8.実践授業



(3) 実践授業3

1) 日時 

平成15年1月21日(火) 第5校時

2) 場所

都立文京盲学校 第1パソコン教室

3) 科目名

理療情報処理

4) 対象学年

専攻科理療科 第1学年B組 8名
(音声環境使用者4名・マウス使用者4名)

5) 担当教員

軽部 智千  松島 賢知

6) 本時課題

「目標7:WordにExcelの表を貼り付ける」

7) 本時の目標

8)教材・教具

9) IT環境

DOS/V機 5台
スクリーンリーダは、2000Reader
モニタは19インチ

・ DOS/V機 その1
OS Windows98 4台
CPU Pentium II 350Mhz
メモリ 192MB
モニタ CRT21インチ
・ DOS/V機 その2
OS Windows2000 1台
CPU Pentium II 450Mhz
メモリ 256MB
モニタ CRT21インチ
本実践授業では、未使用
・ PC9821 3台
OS Windows98(ドライブBはMS−DOS6.2)
CPU Celeron300Mhz
メモリ 162MB
モニター CRT19インチ

10)本時の展開

表6
  教員Aの活動 音声使用生徒の活動 教員Bの活動
導入 1分 本時の予定の説明。 本時の内容を確認する。  
展開1
24分 
テーマ1 Excelの基本について理解する。
全体指導 Excelの概要について、実際にExcelを起動させ、以下の3点について説明する。 スタートメニューからキーボードを使い、Excelを起動する。 各生徒のExcelの起動を確認する。
1.画面周り(通常のWindowsアプリケーションと変わらないことなどを説明する。) 視力のある生徒は画面の様子を確認してみる。 画面の調節操作を補佐し、適切な環境を用意させる。
2.セルについて(列と行、セル参照などについて説明する。 副教材に従い、セルを移動させ、セル参照を音声で確認し、理解する。 マウス使用者に対し、行と列について質問し、セル参照について理解を促す。
3.数式を利用した計算について、直接数式を用いる場合・セル参照を用いる場合・関数を用いる場合があることを説明し、実際に体験させる。音声使用者の補佐に当たる。 点字で用意された副教材を利用し、実際に数式を入れ、計算をしてみる。 マウス使用者に対する補佐に当たる。数式を用いた計算について、説明を加えながら副教材に従った操作をさせ、体験させる。
展開2
24分 
テーマ2 WordにExcelの表を貼り付ける。
分割指導 音声使用者に対し指導する。   マウス使用生徒に対し、ノウハウ集を元に以下の内容を指導する。
録音テープを渡し、テープの内容に従い操作を進める様、促す。また、適宜、操作手順等について補佐し、混乱が生じない様、配慮する。 録音テープの内容に従い、操作を進め、Word内にExcelで書かれた表を貼り付ける。スムーズな操作が行え、時間に余裕のありそうな生徒は、一連の操作を復習し、表の内容や数式などを変えてみる。 1.Wordを起動させる。
2.Wordデータを読み込ませる。
3.Excelを起動させる。
4.Excelデータを読み込ませる。
5.Excel上の数式を確認させる。
6.Word上にExcelの表を貼り付けさせる。
まとめ 1分 1.本時の内容の整理 感想などを発言する。  
  2.本時の感想を問う。    
  マウス使用生徒の活動 留意点
導入 1分 本時の内容を確認する。  
展開1 24分  テーマ1 Excelの基本について理解する。
全体指導 マウスを使用し、デスクトップ、またはスタートメニューからExcelを起動する。 アプリケーションの起動は、各生徒がいつも行っている方法で行う。やり方を強制しない。
自分の見やすい画面に調節する。(ズーム機能・画面反転表示)  
教員Bの質問に答えながらセルを動かし、セル参照を理解する。  
墨字で用意された副教材を利用し、実際に数式を入れ、計算をしてみる。 副教材2の2.、3の1.を基本に練習させる。できる生徒はすべての作業について試してみる。全てが終わらなくても時間で区切り、次へ進む。
展開2 24分 テーマ2 WordにExcelの表を貼り付ける。
分割指導    
教員Bの指示に従い、操作を進め、Word上にExcelの表を貼り付けていく。スムーズに操作が行え、時間に余裕がありそうな生徒は、一連の操作を復習し、表の内容や計算式などを変えてみる。 分割指導を行うが、指導者Aは適宜、指導者Bの補佐に当たる。
まとめ 1分 感想などを発言する。  
   

