8.成果とその普及方法について




8.1 プロジェクトの成果について(教育用ITの要件・活用方法等)

8.1.1 教育用IT機器としての要件

 これまで述べた調査結果により、PDAの教育現場におけるIT機器としての適正ついては、現在市販されているものを活用した場合においても、活用場面と利用時間に配慮することによって、効果的に学習場面の利用できるものと考えられる。
また一方で、PDAを介して活用するソフトウェアについては、インターネットを介して活用できるWebベースのツールを開発していくことで、PDAの特徴である携帯性とあいまって、より効果的な学習ツールとなりえると言える。

8.1.2 活用方法に対する提言

 PDAを始めとする携帯情報端末は、学校内外を問わず「必要に応じてネットワークに接続できるIT機器」であることを最大の利点として、"連続した学習活動をつなぐ橋渡し"となりえると考えられる。
 しかし一方で、PDAを携帯するために必要なバッテリーについては、通信などを利用した場合の消耗の激しく、子どもたちが記録したデータが消えてしまうのなどのトラブルも多かったことから、その管理方法及び機能改善を含め課題だと思われた。また、同時に、ネットワークにつなぐ際に必要となる通信回線については、その経費・速度・アクセスポイント数などの問題により、常に自由に活用できるとは言い難い場合が多く、その整備及び料金体系などが早急に整うことが望まれる。

8.1.3 子どもたちからの提言

 「こんなPDAがあったらいいのに・・・」というPDAに対する子どもたちの意見のうち、代表的なものを下記に列挙した。

(1) PDAに付加されるといいと思う機能

1 西戸崎小学校5年生のみなさん
「デジタルカメラつきがいい」
    「けいたい みたいに でんわできる。ばんごう はタップする」
「口でいうとかいてくれるのがあったらいいです。」
    「カメラ付き。人と離せるようにしてほしい。授業のノートがわり」
「カメラ付き。言葉をしゃべるとメモってくれる。カメラ付きメール付き(写メール)があったらいいなぁ」
2 新宮小学校5年生のみなさん
「マイクみたいなのがあって、それに文しょうを言うと文字がはいる」
「目が不自由な人がタップすると何をタップしたか声で教えてくれるPDA。もう少しタップしやすいようにタップするところを広くしたほうがいい。」
「テレビ電話みたいにできるPDA」
「ペンが小さいとおちた時とか さがしにくいから光るといいと思う」
3 瀬田小学校6年生のみなさん
「コンピュータなみで、字が大きくてみやすいのや、絵などをかけるようなPDAがあったらいいと思います」
「地図もついていて、メールもできたらいいと思う」
「テレビ電話ができるのがあったらいいと思う」
「けいたい みたいに折りたたみ式がいい」
4 都田小学校5年生のみなさん
「タッチペンじゃなくてパソコンのように手でうてるPDA」
「言葉でしゃべったことが,そのまま文章になったらいい(パソコンみたいにてんとかまるとかもいわなくちゃいけないけど)」
「コード(カード)をささずにネットにつなげれるPDA,電話ができるPDA」
「ぼう水 きのうつき」

(2)  PDAの形状について

 PDAの具体的なイメージや形状について、絵を使って表現されたもののうち、代表的なものを以下に列挙した。

図8.1.3.1 瀬田小学校の子どもの絵1
図8.1.3.2 瀬田小学校の子どもの絵2
図8.1.3.3 西戸崎小学校の子どもの絵1
図8.1.3.4 西戸崎小学校の子どもの絵2

8.2 プロジェクトの成果の普及方法について

8.2.1プレスリリースによる普及実績

 下記メディアにおいて、本プロジェクトの活動が取り上げられた。
 ・教育マルチメディア新聞(2002/12/7付 記事)
  「携帯端末の学習利用 −小学校で授業・開発へ−」
 ・日本教育新聞(2002/10/25付 記事)
  「教師は授業のデザインづくりを」
 ・日刊移動体通信ニュースM (2002/10/28付 記事)
 ・MOBILE NEWS Vol.4 No.931(2002/10/25付 記事)
 ・ZDNet Mobile (2002/10/25付 記事)
  「旺文社子会社、PDA利用の子ども向け学習システムの開発開始
 ・ZDNet Wire Morning Edition(2002/10/25付 記事)
  「旺文社子会社,PDA利用の子ども向け学習システムの開発開始」
 ・ZDNet Wire Evening Edition(2002/10/25付 記事)
  「旺文社子会社,PDA利用の子ども向け学習システムの開発開始」
 ・ASCII24電子メールサービス (2002/10/26付 記事)
  「旺文社デジタルインスティテュート,PDAでの学習活動の研究・
  開発を開始」
 ・CNET Japan (2002/10/25付 記事)
  「PDAを使った小学生向け学習システム開発プロジェクトが始動」
 ・asahi.com (2002/10/28付 記事)
  「【e-ビジネス情報】[新製品]旺文社DI,ALSIと協力し,
  モバイル学習システムの研究・開発を開始」
 ・BCN (2002/10/28付 記事) 
  「旺文社DI,ALSIと協力し,モバイル学習システムの研究・開発を
  開始」
 ・Yahoo! Japan News(2002/10/28付 記事)
  「[新製品]旺文社DI,ALSIと協力し,モバイル学習システムの研究・
  開発を開始」
 ・NIKKEI NET (2002/10/28付 記事)
  「旺文社DI,PDAを活用したモバイル学習システムの研究・開発を
  開始」
 ・News@nifty(IT・コンピュータ) (2002/10/28付 記事)
  「旺文社DI,ALSIと協力し,モバイル学習システムの研究・開発を
  開始」
 ・ 日本教育新聞 (2003/2/7付記事)
  「博物館施設と小学校が連携
  ―モバイル機器使い情報活用能力育成―」
 ・ NHK 「おっしょい福岡」(2002/1/14,16 放送)
 ・ RKB毎日放送 「ニュースワイド」(2002/1/22 放送)


8.2.2 学会/研究会による普及

   石原一彦・堀田龍也(2002.10.31 日本情報教育栃木大会 )

8.2.3 Webサイトを介した取り組み

 図8.2.3.1に示すWebサイトを立ち上げ、日々の授業の様子について更新している。なお本サイトは、2004年3月末まで、公開する。

図8.2.3.1 プロジェクトのホームページ
http://www.edupLAN-net.com/e2a/index.html

8.2.4 今後の取り組み

 本プロジェクトの普及活動の一環として、以下の4点につき、取り組んでいく。
(1) 2004年3月末までのWEBサイトの継続的な運用。
(2) 本開発システムのWebサイトからのダウンロード。
(3) 本成果に関する学会での発表。



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