産業界との協力授業
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実践事例
ピアノ製造を通して学ぶ物つくり
実施した教育機関・生徒数・実施日

■静岡県浜松市立竜禅寺小学校

学年

クラス

生徒数

実施日

合計授業時間

3年生

2クラス

各38名 計76名

平成13年11月7日(水)、13日(火)、27日(月)

14時間


主な学習活動と内容
時間
1  講師の話しを聞き自分達の地域にある会社(河合楽器)でつくられている生産物(ピアノ)に興味・関心を持つ
2  工場へ行って調べたいことを考える
3  工場を見学して、生産活動の様子や自然条件を生かした生産の工夫を調べる。
4  見学してきたことを班ごとにまとめる。チームごとのチーム・ティーチングを行い新聞作りを実施。
5  調べたことを、プレゼンテーションソフト等を活用しながら班ごとに発表する。
6  講師の話しを聞き、生産活動・調律活動での工夫や苦労を知る。
14

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実施した教科・単元

■静岡県浜松市立竜禅寺小学校

学年

教科名

単元

小学校3年生

社会

「わたしたちのくらしのものをつくるしごと」


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授業概要

■概要

小学校3年社会科では、「地域の産業や消費生活の様子、人々の健康な生活や諸活動について理解できるようにし、・・・」(小学校学習指導要領)と、地域の産業について学習することがねらいの一つに挙げられている。本授業では、当社の研究所・製造部門の講師がピアノの内部や部品の材料を見せたり触れたりさせ、たくさんの部品で出来ていることや音の鳴る仕組みについて分かりやすく説明する。また、竜洋工場の見学では現場工員へのインタビューもまじえ、たくさんの工程や工夫があること・多くの人が一生懸命働いていることを紹介する。最終授業では学校のグランドピアノでピアニストによるミニコンサートを実施し感動的なしめくくりとする。


 

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授業のねらい
小学校3年社会科では、「地域の産業や消費生活の様子、人々の健康な生活や諸活動について理解できるようにし、・・・」(小学校学習指導要領3年社会科より)と、地域の産業について学習することがねらいの一つに挙げられている。本市は、日本有数の楽器産業が盛んな都市であり、多くの学校が地域の産業としてピアノを中心とした楽器産業を教材として取り上げている。本実践では、工場見学にとどまらず、企業の講師が学校を訪問して実際に学校備品のピアノを使用し、具体的部品を例示しながら物づくり・音づくりのノウハウなどの題材を子どもたちの前で話したり、実演をしたり、企業がもつデジタル情報資産を活用したりするなど、単元全体にわたって学校と企業が連携を取ることにより、これまで以上に子どもたちに感動を与え深まりのある学習活動を展開し、地域では、人々が生産に関する仕事をしていて、わたしたちの生活を支えていること、また、身近な生産活動の実際について、観察・調査したり、表現したりすることを通して、仕事の特色や他地域との関わり、生産に携わる人々の工夫を具体的に考えることを目的とする。

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授業内容

実施単位

テーマ

1回目

企業の講師が学校を訪問し、音楽室のピアノを教材のベースに自分たちの地域にある会社でつくられているもの"生産物(ピアノ)"に興味・関心をもつ事を目的とした。


実施場所

竜禅寺小学校

実施時間

45分

講師

株式会社 河合楽器製作所

使用教材

・HTMLで作成した調べ学習用資料地図及び航空写真  

・ピアノ部品:ハンマー、フェルト、ウィペン(部品)羊毛  生徒全員に配布

・響板 1枚

・カットサンプル(グランドピアノアクション) 6セット


授業の進行・内容
授業の様子

■進行
講師の話しを聞き自分達の地域にある会社(河合楽器)でつくられている生産物(ピアノ)に興味・関心を持つ

■内容
"ハンマー"を配布し、投げかけ

・ 何でできているのかな?

"ハンマー"の原料である羊毛を配布し、増え手でもんでフェルト化することを体験させる。

さらに、機械で作成したフェルトを配布し、その硬さを実感させる。

 

"ハンマー"はピアノのどこに使われているか?

ピアノ前面から鍵盤部分を引き出し、ハンマーが使われていることを確認

 

ハンマーはいくつあるかな?