図6 点字ディスプレイで操作する生徒を指導する様子

図7 拡大読書機で資料を読みながら自学習用録音テープで操作する様子

図8 利用したカセットテープ録音機(足でコントロール可能、再生の速さ調整可能)

(4)実践授業4

1) 日時

平成14年12月11日(水) 第3・4校時

2) 場所

都立文京盲学校臨床準備室

3) 科目名

理療臨床実習

4)対象学年

高等部専攻科理療科3年(11名中の2名を対象とした)
(音声環境使用者1名・マウス使用者1名)
※本実践授業は、患者実習時間中に、2名の生徒に対しカルテシステムの入力についての実習指導を行う。(実習生徒選択の観点は、スクリーンリーダでの使用を前提とした者と、弱視でマウス操作を前提とした生徒である。)

5) 指導者:

田中秀樹 軽部智千

6) 本時課題

「目標17:電子予約・カルテシステムによるカルテに記載ができる」

7) 本時の目標

8) 教材・教具

9) IT環境

10) 本時の展開

 本時の実践授業にあたって、事前指導をおこなっている。
第1回 12月10日(火) 5・6校時

表7 指導案
展開 指導項目 指導内容 生徒の活動 指導上の留意点

本時の学習内容の提示 予約管理システムの概略を復習し、パソコンを使用しての実習を提示する。 12月10日に配布された資料を参照しながら、指導者の話をきく。  


I
電子予約・カルテシステムのの起動 スタートメニューからカルテ管理システムを経て予約システムを起動する。 指導者の指示に従ってスタートメニューからカルテ管理システムを選択し、ログインの後、予約システムを起動する。 PCの習熟度に応じ、音声の調整やショートカットによる操作を指導する。


II
施術可能日設定 施術可能日設定の追加設定方法を全体に説明する。
追加設定の確認として、「施術可能日指定」の閲覧を行う。
指導者の指示に従ってメニュー画面から「施術可能日指定」を選択し、指定された月日、コマ数(時間帯)、施術者で、施術可能コマの追加処理を行う。
変更後の確認作業を行う。
カーソルキーやタブキーによる移動で、現在どの部分にフォーカスがあわされているか、複数指導者による個別指導を行う。


III
新規患者予約 展開 II で追加した施術可能コマに、指定された患者の新規予約を行う。
追加後に「予約確認」で予約の追加変更の確認を行う。
メニュー画面から「新規予約」を選択し、指定された患者を名前検索から特定し、指定された月日、コマおよび施術者で予約の新規登録を行う。
新規予約の確認を行う。
カーソルキーやタブキーによる移動で、現在どの部分にフォーカスがあわされているか、複数指導者による個別指導を行う。


IV
条件指定による患者予約(1) 曜日と施術者を指定した新規患者の予約方法について指導する。
予約処理後に「予約確認」で予約の追加変更の確認を行う。
「新規予約」を選択し、指定された患者を名前検索から特定し、左記の条件で予約の新規登録を行う。
新規予約の確認を行う。
条件設定により、予約可能候補が提示される事を理解させる。


V
条件指定による患者予約(2) コマ(時間帯)と施術者を指定した新規患者の予約方法について指導する。
予約処理後に「予約確認」で予約の追加変更確認を行う。
展開 IV と同様の手順で条件設定を行い、予約の新規登録を行う。
展開 IV・V を通して、予約管理にさいし必要な条件を理解させる。
生徒の習熟度に応じ、指導範囲を適切に調整する。


本時のまとめ 予約管理システムの操作手順に関する総括を行う。
システム導入による将来展望を説明する。
指導者の話を聞きながら、本時の学習内容を確認する。 IT機器を活用した予約システムの導入により、煩雑な業務における視覚障害のハンディを補うことが可能となり、ひいては職域の拡大につなげられる事を指導する。




実践授業後のアンケート 実践授業を経た後の成果について、アンケートを行う。 アンケート用紙に記入する。 生徒の視力状況等に応じ、指導者が聞き取りの形式で行う。

図9 実践授業に先立ち、システムを説明している様子

図10 電子予約・カルテシステムでカルテ業務を指導している様子


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