2. プロジェクトの概要



2.1 プロジェクト概要

 自動翻訳機能を備えた電子メール,電子掲示板およびテレビ会議システムを用いて,約4ヶ月間実際に日本の学校と海外の学校(米国,中国,韓国)の間で国際交流を行い,その有効性を検証するとともに小学校・中学校の児童・生徒が使用するための国際交流支援システムの要件を明らかにする。
 システム的には,日本電気株式会社製の自動翻訳システムBestiLandをベースに,日本語−英語,日本語−中国語,日本語−韓国語の翻訳ができるWEB上の多言語電子掲示板および電子メール作成,翻訳支援システムを試作する。また,国際交流の場で使用する児童・生徒用の翻訳辞書も用意しておき,必要に応じて順次増強できるようにしておく。
またテレビ会議システムは交流相手国のシステムも考慮し一般に利用されているOSに無償で添付されているソフトウェアを利用した。
 本国際交流は日本の各校では総合的な学習の時間の国際理解教育の中で日常的に利用した。また相手国のアメリカではプロジェクト学習,中国では課外授業,韓国ではホームステイを行う生徒を中心に休み時間などに利用するようにした。
 テレビ会議は交流を始める際に一度,そして小学校では調べ学習の発表の場として一度予定した。中学校では修学旅行,ホームステイ後の事後学習としてテレビ会議を予定している。
有効性の検証は,翻訳履歴および担当教員に対するヒアリングおよびアンケートにより行う。アンケートは事前アンケート,中間アンケート,最終アンケートと三度実施し,実験による効果の推移を検証する。また海外の相手校に対してもできる限り協力していただく方針で臨んだ。内容としては下記の案を検討している。
 ・ 翻訳システムに対して期待する点(または実施結果)
 ・ 国際交流を行う際に必要なシステムに関しての要件
 ・ 翻訳対応を要望する言語
 ・ 翻訳の精度に対する評価,問題点
 ・ 口語表現に対する評価
 ・ 掲示板機能に対する評価
 ・ 逆翻訳機能に対する評価
 ・ 活用頻度
 ・ 掲示板を利用することによる教育的効果
 ・ 児童・生徒の反応,態度変化
 ・ 相手国文化や言語に対しての関心の変化
 なおアンケート内容の詳細は別紙として添付している。

図2-1 システム全体図

 成果の普及方法としては,本プロジェクトでの成果を広く公開し,利用・開発の参考になるようシステム(機能限定版)を弊社ホームページ内で1年間一般に公開し,体験試用できるようにすると共に,弊社が開催,参加するイベント,展示会,学会にてプロモーションを行う予定にしている。また成果物に関しても同ホームページ上で公開をする予定にしている。


2.2 実施体制

 本研究は下記の実施体制で行った。

表2-1 実施者一覧

図2-2 実施体制図

2.3 全体スケジュール

2002年

9月  ・ 多言語対応電子掲示板試作システム完成
     ・ 各校にて使用方法の説明実施
     ・ 児童・生徒用翻訳辞書作成着手
     ・ 交流内容打ち合わせを各校と実施

10月 ・ 実績データに基づき児童・生徒の表現を分析
     ・ 事前アンケート実施
     ・ 時津東小学校にてStatenIland間でテレビ会議を実施

11月 ・ 翻訳機能改良作業実施
     ・ 琴田小学校と花家地実験小学校間でテレビ会議実施
     ・ プロジェクト全体会議を実施
図2-7 琴田小学校でのテレビ会議
の様子
12月 ・ 翻訳機能改良作業実施
     ・ 中間アンケート実施
     ・ プロジェクト全体会議実施
     ・ 日韓交流学校関係者会議実施
  

2003年

1月  ・ 掲示板機能改良作業実施
     ・ 最終アンケート実施
     ・ プロジェクト全体会議実施

2月  ・ 翻訳機能改善作業実施
     ・ 時津東小学校にてStatenIland間でテレビ会議を実施
図2-8 スケジュール

2.4 委員会等打ち合わせ

 当プロジェクトを進めるにあたって,参加校の全体会議を下記のように実施した。

・第一回 プロジェクト全体会議
 日時:11月9日
 場所:福岡県福岡市内
 出席者: 時津東小学校教諭 上西誠
琴田小学校教諭 木内順子
平尾中学校教諭 山本浩一
財団法人コンピュータ教育開発センター 田島恒明
NEC文教ソリューション事業部 森本泰弘
小川久美子
片岡 靖
 議事: (1)研究内容紹介
(2)各学校交流内容紹介
(3)国際交流について
(4)交流内容検討

・第二回 プロジェクト全体会議
 日時:12月8日
 場所:東京都内
 出席者: 時津東小学校教諭 上西誠
琴田小学校教諭 木内順子
平尾中学校教諭 中里秀一
財団法人コンピュータ教育開発センター 田島恒明
NEC文教ソリューション事業部 森本泰弘
小川久美子
片岡 靖
 議事: (1)各学校交流内容紹介
(2)TV会議の様子紹介
(3)国際交流プロジェクトについて
(4)交流内容検討

・日韓交流学校関係者会議実施
 日時:12月23日
 場所:福岡県北九州市
 出席者: 平尾中学校校長 平本 優八
同      教頭 鳥居 千鶴子
同      教諭 中里 秀一
光武女子中学校校長
         事務長
           教諭
NEC文教ソリューション事業部  森本泰弘
 片岡 靖

・第三回 プロジェクト全体会議
 日時:1月25日
 場所:東京都内
 出席者: 時津東小学校教諭 上西誠
琴田小学校教諭 木内順子
平尾中学校教諭 中里秀一
財団法人コンピュータ教育開発センター 田島恒明
NEC文教ソリューション事業部 森本泰弘
小川久美子
片岡 靖
 議事: (1)各学校交流内容紹介
(2)作業内容紹介
(3)交流に関してのヒアリング
(4)作業依頼
 


前のページへ 次のページへ