2.プロジェクトの概要




2.1プロジェクトの概要

 学習活動時において子ども一人に1台のPDAを配布し、教師の指導のもと、各自のペースでPDAを活用できる環境を用意することで、本報告書1.3で想定した教育効果を検証していく。さらに、その過程において、必要だと思われるソフトウェアの仕様について洗い出し、プロジェクト内で検討するとともに、プロトタイプを開発する。


2.2 新学習指導要領との関係(対象となる校種・学年・教科等)

 今回の検証にあたっては、3つの実践地において、下記に示した新学習指導要領との関係に基づき調査が行われた。

(1)瀬田小学校での実践(小学校6年生)
瀬田小学校では、2つの視点から実践を行った。
まず、総合的な学習の時間における情報活用能力の育成という視点から、修学旅行を核とし、事前・事後学習を含む連続した学習活動を通して情報にアクセスできる環境におくことで、子どもたちの情報に対する考え方やIT機器に対する考え方の変化について検討した。
第2の視点として、基礎学力の定着につながる、授業内での評価の工夫について検討するために、教室内でPDAと連動して活用できる評価システム(WBT)を提案し、プロトタイプを開発した。
(2)都田小学校での実践(小学校5年生)
都田小学校では、理科の授業における体験学習に視点をあて、校外での調査活動において各自が収集したデータをリアルタイムで共有させ、収集データの比較をその場で行わせることにより、子どもたちの取り組みの変化について検討した。さらに、これらの結果については、校外で収集したデータや、お互いのやりとりの記録を蓄積することによる、校内外における学習の連続性という視点からも議論した。
(3)社会教育施設(マリンワールド海の中道)での実践(小学校5年生)
マリンワールド海の中道では、水族館であるという利点を活かし、総合的な学習の「社会に参画しながら学ぶ体験学習」を前提に、3教科による横断的な学習と連動させたプログラムを検討した。具体的には、「PDAを使ってマリンワールド新聞を作成する」活動を中心においた上で、事前学習として、「新聞の作り方(社会科)」および「説明文(国語科)」を、事後学習として、自分たちが作成した新聞の「推敲し発表する(国語科)」学習へと展開させることで、同館における「対象を観察する力(理科)」「情報を発信する力(総合)」へのつながりを検討した。



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