7.プロジェクトの評価について




7.1 評価観点について

(1)モバイル機器の授業での活用について

 授業実践のなかでPDAについて以下の項目を評価する。

(2)教育用画像素材集の活用について  

 素材集について以下の項目を評価する。

(3)博物館、他の学校との連携について

(4)教職員のスキルアップについて

(5)プロジェクト実施による教育効果について

(6)2005年の学習環境について

(7)プロジェクト成果の有効的な活用方法について

7.2 評価の方法について

 評価については児童生徒、教職員へのアンケートと授業実践の報告を基に評価することとする。

7.3 評価の結果について

 児童生徒、教職員へのアンケート結果

全体のサイズ(幅7.4cm 長さ13.8cm 厚さ1.99cm)は
動作スピード(画面の変わるスピードなど)は
画面サイズ(3.5インチ)は
画面は
写真の入る枚数は
重さは
キーボード と "ペン" どちらが入力しやすいですか?
写真を送る時の速さは
ザウルスを使っている時に、電池が切れてしまったことは
写真を撮った時に、色や細かい部分は
写真を撮った時に、ズームは
辞書の機能を使って、調べられなかった言葉は
ペンで入力をした時に、認識をしなかった文字は
メールの送信方法は
ホームページの検索方法は
キーボード入力は
かな入力は

(1)モバイル機器の授業での活用について

授業実践のなかでPDAの評価

・サイズ
 全体サイズは小さいと答えた割合が児童(61.4%)教師(80%)と多く持ち運びする上で幅7.4cm長さ13.8cm厚さ1.99cmは適当なサイズである。
 画面サイズはちょうど良いが児童(80.7%)教師(65%)となっており3.5インチでほぼ問題なしである。
 重さについても重くないが児童(75.9%)教師(80%)となっており持ち運びで負担になっていないようである。
 校外で移動しながらの活用を考えると手のひらに載せて利用ができるサイズが必要な条件である。
・デジタルカメラ
 今回使用の内蔵型デジタルカメラは31万画素であったが撮影に関して細かい部分が写らなかったは、児童(33.7%)教師(60%)となった。
 教師は普段画素数の高いデジカメを使用しているので不満であるが児童についてはほぼ問題なしの結果となった。
 また、ズーム機能については今回使用のものは2段階切替であったが児童(72.3%)教師(70%)がもっと必要と答えている。
・辞書
 内臓辞書は210.000語(人名、地名含む)で調べれなかった言葉は、児童(81.9%)教師(100%)がないと答えており問題がない。
・ペン入力
 文字入力でペンとキーボードどちらが入力しやすいかは、ペンは児童(77.1%)教師(70%)となりペン入力となった。
 また、ペンで入力した時の手書き認識は、認識しない文字が児童(42.4%)教師(40%)となった。
・キーボード入力
 キーボード入力は、児童(74.7%)教師(70%)が簡単と答えており小さなキーボードが障害となっていない。
・メール送信
 メール送信の操作については、児童(55.4%)教師(50%)が難しいと答えており送信先など事前に登録していたが問題となった。
・ホームページ検索
 ホームページ検索の操作は、児童(55.6%)教師(60%)が簡単と答えており画面が小さいことはあまり問題とならなかった。
 全体として通信カード、デジタルカメラ内臓の一体型モデルの評価は、細部については要望もあるがおおむね校外でリアルタイムでの使用が可能であるとの結論となった。

(2)教育用画像素材集の活用について

・素材の内容
 環境調査活動では植物、昆虫、鳥などが頻繁に使用されるので、今回使用した素材集の「環境指標生物」が色々な場面で活動を支援するものとなった。
 まとめに利用することを想定していたが調べることにも活用されており図鑑の役割も果たしていた。
・ネットワークでの使用
 校外でその場で検索でき、質問、疑問がすぐに解決することが学習意欲の向上につながるなどネットワークでの利用もおおきな効果となった。

(3)博物館、他の学校との連携について

・博物館との連携の手法
 今回は環境調査活動で地域の博物館学芸員のかたに協力を頂いた。環境調査については専門知識も必要なことから支援は不可欠な条件となる。今回は、事前に児童生徒とかかわりを持つこと、教師と細かい打合せをすることなどが重要との報告があった。
 また、学芸員の方が質問にたいして答えを導く指導をされている点も学習が深まることにつながった。
・共同学習の手法
 環境調査活動は、同じテーマで取組みをしている他の学校と共同学習で意見交換をすることでさまざまな効果がでている。
 学校単独の取組みの限界を、教育委員会の連携などで広く情報を共有し進めることが効果をあげる方法である。

(4)教職員のスキルアップについて

・研修会の内容
 今回はつくば市で集合研修でなく各学校のパソコン教室の機器を使用して研修を実施した。集合研修では使用する機器やソフトなどが自分の学校と違い研修の効果がすぐに授業で役立てることが出来ないことを解消でき活用の促進に結び付いた。
 また、委員会指導主事が講師となることで機器、ソフトの操作説明にとどまらず授業の指導案などの相談も含め連携強化につながった。
・校長研修会
 学校長自らにコンピュータの教育利用を理解していただき校内の利用推進をしていただくことを目的に開催した。
 実践事例の紹介や大学教授の講演を通じてITを有効に使うことの効果を理解していただきリーダーシップを発揮していただくことの支援ができた。

(5)プロジェクト実施による教育効果について

 モバイル機器を使用することによる教育効果については、テーマである環境調査活動においての実践で以下の効果があった。
 校外の活動する場所で情報の発信、受信、ネットワークへの接続ができるというモバイルの特徴が児童生徒の興味、関心を高め主体的に取組むことにつながった。また、その場で質問することで内容を深めることにもつながりた。
 リアルタイムでの博物館の学芸員さんの助言で自分の課題が解決することでより主体的な学習となった。
 情報が新鮮なうちに話し合い、意見交換(メール)することで活発な活動となった。
 授業実践をホームページに公開することで色々なノウハウを伝えることが可能となり、さらに共同学習などが拡大することも期待できます。
 ただし、環境調査活動では教職員以外の支援が不可欠な条件であることも判明しその仕組み作りも重要な要素である。

(6)2005年の学習環境について

 文部科学省の推進する整備基準の各教室へのパソコン、液晶プロジェクタ配備も進むと今回実施したリアルタイムでの学習や発表などがすべての教室で可能となり事前準備も短縮されるであろう。
 環境調査活動などはその機器を使うことで効果があがる一例であり今後その他の分野でも活用される事例を増やす必要がある。
 ホームページで実践の事例を公開することで情報の共有をはかり共同で取組む仕組みを作ることができれば今回のプロジェクトが広まることも可能である。

(7)プロジェクト成果の有効的な活用方法について

・新規商品開発について
 携帯端末は主にビジネスユースで商品企画がされており基本仕様について変更が可能であれば学校での活用は拡大する。
 高機能(CPU,メモリ、カメラ、通信スピードなど)だけを追求するのではなく、学校全体のシステムとの親和性を考慮すれば価格的にも安価なものの実現は可能である。
 今回のプロジェクトの結果を関係の部署に伝えることで今後のPDAの開発に結びつくよう努力する。
・ホームページの活用
 今回の実践報告の掲載にとどめず、継続して環境調査活動などの取組みを掲載することで取組みを拡大する。
 また地域のボランティアの方との連携を深めることにも役立つ内容に継続して取組むことにする。


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