5.調査・分析



5.2.3 分析結果

以下の観点から考察を行った。
<小・高学校共通>
異校種交流を楽しくできたか。
 「高校生とのテレビ会議」「小学生とのテレビ会議」、「高校生と交流する」「小学生と直接交流する」をすべての児童・生徒が「よかったと思う」「どちらかといえばよかったと思う」と答えており、交流を楽しんだといえる。
テレビ会議を用いた交流・授業を再度行いたいと思ったか。
 参加者全員が「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と答えており、児童・生徒が遠隔授業・交流を再度行いたいと思っていると言える。
映像・音声は違和感なく利用できたか。
 小学校では映像に比較して音声の評価が劣った。受信音声再生システムにはパーソナルユース主体のPC用スピーカーよりも、最低でも外部入力可能なラジカセ、可能ならばアンプとスピーカーがよいと考えられる。
自ら調べる・考える・表現する・理解する力を身につけることができたか。
 小学生全員が高校生との交流や指導を通してプレゼンテーションソフトの使い方を理解し、デジタルカメラを使って自分で撮影した画像を1つ以上用いたプレゼンテーションを作成できた。43%の児童は、プレゼンテーションに音やアニメーションなども自ら試行錯誤して工夫していた。小学校児童の78%が高校生のプレゼンテーションの工夫や良さを文章で指摘することができた。
遠隔地の環境や習慣の違う相手の多様なものの見方や考え方を知り、お互いの理解を深めることができたか。
 高校生のものの見方や考え方に直接ふれた小学生には学ぶ場面が多くみられた。
情報発信への意欲向上ができる。
 小学校児童の87%が「発表することは楽しい」を「そう思う」「どちらかというとそう思う」と答え、発表という一つの情報発信に対して意欲の向上がうかがえる。
コンピュータを利用した表現力を高めることができる。
 小学生全員が高校生との交流や指導を通してプレゼンテーションソフトの使い方を理解し、デジタルカメラを使って自分で撮影した画像を1つ以上用いたプレゼンテーションを作成できた。43%の児童は、プレゼンテーションに音やアニメーションなども自ら試行錯誤して工夫していた。小学校児童の78%が高校生のプレゼンテーションの工夫や良さを文章で指摘することができた。 
<小学校>
実際に見た・聞いた内容を、コンピュータにまとめることができたか。
指導、説明内容が理解できたか。
目標をもって主体的な活動ができたか。
 全員が画像を2つ以上用いたプレゼンテーションを作成した。音やアニメーションなども試行錯誤して工夫することができた。
指導を受けることにより感謝する心を育てることができる。
 交流日の発言やテレビ会議後の交流掲示板で小学生全員がなんらかの形で感謝の意を表している。
 内容は、コンピュータやデジタルカメラの使い方を教えてくれたことが大半だが、「私たちと違うものの見方をプレゼンテーションでみせてくれた」「 がまんづよく教えてくれた」と高校生らしい考え方や態度に好意を感じる児童、「自分もそうなりたい」と向上心を示す児童もいた。
<高校生>
目的意識をもって指導することができる。
 高校生は未体験のソフトの使い方を、ITスキルや知識のレベルの異なる児童を指導する機会に積極的に取り組み、適切に指導することができたので、小学生は楽しくプレゼンテーションを作ることができた。
ITの利用に関して自分より弱者に対し貢献の自覚をもつことができる。
 それぞれの児童の課題について、直接指導では困っている児童を進んで見つけて指導し、テレビ会議や掲示板と言ったオンラインの交流でも児童が取り組む意欲をもてるように励ます態度がみられた。小学生のプレゼンテーションに対して「行ったときよりさらに上達していてよかった。なかなかおもしろかった。」「よくまとまっている」と暖かい態度を示していた。



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