小学校「総合的な学習の時間」における英語活動の可能性を探る
山口市立大殿小学校
来年度から本格的に実施される「総合的な学習の時間」の中で英語活動をどのように進めていけばよいか,インターネットの活用とネイティブ・スピーカーとの交流に視点をあて,3・4年生の学習を中心に研究を重ねてきた。主な実践は以下の通りである。
○3年生
・「えいごリアン」の継続視聴及びホームページを利用しての英語活動
・留学生との交流会(イギリス人と1回,オーストラリア人と3回)
・オーストラリアについてインターネットを通しての情報収集
○4年生
・PTA学年行事「たなばた交流会」(6人の外国の方を招いて)
・英会話スクールの先生を講師として招いての英会話学習(10月〜1月,月2回)
・アメリカ人ビル・ゴードンさんとの交流会及びE-maiでの交流
・アメリカや「青い目の人形」についてインターネットを通しての情報収集
今回の実践で,ネイティブ・スピーカーを招いた活動は大変有意義であった。担任が行う英語活動よりも,子どもたちは一生懸命に英語を聞き取ろうとするなど集中して学習に取り組むことができたし,外国への興味・関心を抱かせることができた。
インターネットの利用においては,「えいごリアン」のホームページは,子どもたちが興味を持って取り組むことができ,英語活動への意欲化を図る上で有効であった。
また,外国の情報などを収集するために,インターネットを利用したが,調べたことをまとめる上で写真は大いに役に立った。しかし,文章は大人向けのホームページがほとんどで,小学生には理解しにくいものが多かった。そして,コンピュータを利用する際にいろいろなトラブルが発生するなど,担任だけでは対応できないことも多かった。
コンピュータ利用に関しては,現在,利用できる者と十分に利用できない者が混在する時期である。コンピュータを使った学習を指導できる教員にとっても,ITコーディネータの方の存在があれば,余裕をもってより充実した学習活動を展開することができる。
今後の小学校におけるコンピュータ活用を推進していく上では,子どもたちへの教育に関心があり,専門的な知識もあるITコーディネータがぜひとも必要である。
これまでは,学校の情報化を進めていく上で,ハード面には,かなりの予算措置がとられてきた。これからは,高額なハードがさらに活用されるよう,ITコーディネータ等の人にも十分に予算化が図られるよう文部科学省や教育委員会に期待したいものである。