地域の音風景を紹介しよう

三木市立教育センター 

 

1 企画の内容

自分たちが住んでいる地域を紹介する場合,今までは写真画像やビデオ映像を使用することにより視覚に訴えて紹介することがほとんどであった。そこには,音という要素は映像に付属したものという認識があったのではないだろうか。もちろん模造紙上でまとめる場合は,音を表現することはできない。まとめにコンピュータを使用するようになってきた最近でも文字と画像や映像が中心である。しかし,地域で聞くことができる音(風景の音)には,画像以上に地域の様子を伝えることができたり,創造を掻き立て心を和ませたりするものがあるのではないだろうかと考えた。そこで,地域の様々な音を地図上にまとめてWebページとして公開し地域の様子を知ったり再認識をする機会として利用した。

 

2 Webページに公開する音の形式

 Webページに公開する音の形式は,再生時のデータの軽さと汎用性から今回はRealPlayer形式とMP3形式の2つを用いた。

 

3 具体的実践

 この実践は,コンピュータクラブと指導に来られているボランティアの方を中心に行った。収集した音の場所の紹介ページは,6年生も作成に加わった。

3.1 収集する音を決めよう

(1) 児童が思い浮かべた音

 1)三木祭り,2)金物資料館,3)神戸電鉄,4)三木鉄道,5)三樹小学校校庭,6)中央公民館前信号

(2) 地域の人が思い浮かべた音(ボランティアの方)

 1)学校に関する音(教室,休み時間,運動会等),2)企業に関する音(金物を作る音,金物を使う音等)

 3)地域にいる生物の音(鳥の鳴き声等),4)地域の人・先生・生徒の声(何かのテーマについての発言)

 5)鍛冶屋の音(大宮町内には数軒の昔ながらの鍛冶屋さんが残っています。)

 6)祭りの太鼓の音,7)神戸電鉄が鉄橋をわたる音(この鉄橋は川の上でカーブしているめずらしい鉄橋です。)

 8)神戸電鉄の車内アナウンス,9)美嚢川の流れる音,10)鬼追いの太鼓とかけ声(1月20日 月輪寺と大宮八幡宮の共催)

3.2 音の場所を紹介するページを作成しよう

 各グループ(2名)ごとに音を決めてそれを紹介するWebページを作成していった。児童の希望は,やはり三木祭りが多く,祭りが生活に密着していることを改めて感じた。

3.3 Webページの感想を聞こう

 作成したWebページを見られた感想を次の方々に聞いてみた。

 (1)校区外で三木市を余り知らない人,(2)三樹校区の保護者,(3)ボランティアの人,(4)三樹小学校の児童

 その結果,知っていない場所は,「想像が膨らんで,そこに行ってみたいと思った。」

知っている場所は,「普段,意識して聞いていないのでこんな音だったんだなと改めて思った。」

全体を通して,「発想が面白くて面白い。」「鬼追いとか,金物作りなどは三木特有なので特徴がでるし,文化の勉強にもなる。」というような印象に残ったという感想をいただいた。

 児童も,音で紹介することに大変興味をもって取り組んでいた。

 

4 成果と課題

 音で校区を紹介しようということで,実践を始めたが児童をはじめ大人も普段余り音というものを意識していなかったので改めて地域の音に目が向いたようであった。現段階では,他の地域との交流というところまで実践が進んでいないが,他の地域と交流し,お互いに比較することによって自分たちの地域の特徴がより深くわかってくると思われる。

音マップのページの感想を聞いていく中で,ぜひ自分の学校でも取り組みたいのでいっしょに交流しようという感想ももらった。音マップは,作成したら終わりなのではなく作成が始まりなのである。