6.成果とその普及方法について



6.1 プロジェクトの成果について(教育用ITの要件・活用方法等)

 当初、高等学校の情報の授業での活用を想定したロボットを使ったIT教育教材を、小学校の授業で実践するための活用ノウハウをまとめることができた。ロボットの動きをプログラミングするインターフェイスとして、フローチャートを画面上で組み立てる方法を採用したことが、結果として、より低年齢の子供たちにも親しめるものであったと考える。これにより、小学校での体験学習から、中学校の技術家庭、高等学校での本格的なアルゴリズムの学習まで、幅広い校種での活用が可能であることが検証された。
 小学校においては、課題に競技の要素を取り入れ、グループ間で競争することにより、モチベーションの維持向上につなげることができた。児童は、楽しく競技に取り組んでいるうちに、無意識に考え、工夫を凝らし、コミュニケーションを取っていた。目の前で自分たちのロボットが動き、その結果が目に見えてわかる、このことが、児童全員が主体性を発揮して取り組むことにつながっていた。
 競技も、ペットボトルを利用した障害物走やボウリングなど、容易に実現可能なモデルを提供することで、どの学校でも手軽に導入できるよう考慮した。さらに、各学校の事情に合わせ、課題をカスタマイズして実現できるよう柔軟性を持たせた。
 ロボットも安価な市販品を採用することで、手軽に入手することができる。実践授業事例や、小学校での授業構成モデルは、成果物としてホームページで公開している。学校設備のパソコンを使って、すぐにでもロボットの授業を行うことが可能であるので、活用していただきたい。

6.2 プロジェクトの成果の普及方法について(実績と今後の予定)

(1)プロジェクト進行中の実績

  プロジェクト進行中の成果の普及については、各地でのセミナーや展示会において、プロジェクト活動内容の発表や、教材のデモを実際にご覧いただき、レスポンスを得る活動を実施した。
 この中から、実践授業や教材導入に結びついた事例が多く、普及の手段として有効な活動であった。

日付
実施場所および概要
2004/9/3 兵庫県立教育研修所
「教員向けセミナー」
2004/10/22 先進IT活用教育シンポジウム in 岡山
「プロジェクト事例発表」
2004/11/7 千葉県立現代産業科学館サイエンスショー
「簡単プログラムでロボットが動く!」
2005/1/2〜5 近鉄百貨店阿倍野本店
「ABENOロボット博」出展

玉野市立第二日比小学校での実践授業においては、マスコミ2社の取材があり、ニュースとして報道された。

報道機関
報道概要
倉敷ケーブルテレビ 実践授業の様子を、2005/1/18のニュースで報道
山陽新聞 実践授業の様子を、2005/1/20の新聞紙面に掲載

(2)普及活動について

 今後も、営業組織との連携を図り、教育関連施設への紹介活動を軸に、各地でのイベントやセミナーへの参加、学会発表、マスコミへのリリース、教育関連企業などにもアプローチしていくことを検討する。
また、実践授業をきっかけに、当ロボット教材ソフトを利用した授業の有効性に着目され、来年度、他の学校にも広く導入する計画を検討されている地域もあるため、サポートを予定する。
 ホームページでの情報発信活動も継続して実施する。実践授業で使用したロボット教材ソフトウェアは、試用版としてホームページからダウンロードする形で無償提供を行っている。実践授業事例や授業実践支援書、指導案例など、導入を支援する資料もあわせて公開している。ぜひ一度ご覧いただき、様々な形での活用をご検討いただきたい。

(3)商品化の計画について

 科学館での実践を手がかりに、学校利用以外の方面への普及を見据えた商品化も計画する。実践授業で実施した課題をカスタマイズし、各施設に適合する展示内容に仕上げる形を想定する。販売パートナーへの打診やチャネルの立ち上げを並行して推進し、より広い分野への普及を目指す。
 当社内の商品化手続きは既に完了しており、学校現場に向けた販売パートナーとの連携を進めている。早期に販売体制を確立するべく取り組んでいる。



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