■e-黒板ニュース(第59号):全ての教科で、全ての教員がe-黒板を活用した授業!  10月16日(日)に東京都墨田区立鐘淵中学校では、平成17年度東京都教育委員会 「情報モラル教育実践モデル校」並びに、平成17年・18年度墨田区「特色ある学校づ くり推進校」をテーマに、研究発表会がありました。墨田区の教育長、教育委員長、 指導主事も参加されていました。  佐野市立多田小学校の金井信夫先生から待望の投稿がありましたので、紹介させて いただきます。このたびブログ「Eスクエア・エボリューション 多田小学校学校企画」 を立ち上げられ、電子情報ボード(e-黒板)を活用していく上で参考になる情報を どんどんアップしていきますとのことです。 今号の目次: ===================================== 1.報告:鐘淵中学校の研究発表会 2.投稿:ブログ「Eスクエア・エボリューション 多田小学校学校企画」開設 =====================================  再配信またはご紹介は、ご自由にどうぞ。会員の皆様からの投稿もお待ちしています。 1.報告:鐘淵中学校の研究発表会  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  東京都墨田区立鐘淵中学校では、「e-黒板が授業を変える!」〜電子情報ボードを 活用した授業の提案〜 と「情報モラルを身につけたネット社会の歩き方」の研究を 進めてきており、10月16日(日)はその「研究発表会」がありました。 (1)鐘淵中学校の挑戦  渡部校長は、すべての教員がe-黒板を使えるようにという目標を立てて進めてこら れました。最初は市倉先生だけでしたが、この夏5名の先生がインストラクターと なって、それぞれ4〜5名の先生方を「マンツーマン研修」「グループ研修」で教える という仕組みでその挑戦がはじまりました。今回はその成果の発表第一弾です。 (2)公開授業と研究事業  9:10からの1校時から13:50までの4校時で、3学年全7クラスで23の実践授業があり ました。そのうち19の授業がe-黒板(電子黒板)を活用した実践です。  e-黒板研究会会長(メディア教育開発センター理事長)の清水康敬氏も授業見学に 参加されました。私は数学、体育、美術の授業を中心に見学しました。他に、国語、 体育、社会、英語、音楽、理科、道徳、技術(順不同)の授業がありました。 (3)dbookの活用とビデオ教材の活用  数学・国語など多くの授業で’dbook’を活用されていました。 (dbookとはデジタル教材作成ツールです。詳細については、CECのe-黒板研究会の平 成16年度の成果報告CD-ROMの付録1を参照ください。このページからdbookの試作 ソフトがダウンロードも可能です。)  国語では「奥の細道」に関するDVDを視聴させたり、美術ではレオナルド・ダビンチ の生涯を紹介するビデオを流したりしていました。体育では、模範演技をパソコン画 面で確認させたり、生徒の演技をプラズマディスプレイで大写しし、確認させたりア ドバイスをしたりしていました。 (4)ちょっとしたトラブルも生徒の協力で  無意識のうちにボードを動かしてしまったために、ポイントする位置がづれたりす る場合がありました。その都度、「校正(位置合わせ)」をしてリスタートしていま した。また、数学の授業で直線を引く時に高い位置だと人差し指が触れる前に、小指 のあたりが触れていたようでなかなかうまくいかないといったトラブルもありました。 原因がわかってからは問題はなかったようです。  その他、音がでなかったり、元に戻す操作を先生が間違えそうになると、生徒たち が先生に教えたり、操作を手伝ったりして「危機」を乗り越えていました。生徒の方 が覚えが早いし、いろいろな先生の授業を受けているので「体験」も豊富です。  子どもたちに手伝ってもらいながら授業を進めていくのもいい方法ですね。  渡部校長の「全ての授業で、全ての先生が使えるようにする」という目標に向かっ ての挑戦が始まったばかりですが、着実に前に向かって進んでいるようです。 (5)学校説明会、研究発表、講演、そしてパネルディスカッション  そのあと14:10からは、学校説明会、研究発表、講演、パネルディスカッションと 続きました。学校説明会では、来年度から中学生になる子どもたちとその保護者を 対象に鐘淵中学校の特徴や具体的な取組みを紹介していました。  研究発表では、大塚教務主任が「研究テーマの解説」を、市倉先生が「研究の歩み と今後の展開と題して、e-黒板のメリットや課題、そして今後の活用に関する考え方 をうまくまとめて説明されていました。 (講演については、省略します。)  パネルディスカッションのテーマは、「情報モラルとは?」です。  関は、冒頭の問題提起をまかされました。平成12年度・13年度にCECのIPA委託事業 で開発した「ネット社会の歩き方」を紹介しました。 http://www.cec.or.jp/net-walk/  この教育用コンテンツは今年度、さらにバージョンアップされる予定です。  都立江東商業高等学校の榎本竜二先生は、「ネット社会で、子どもたちが被害者に ならないこと、加害者にならないこと」、そのためには先生方が現実に何が起こった り問題となるかを知る必要があるということ。個人情報保護法に関して、学校がとる アンケートなどを例にポイントを解説されました。  NTTドコモのモバイル社会研究所の遊橋裕泰氏は、中学生が丁度携帯を持ち始める 時期であり、その携帯は持ち始めてから2ヶ月が一番重要な時期であると指摘されま した。  墨田区教育委員会指導主事の内田辰彦氏は、学習指導要領より引用されながら、 子どもたちをとりまく現状について解説されました。「規範意識を育てること」「判 断力を育てること」の重要さと、墨田区で定めた「インターネットの利用5か条」に ついても紹介されました。  PTA副会長の稲村文子氏は、「モラル=人間として守るべき正しい道」であるが、 インターネットや携帯は、子どもがどのような経験をしているのか、親が見られない のが問題である。また、「だめなものはだめ、いいものはいいと、親がきちっと判断 できればいいのだけど、それが難しい状況になる」という現状の課題を説明されました。 (このパネルディスカッションの最中に震度3の地震がありました。壇上の我々は、 天井で揺れる照明器具をみて不安な気持ちになりましたが、すぐにおさまったので プログラムは無事続行されました。)  最後に、渡部校長が締めとして、「お礼の言葉」を述べられましたが、前日までの 先生方の準備の大変さを説明しながら「感極まった」瞬間がありました。でも、一番 大変な苦労をされたのは校長先生ご自身であったと私は推察しています。 2.投稿:ブログ「Eスクエア・エボリューション 多田小学校学校企画」開設  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  本校は、コンピュータ教育開発センター(CEC)のEスクエア・エボリューショ ン学校企画において、電子情報ボード(e-黒板)の活用について研究をしています。 研究の様子を公開するために、専用のブログを立ち上げました。研究の様子を伝える ことだけを目的とした専用のブログですので、詳細な情報を頻繁に発信し続ける予定 です。  電子情報ボード(e-黒板)を活用していく上で参考になる情報をどんどんアップして いきますので、是非「お気に入り」に登録していただき、定期的に訪問してみてくだ さい。よろしくお願いします。 Eスクエア・エボリューション 多田小学校学校企画 http://blogs.yahoo.co.jp/interactiveboard      栃木県佐野市立多田小学校 企画実施責任者 金井信夫                                以上 ========================== 発行:財団法人コンピュータ教育開発センター 荒木 豊 編集:e-黒板研究会 関 幸一 e-黒板研究会 ホームページ:  http://www.cec.or.jp/e2a/ekokuban/ e-黒板ニュースのバックナンバー等もご覧いただけます。 ==========================