2.提案プロジェクトの概要




2.1 提案プロジェクトの全体像

図1 本プロジェクトの取り組みイメージ図

 動物・植物を研究,撮影している県内の方々の写真,映像資料から,小中学校理科の授業素材としてのディジタルコンテンツを開発するとともに,動植物研究家の見方・考え方,願い等を凝縮したメッセージを付加してオンデマンドで配信する。
 理科素材のためのディジタルコンテンツとメッセージビデオを,理科の授業で有機的に関連させながら活用するカリキュラムを開発し,教師が手軽に授業に応用できるように「授業実践レシピ」にまとめる。 本プロジェクトで開発する動植物研究家の「心も育つ理科コンテンツ」は,小学校理科では「一年間の生物の生活」や「植物と日光」の単元で,また中学校の理科では「植物の世界」,「動物の世界」および「生き物どうしのつながり」の単元を中心に活用する。
 動植物研究家から預かったディジタルコンテンツを児童生徒が学習活動に利用しやすく構築したWEBページやデータベース機能および授業実践レシピ集,授業実践・「心も育つ理科コンテンツ」の評価等をまとめた報告書を成果物とする。また,岡山県情報教育センターWWWサーバから教育利用に限り無償で利用可能とし,学校インターネット3(次世代ITを活用した未来型教育研究開発事業)の対象校や大阪府八尾市内の学校等の協力のもと,実践の際の問題点を洗い出しさらに「授業実践レシピ」の完成度を上げるとともに,広く普及を行っていく。

2.2 有効性の検証

 「自然界に見られる精妙で神秘的な生命の営みを見つめ続けている動植物研究家の見方・考え方,願い,メッセージ等を付加したディジタルコンテンツを授業に活用することは,人や自然の事物・現象とのよりよいつながりを大切にする児童生徒を育成し心の教育を進めることに有効である。」という研究仮説のもとに以下の方法で有効性の検証を行う。
 本研究で開発した「授業実践レシピ」をもとに,岡山市地域情報水道に接続され超高速のインターネット環境のある岡山市立西大寺南小学校,岡山市立伊島小学校等をモデル校にして検証実験を行う。検証方法は,児童生徒のワークシートの分析やつぶやき,発表,態度の観察による。さらに実証授業の終了時に動植物研究家の方と児童生徒との直接交流後に,学習で抱いたイメージと実際に会った際の印象について自由記述アンケートを行い,「心も育つ理科コンテンツ」が情意的側面を培うことが可能であることも実証する。



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