学校名:中之島町立上通小学校(新潟県) 指導者:教諭 加藤 敏浩 他1名(学年T.T) 児 童:3年生 男子20名女子17名 計37名 |
総合的な学習の時間・・・・・99時間
*関連教科として,国語,算数,社会,図工,音楽,学級活動,学校行事,PTA活動等がある。基礎学力の定着,学習内容の活用や発展,児童の自主的活動等,様々な関係性をもつ。授業単体のものでなく,学校生活,日常生活全体を網羅している活動。
ギャングエイジに相応しく,好奇心旺盛でエネルギッシュな反面,けんかや争いごとが絶えない児童。そんな児童が自らを振り返り,生き方を学べるような単元構成をねらった。知恵を「自分の生活環境を改善してくれる知識」とするならば,探り続けるうちに,自ずとその課題は自分の生き方に向けられてくるだろう。長い期間を通して知恵探しに取り組むことで,より自分の生き方に合った知恵を見つけ出そうとする姿を期待した。
3年生児童にとって知恵図鑑は,初めは,グレッグ(知恵博士として憧れをもつ存在)との情報交換手段に過ぎないかもしれない。しかし,知恵探しをしていくうちに,児童は自分たちで見つけた知恵を発信したり,より多様な知恵を調べたりしたくなるだろう。そんな時,知恵図鑑という存在は,活動の欲求を満たし,発展した活動へつなげたり多様な学びを得たりすることに重要な役割を果たす。
また,知恵図鑑の向こうには,多様な知恵が存在するばかりか,グレッグをはじめとする世界の人々からの生の意見が得られるよさがある。リアルタイムに得られる情報はインターネットとは異なり,必要な内容に応じた情報を得られやすいという利点がある。その生きた情報は,児童の学習意欲を引き出し,考えを深めることに効果的である。これらの特性を生かしながら活用していきたい。
コンピュータ教室:21台Windows98
OS:WindowsNT4.0
職員室:1台(職員内のLAN有り)
通信環境:ISDN常時接続
○人・もの・こととの出会いを通して,相手の気持ちを考えながらかかわろうとしたり,自分の思いや願いを自分なりに工夫しながら伝えようとしたりすることができる。
○人・もの・こととの関わりを通して,見つけ出した課題について考えたり,自分の生き方を見つめたりすることができる。
・活動する中から自ら課題を見つけ出すことができたか。(関心・意欲・態度)
・自分の生き方と関連させながら考えることができたか。(思考・判断)
・相手の気持ちを考えながらかかわろうとしたり,自分の思いや願いを自分なりに工夫しながら伝えようとしたりすることができたか。(技能・表現)
・相手の気持ちを考える大切さを理解することができたか。(知識・理解)
時 | 児童の活動と思考の流れ | 教 材 等 | 教師の支援 | ||||||||
1 | 35 |
グレッグといっしょに!
○グレッグさんから教えてもらった知恵を体験したい→ベーグルとニンジンスープ作り ○ 中之島町の知恵を伝えたい→グレッグとアメリカの先生方訪問(劇,蓮根料理,昔の遊び披露…) |
・グレッグのテレビ番組ビデオ
・グレッグからの知恵図鑑情報 |
・インパクトのある 出会いを演出する ・児童にもわかりや すい言葉で伝える ・知恵メンバーの任 命式を行い,児童 全員に写真入りメ ンバーズカードを 進呈する |
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36 | 88 42 | 44 活 動 場 面 例 |
知恵名人になりたい! こま回し,竹馬,リサイクル工作,草相撲等 ○お年寄りから知恵を伝授 ○伝える知恵を使って1年生を喜ばせたい ○見つけた知恵を知恵図鑑で発信してみんなに知らせたい →グレッグさんやWSNの方から知恵図鑑の 使い方を教えてもらおう(本時) ○知恵を使って1年生へ活動開始
○討論会(グレッグはテレビ電話で参加)
○相手の気持ちを考えた知恵を使って2年生を 喜ばせたい ○2年生へ活動→2年生は喜んでくれたけど…
○調査活動「知恵図鑑」に問いかけ・5,6年生アンケート・親,先生聞き取り調査・本 ○討論会(グレッグはテレビ電話で参加)
○話し合い
○活動の実施 |
・ビデオレター ・ビデオカメラ ・テレビ電話 ・ビデオカメラ
・テレビ電話 ・日本中からの返信知恵図鑑情報 |
・知恵図鑑の発信の仕方は,直接グレッグからの伝授をお願いする ・興味ある活動に浸らせ,多くの知恵を見つけ出す時間を保障する ・一人一つの知恵を発信する場を設定 ・文章力向上をねらいの一つにして,個人指導する ・多くの返信情報を丁寧に読み合う時間を設定する |
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89 | 99 |
グレッグを喜ばせたい! ○これまでの知恵名人の成果を見せたり,伝えたりしたい ○ありがとうパーティー開催 |
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○ 自分たちで見つけ出した知恵をワールドスクールネットワークのメンバーに伝えたいという思いをもって発信することができる。
○ 知恵図鑑の発信方法を知ることができる。
時 | 児童の活動と思考の流れ | 教 材 等 | 教師の支援 | |||
41 醸 成 活 動 |
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昔遊び用具 | ○ 児童の思いを前時にとった振り返りカードから読み取り,それらの声を全体に投げかける | |||
42 43 44 |
○ 知恵図鑑で発信したい内容を発想,選択する ○ 説明文の形式にまとめる ○ 文を完成させることができた児童からワールドスクールネットワークスタッフの発信方法の指導を受ける
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原稿用紙 パソコン
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○ 活動のねらいを明確に把握できるよう確認する ○ 児童の声に耳を傾け,次にやりたいことは何かをつかむ ○児童が一番発信したい知恵を選択する場を設定する ○全員の文に目を通し,より読みやすく表現できるように個別に指導・助言を行う ○ 個別指導を心がける ○ 作業が進まず,困っている児童には,積極的に声をかける |
・ インターネットではなかなか得にくい,情報に対しての興味関心を得ることができた。これは,自分の要求に合った内容であったということと,手紙の返信のような人の存在を感じさせる親しみ深いものであったためであると考える。さらに,児童の琴線を揺さぶりやすい内容であったのも大きな要因の一つであった。それが,知恵図鑑の情報を根拠に,明確な意見を構築し,積極的に発言する児童の姿につながった。
・ 一つの問いかけに対して様々な考え方がリアルタイムに近い期間で返ってきたことにより,児童の思考をより自然に深めることができた。
・ 児童の発信したいという欲求を満たしてくれたため,次の活動へと発展しやすくなった。また,世界の仲間が読んでくれるという期待感がより学習意欲を高めた。
・ 小学生でも扱いやすい手順方法や打ち込み画面などに改良する必要あり
・ 画面枠は白より,有色の方が親しみやすい
・ 動画を簡単に入れたり見たりできたらよい
・確実に送信に対して一つの返信が保障され ると理想的