 答えは88個

ハンマーが弦を打っていることを ピンポン玉を弦に乗せ、鍵盤を押すと跳ね上がることで説明。

太鼓のバチで弦をたたいて、いろいろな音がでることを実演

ウイペン機構を配布し、クイズ。

・フェルトがいくつある?。→9つ。

・黄色いのは何?→鹿皮

とても沢山の部品でピアノはできている。

響板実物を見せて弦の音を響かせていることを説明し、平面と湾曲している時の音の違いをバチでたたいて、聞かせる。

 

ピアノの説明はここまで。

 

ピアノを作ってるところ見てみたい?

 HTML教材を使って竜洋工場の説明

世界地図−>日本地図−>静岡県−>小学校 天竜川の向こう側−>竜洋工場航空写真

 

部位取り外す都度、歓声

ピアノ、壊していいの?

  

 

数人が、ピンポン玉跳びにチャレンジ

ウィペンや鹿皮の実物を手でさわったり、観察したりして、予想したことを数人の児童が回答。

 

ほんとだ。音が違う。 

全員が大きな声で返事


実施単位

テーマ

3回目

工場を見学して、生産活動の様子や自然条件を生かした生産の工夫を調べる。

前の授業での個々の課題をもって工程を見学する。その際、工場で働く人にインタビューしたり、テープレコーダーで音声記録をとったりして情報を収集する。ポイントごとに工場担当者が立ち、説明、インタビューに対応。最後にピアニストが世界で活躍するフルコンサートピアノを使ったミニコンサートを実施。


実施場所

(株)河合楽器製作所

竜洋工場(静岡県磐田郡竜洋町)

実施時間

4時間

講師

株式会社 河合楽器製作所
竜洋工場

使用教材

・ワークシート(工場見学用)

・ピアニストによるミニコンサート


授業の進行・内容
授業の様子

■内容
工場を見学して、生産活動の様子や自然条件を生かした生産の工夫を調べる。

 


実施単位

テーマ

6回目

企業の講師が学校を訪問し、音楽室のピアノを教材のベースに調律(きれいな音・ただしい音・工夫された音)の実験や世界中のコンサートの裏方作業や調律活動についての話をする。 最後にただしく調律されたピアノを使ったピアニストによる演奏で終了する。


実施場所

竜禅寺小学校

実施時間

1時間

講師

河合楽器サービスセンター
調律師

使用教材

・張弦力実験機 1台

・調律師が調律作業現場で使う道具 1式

・ピアニストによるミニコンサート


授業の進行・内容
授業の様子

■進行
講師の話しを聞き、生産活動・調律活動での工夫や苦労を知る。

■内容
調律師さんの仕事はどんなこと?

 ・音を合わせ、整える

 ・弾いたときの感じ(タッチ)の調整

 ・ピアノのお医者さん

 ・置き場所の相談や引越しの手配もする

 

 

 

きれいな音ときたない音の違いクイズ

予めわざとくるわせた音・正しい音を聞かせて ○ × で当てっこしてみる。

 

きれいな音の気持ちよさ、調律の大切さを感じさせる。

 

きたない音を直したり調整したりする道具が入ったカバンを見せる。

児童に持たせてみて、その重さを実感させ、中の道具を紹介。

 ・ドライバー

 ・チューニングハンマー

 ・針がついた道具などいろいろある

 

実際に弦を調整して音が変化していく様子を観察させる。音の違いを比較

 

音叉という道具で基本の音を決めて1本ずつ調整する。

88鍵盤 230本 もあるのに大変な仕事。ペダルの役割も紹介。

 

張弦力実験機で弦を引っ張る力をかえると音がかわることを実験。

 

みんなの体重は平均30キロぐらいだから、さっきみたいな音だけど、ピアノの弦は1本あたりだいたい90キロで引っ張っている。

全部の弦を引っ張っている力を足すとみんなが600人ぐらい必要。大型ダンプカー1台を持ち上げる20トンの力くらいになる。

そのため、ピアノはフレームという金色の部分でささえられている。

 やわらかい"太鼓のバチ"、硬い"木琴のバチ"

