターネットの使用が必要であるため,適宜講習を行いながら進めていった。その結果,パソコンに関しては全くの初心者から自分のホームページを持っている者まで様々であったが,最終的には,生徒全員がウェブページの作成をある程度できるまでのスキルを身につけることができた。また,生徒の書いた評価シートや感想文などからは,講義形式の授業では味わえない「達成感」や「充実感」,グループ別の取り組みによるコラボレーションの難しさや重要性,英語に関する興味関心の増大など,掲げた企画の目標はほぼ達成できたと考える。

 また,異教科のTTという授業形式は,今後の総合的な学習の参考とできそうである。さらに,TTでともに授業を担当した教員やそれ以外の教員の中にも,自分の教科での単独授業やホームルーム活動などにパソコン・インターネットやグループ研究,プレゼンテーションを取り入れるなどの波及効果がみられ,学校全体として情報機器やインターネットを活用する授業が増加した大きな成果といえる。