「米」から広がる学びの輪
ジャカルタ日本人学校
1 はじめに
ジャカルタ日本人学校では,在外教育施設の利点を生かして現地校との交流やインドネシア理解の学習を行い,国際理解教育を推進している。しかしながら,国際理解教育を進めるには,異文化理解と同様に,自国(日本)文化理解に関わる学習も必要不可欠である。 そこで,インターネットを中心とした情報メディアを活用しながら,日本国内の学校と継続的な交流学習を行うことを試みた。
2 総合的な学習の年間スケジュールとコンピュータの利用場面
(1) 自己PR(5月〜7月)
自己紹介(ネットミーティング)。
(2) 米作り(5月〜11月)
日本とインドネシアの米作りについて情報交換(ネットミーティング)。
(3) 宿泊学習(5月〜7月)
宿泊学習について情報交換(ネットミーティング)。
(4) JJSフェスティバル(7月〜9月)
花笠踊りについて質問(電子メール)。
JJSフェスティバルでの活動紹介(ネットミーティング)。
(5) バティック作成 (12月〜1月)
バティックの紹介と日本の伝統工芸品について質問(ネットミーティング)。
(6) 交流のまとめ(1月)
まとめのホームぺージ作成。成果発表会の実施(ネットミーティング)。
3.成果
(1) インターネットが国境を越えた交流学習を可能にした。
(2) 単発的・イベント的な交流ではなく,年間を通した継続的な交流が仲間意識を育み,心と心のつながりを生み出した。
(3) 相手を意識することで子供たちの学習に対する意欲が高まった。また,相手のことを考えてわかりやすい発表を心がけるなど,思いやりの気持ちも芽生えた。
(4) 自分たちの取り組みを発信するには,体験で得た知識や学習で使った資料を元に,伝える内容を吟味していく必要がある。その過程で,子供たちのインドネシアに対する理解が深まった。
(5) ネットミーティングでの実物の提示や実演が,子供たちにとってインパクトの強いものになった。本物をリアルタイムで見せ合えることが,ネットミーティングの最大のメリットである。
(6) 交流学習により,子供たちは日本の米作り・伝統舞踊・伝統工芸等,日本の文化(産業)の一端を知り,日本とインドネシアの共通点・相違点を認識した。また,日本の交流校の取り組みを知り,刺激を受け,視野が広まった。