Ｅスクエア・アドバンス事業は国の大きな経済施策，教育施策を受けて実施されており，その成果が岡山から発信される意義は大変大きいものがあります。
本研究では，これまでの情報手段の活用，分かる授業と情報活用能力の育成という段階の次のステップと位置付けたものです。教育の本質は人作りであり，知識・理解はそれを支える素材かと考えます。研究では，理科の知識・理解の指導を通して生き方に迫ろうと考えました。
これまで，知識偏重の教育が行われてきたという反省があるにもかかわらず，情報教育の側面からの手だてがあまり講じられなかったことから考えても，教育用コンテンツを取り上げ，心の問題に踏み込むことは重要であるものの一種の冒険でもありました。
幸い，県内在住の動植物研究家の御協力が得られ，お手持ちの写真・ビデオ資料の御提供をいただくとともに，日頃の活動状況，自然や動植物への想い等々，見方・考え方，願い等をコンテンツとして収録することができ，学習内容の深化拡充ができるとともに心に触れることのできる学習素材を持ち合わせた「心も育つコンテンツ」を作成することができました。また，制作の過程で制作者である我々が関係者の教育に対する熱い想いに触れることができ，心に迫る手応えを得ました。
授業実践により，小・中学校，理科，道徳等様々な展開が可能であることが分かりましたが，新たな課題も見えてきました。それは，心を育てるコンテンツが心を育てるのでなく，心を育てる授業展開をして初めて心が育つと言うことです。ですから，今回作成したコンテンツは「心も育つ可能性を秘めたコンテンツ」と言うことができるわけです。
今後は，こうした豊かな授業展開を促すコンテンツの開発と指導法の研究，生まれたノウハウを啓発・普及する方法の研究が一層必要になるものと考えます。企業を含む多くの教育関係者の御協力を期待するものであります。最後になりましたが，本事業推進に御支援と御協力を賜りました動植物研究家の皆様をはじめ，岡山市立西大寺南小学校の先生方，関係の方々に厚くお礼申し上げます。
Ｅスクエア・アドバンス岡山
（岡山県情報教育センター研修課長）
平松 茂
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