で弦をたたいて、たたくものの硬さで音がかわることを実演し、ハンマーを針のついている道具でほぐしたりペーパーで削ったりして硬さを調整することを説明。

 浜松で勉強した調律師が世界中に行って仕事をしている。中国やインドネシアの人も勉強にきている。アクトシティ(浜松)に世界中の3000人ぐらいの調律師さんが集まって勉強会もした。

浜松はピアノやそれにまつわる仕事の中心である。 

目の前で調律したピアノでピアニストによるミニコンサート。

・「月光 第2楽章 」 (前回竜洋では第一楽章を演奏。暗いイメージを持った子もいたらしい。同じ曲でも明るい感じの部分もあることを知ってもらいたい)

 ・「エリーゼのために」(知っている子が多い)

 ・「千と千尋の神隠しテーマ曲」(流行の曲で、こどもに人気がある)

 

担任の先生より、講師への挨拶

 

知ってる。うちのピアノもなおしてもらったことあるよ。

 

音をよく聞いて、わかった児童が手をあげて黒板に○か×を書く。

他の児童は、口々に○だよとか、×だよと意見を言い合う。

 

 

すごい、重たい!!

 

 

 

ピアノの回りに集まる。

音が変わったことに、大きくうなずく。

すごいね、面白いね。

大きい子、小さい子 、一人と二人、乗る位置 をかえる などいろいろ試してみる。

音がいろいろにかわって面白い!

(担任の)先生も乗ってみて

 

 

 

 

不思議だね。すごいね。

 

 

 

竜洋工場でも会ったね。

ここで、1年生、2年生も参加。

 

 

 

知っている子が多く反応が強い。頭が自然に揺れる。

 

曲が始まると、ざわめき、小さい声で歌詞を口ずさむ児童もいた。

 

自然発生的に沖先生、中山先生に握手をもとめ、講師の周りに児童が集まった。

 


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実施環境

実施場所

【1回目】竜禅寺小学校

使用した機器

音楽室に設置してあるグランドピアノ 1台 、プロジェクター・スクリーン・全体説明用パソコン 各1台


実施場所

【3回目】(株)河合楽器製作所 竜洋工場(静岡県磐田郡竜洋町)

グランドピアノ製造工場


実施場所

【6回目】竜禅寺小学校

使用した機器

音楽室に設置してあるグランドピアノ 1台 、プロジェクター・スクリーン・全体説明用パソコン 各1台


 

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使用教材

教材タイトル

【1回目】

教材仕様

・HTMLで作成した調べ学習用資料地図及び航空写真

・ピアノ部品:ハンマー、フェルト、ウィペン(部品)羊毛 生徒全員に配布

・響板 1枚

・カットサンプル(グランドピアノアクション) 6セット


教材タイトル

【3回目】

教材仕様

・ワークシート(工場見学用)

・ピアニストによるミニコンサート


教材タイトル

【6回目】

教材仕様

・張弦力実験機 1台

・調律師が調律作業現場で使う道具 1式

・ピアニストによるミニコンサート


 

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授業の感想
・最初の1時間
■教師から クイズや実験などに夢中になって取組む子供の姿をみることができた。
普段あまり書けずまとめることを苦手としている子も感動が大きいため、しっかりかきあらわすことができた。
■講師から 連携が大変よかったと思う。 学校の窓口となった教育委員会、本社スタッフ、工場スタッフ、小学校の先生とのメール等による情報の共有、期間が短いにも拘わらず信頼関係等が築けたことがうまく連携できた要因だと思う。

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・中間の4時間
■教師から 工場見学では通常の見学コースにないところも見学できたし、途中4カ所に働いている方に立ってもらい、子供たちがインタビューしながら自分の課題を解決できました。

ミニコンサートはとてもすばらしかったと思う。


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・最後の1時間
■教師から 音というのはとても魅力があり「きれいな音」をキーワードに音を守るドクターのような調律師の仕事に驚きと関心を持つことができた。
音叉を使ったり弦を柔らかいものや硬いものでたたいたりするなど子供たちの興味関心を上手に持続させることができた。 又、張弦力実験機はとても分りやすいものだったため、ワークシートへのまとめもとても具体的なものになっていた。
■講師から 今回は学校側も企業側も互いの立場を十分理解し、共通の目標に向かって一生懸命に出来たことは大変よかったと思っております。
教育は将来の社会を考える上で政治・経済と同等に大切なことと考えます。

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