8.まとめ




 教育の情報化プロジェクトも中盤を越え,ITの教育活用を一部の先進的な先生方だけでなく,全ての先生に子ども達に,日常的に幅広く使ってゆけるよう「普及」するフェーズに入ったといえる。今回は特殊なハイテク技術や利用法ではなく,恒常的な授業で「簡単に,普通に使えるもの」を目指した。ツールのイメージとしても普通で平板な感じになったかもしれないがそれでも現実の授業にあてはめて使ってみると要所要所で当初想定していたイメージと違うところが現れ,細かいところで色々チューンアップする部分が多かった。また授業進行に際し,全班の進捗に目配りをし進行を臨機応変に変えながら,且つIT活用も行うという現場の先生のご対応や子ども達の様子を実際に目の当たりにしながらツールの機能仕様を考えてゆく作業は非常に有意義であったと考える。工期日程等の制約から必ずしも全て理想的に改善を図るという所にまで至らなかったが,必要要件等の方向性なども見出せた。
 子ども達をとりまくIT環境は学校にとどまらず日夜変化している。家庭でのインターネット利用や携帯電話・メールなどここ2・3年のうちに特に珍しいことではなくなり,これらをベースにしたサービスなどもごく当たり前に受けとめられるような社会変化もおきている。学校でのIT活用も「体験してみる」ものから『普通に使うもの』になってくるであろう。
 一方総合学習の運用法はそれぞれの先生の創意工夫に任され,その中でのIT活用法も多種多様になってくる。そのような中で「普及」を実現するにはやはり事例などのデータベース化や先生相互の情報交換が促進されることが重要なファクターになっていると思われる。本プロジェクトでは「デジタル化することの意味」を一度ならず幾つかの場面でお聞きし,強力且つ明確な答えに至らなかったかもしれないが総合学習の「過程を保存する」という意味では授業効果の他に副次的な意味があったのではないかと考える。(総合学習では成果物は残りやすく広く閲覧もされるが,経過というのは思いのほか残っていない)基となる「ヒント」があればそれを応用できる機会が増え普及への一促進になるのではないかと考える。
 教育の情報化を促進するためeスクエアアドバンスを始め様様な取り組みがされており,先生方の現場でのご努力と,このような産官学など支援するしくみが上手く組み合わされることで,広く日常的にIT活用法が普及されることを望みたい。
最後に多大なご支援,ご指導を頂いた高知県葉山村葉山小学校の矢野校長先生,坂本先生はじめ葉山小学校の教員の皆様,6年生の皆さん,葉山村教育委員会様,高知県教育委員会様(財)コンピュータ教育開発センター様 経済産業省様 eスクエアアドバンス委員の皆様に御礼と今後のご支援のお願いを申し上げ本事業の報告といたします。




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