実践授業の概要:
実践校 | 栃木県・河内町立岡本北小学校 |
担当 | 大西 誠教諭,印南 千明教諭 |
単元 | 6年生 総合的な学習の時間 テーマ:「わたしたちの住みよい街を作ろう!」 |
実践授業その1 | 日時:2002年10月19日 (土)14:00〜16:00 場所:栃木県・河内町 谷川(やがわ) 出席者:6年生10名,保護者5名,ボランティア5名 |
実践授業その2 | 日時:2002年10月24日
(木)14:15〜17:00 放課後 場所:6年生教室,理科室,パソコン教室 出席者:6年生48名(2クラス) |
実践授業その3 | 日時:2002年10月30日
(水)10:55〜12:35 授業参観日 場所:6年生教室,理科室,廊下等 出席者:6年生48名(2クラス),保護者 |
指導案 | 資料1参照 |
前年度のゴミ学習を発展させ,「住みよい街をつくろう」をテーマに,児童たちを課題ごとに,グループ分けをした。そして,グループごとに,活動の宣言や計画,などを子ども知恵図鑑に登録した。「街マップ作り」「川クリーン作戦」「森のクリーン作戦」「不要品リサイクル」「花いっぱい運動」「マイバック」など13のグループで体験学習を行っていくことを決定した。
グループごとに積極的に学校・家庭・地域の人たちの協力を得ながら,自分たちのテーマにあう活動を実施した。その後,具体的な実践活動の報告などを子ども知恵図鑑に登録した。授業中はそれぞれのグループが活動情報を報告しあって共有し,体験的な学習は放課後や休日を使うこともあった。積極的に保護者や地域の協力を受けることで学習の幅が広がった。
他の参加団体とのやりとりにも積極的で,香港,アラスカ,イギリスから参加しているワールドスクールネットワークの団体や日本各地の子どもたちと情報交換し,お互いの学びを深めるために,子ども知恵図鑑を利用した授業を展開した。
子ども知恵図鑑の利用としては,1学期に学校紹介,「住みよい街作り」の活動宣言,他の参加団体へ「地元たんけん」参加の呼びかけ,グループごとの活動計画,アメリカへのメッセージなどである。2学期には,「住みよい街作り」の具体的な活動報告,アイディア募集,共通プロジェクトの呼びかけ,結果についての議論,海外参加団体への質問・返事など登録した。
登録する方法は特徴的である。子ども知恵図鑑に興味を持ち,活字入力に優れている児童数名が希望して子ども知恵図鑑担当となり,彼らが他の子が紙に書いた活動のまとめを子ども知恵図鑑に登録している。登録するのはおもに休み時間や放課後である。自分たちの活動を紹介したいが,キーボードを打つのが苦手な生徒は,紙に文章を書き,子ども知恵図鑑担当の児童に渡して登録してもらう流れができた。
日時: | 2002年10月19日 (土)14:00〜16:00(休日の土曜日に谷川で実施) |
概要: | 今回の実践授業は学校が休みの土曜日,地元の川に「魚の駅作り」「川のクリーン作戦」グループの児童と教師,地元のボランティアグループ,保護者が集まった。谷川は,岡本北小学校の子どもたちが以前からクリーン作戦などに取り組んできた大事な地元の川である。 川の専門家から谷川の植物について説明を聞いたあと,「魚の駅作り」グループの男の子たちは,ボランティアの大人に教えてもらいながら,竹と石で魚の隠れ場所(魚の駅)を作って水路に設置した。 「川のクリーン作戦」グループの女の子たちは浅瀬に移動し,「1m2プロジェクト」を行った。「1m2プロジェクト」とは,図1の様に川や湿地,森など地域の自然のなかの1メートル四方にどんな植物や生物がいるかを調べるプロジェクトである。子ども知恵図鑑でアメリカの高校生がこのプロジェクトを呼びかけているのを知り,自分たちの気に入っている場所でも調べてみることにしたのである。1メートル四方を棒と網で区切り,虫とり網で川底を浚ってみると,ホトケドジョウやヤツメウナギなど珍しい生き物を発見した(図2)。また水の透視度調べやパックテストも行った。 |
図1 1m2プロジェクトの様子。 川の中に1メートル四方の場所を選んで, そこの生き物を調べました。 |
図2 1m2の場所からはたくさんの 生き物が見つかった。小魚だけではなく, いろいろな虫が見つかった。 |
子ども知恵図鑑を利用した状況・場面:
後日,子ども知恵図鑑に「1m2プロジェクト」や「魚の駅」の設置についての活動報告を登録した(図3・4)。
図3 「1m2プロジェクト」の活動報告。 絶滅が心配されるホトケドジョウがいました。 |
図4 川に魚の隠れ家(魚の駅)を作るために, ボランティアと一緒に体験活動をしました。 |