2.プロジェクトの概要




2.1プロジェクトの全体像

(1)実践方法

 岡山市内の小学校2校を選定し,その校域の航空写真にICタグを埋め込み,地域固有のコンテンツを収集・作成して登録することでデジタルマップを完成させる実証実験を実施。実施する授業科目および実施時間は各学校により選定していただいた。(想定される科目は,理科,社会,総合学習の各科目で,実施時間は,各科目により異なるが,発表会を含めて,各学校最低10〜15時間程度は実施できると考えた)
1〜3メートル四方程度の航空写真を実証実験校の普通教室または特別教室の黒板に掲げ,複数のICタグを貼り付ける。地図の大きさはスケールを統一させると学校ごとに地図の大きさが変わることから,地図の大きさを統一させて,その大きさに沿ったスケールの航空写真を使用することした。(6.2.7参照)
児童は,個人もしくはグループ単位で,学区内の施設や建物などの探索し,収集したデータをコンテンツとして,ICタグにコンテンツ情報を登録する。
学校にある既存パソコンを活用して静止画や動画コンテンツの収集や作成を行い,そのコンテンツは専用アプリケーション(開発)を通じてコンテンツ登録サーバに蓄積する。
 特に,動画コンテンツの収集においてはブロードバンド環境が必要となる。      
校外で撮影や収集をする際は岡山市の電子町内会とも交流し,町内会や一般市民が持っているコンテンツの収集も検討する。この場合はPDAも利用。
各校で作成したデジタルマップは2月に開催した合同発表会に持ち寄り,
児童生徒はその上をPDAやタブレットPCを持って移動し,その位置に応じたコンテンツを専用アプリケーション(開発)で閲覧でき,自校外の地域情報をも認識することが可能になる。
 携帯端末はコンテンツ登録サーバと無線LAN環境で同期する。

(2)開発

コンテンツをサーバに登録する際の専用アプリケーション(教室パソコン用)
デジタルマップを移動しながらコンテンツを閲覧する専用アプリケーション(タブレットPC,PDA用)

(3)教育的効果および活用例

 学校では既存の航空写真に複数のICタグをグループ単位で貼り付け,担当地域の情報を収集する。
 複数のクラスで実施する場合は,ICタグにクラス情報を追加することで,そのクラスに応じたデジタルマップを作成することも可能である。また,年代別や産業別など,様々な分類を追加して校種や教科を拡大させることもできる。
 また,ここで作成されたコンテンツは平成17年8月にオープン予定の岡山市デジタルミュージアムに格納し,これから数年,数十年にわたって蓄積することができる。これにより,「いま」という歴史を将来にわたって残し続けることにもなる。

2.2有効性の検証

 IT機器に関する要件については児童生徒に対する定点観測を定期的に行い,特に携帯端末の差異は利用状況(頻度)を数値化する。同時に生徒にIT機器に関するアンケートを実施し,各IT機器の携帯性や利便性の検証を行うことで,今後の学校へのIT機器導入の有効性の材料とする。
ブロードバンド環境は実際のスループットを測定することで,最適な環境を導き出す。
 また,担当教員を中心としたアンケート及びヒヤリングを2〜3回実施し,教育・学習面での価値(有効性)を評価する。

 



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