1.インターネットとの接続方式
学校をインターネットに接続する場合、その方式としては、次の2通りの方式
があります。
- 学校とインターネットが常時接続されているもの(専用線接続)
- 必要な時に、学校からインターネットに接続しに行くもの(ダイアルアップ接続)
100校プロジェクトでは、前者の専用線接続を行っています。両者の特徴とし
ては、専用線接続の場合、インターネットを使用してもしなくても、毎月定額
の料金がかかるのに対して、ダイアルアップ接続の場合、使用時間に応じて料
金がかかります。両者の料金の差については、一概には言えないのですが、
一日平均して数時間以上使用する場合、専用線接続の方が、ダイアルアップ接
続に比べて、安価になります。
したがって、どうしても予算が確保できないなどの理由がある場合は、ダイア
ルアップ接続を検討することになります。ただし、ダイアルアップ接続の場合
は、いろいろな困難があり、あまりお奨めできません。詳しくは、
後述を参照してください。
最近はインターネットへの接続にかかる費用は、小さくなってきているため、
学校のような組織では、専用線接続を第一に検討すべきでしょう。安易に、料
金の安さからダイアルアップ接続を選択するということは、賢明では有りませ
ん。
1.1 インターネットへの接続方式(常時接続)
インターネットへ専用線で接続する場合、現時点で可能な方式として、次の2
つのものがあります。
- ネットワークサービスプロバイダ(NSP)の NOC(ネットワークオペレーショ
ンセンター)まで、専用線で接続する
- 第1種電気通信事業者が提供する、インターネット接続サービスを利用する
前者は、現在100校プロジェクトで採られている方式です。料金としては、
NSP に対する使用料と、第1種電気通信事業者に対する専用線の使用料がかかりま
す。(ただし、両者の料金を同時に NSP から請求するという形態も多く採ら
れています)(後述参照)
後者は、第1種電気通信事業者が、NSP の機能と、専用線の機能を合わせて提供す
るもので、日本電信電話株式会社(NTT)のOCN(Open Computer Network)がその
サービスの先駆者ですが、現在は、同等のサービスが他の第1種電気通信事業
者からも提供されています。(後述参照)
料金としては、一般に、後者が安くなる場合が多いようです。ただし、NSP に
よっては、極めて低額でサービスを提供している例もあり、そのような NSP
を選択した場合は、前者が価格的にまさる場合もあります。
1.1.1 NSP と 専用線の組み合わせ
現在、専用線接続を提供している NSP は、全国で数百あります。その一覧は、
インターネット関連の雑誌などに、定期的に掲載されますので、それを参考に、
その地域で利用可能なものを探し出すのが良いでしょう。
料金は、回線の速度や、DSU やルータの料金が含まれるか否かなどで、変って
きますから、比較する場合は、これらの条件が同じになるように注意が必要で
す。
料金に影響をおよぼす主な項目は、次のものです。
- 回線種別、回線速度
- 回線費用を含むか否か(含む場合、DSU のレンタル料を含むか否か)
- ルータのレンタル料を含むか否か
- ドメインネームサーバのサービスを含むか否か
- ニュース配送などの付加サービスを含むか否か
専用線についても、第1種電気通信事業者に、複数の選択肢があり得ます。ただし、
NSP によっては、特定の業者にしか対応していなかったり、回線速度の選択肢
が限られている場合があります。
第1種電気通信事業者については、可能な選択肢はそれほど多くありません。
一覧表を参照してください。
具体的にその地域でサービス提供が可能かどうか、料金は幾らかなどの情報を
入手したい場合は、直接問い合わせるのが確実です。
1.1.2 インターネット接続サービス
第1種電気通信事業者が、インターネットの接続までもサービスするもので、現在、複数の第1種電気通信事業者が、この種のサービスを提供しています。
なお、第1種電気通信事業者が提供するインターネット接続サービスは、常時
接続型のものも、ダイアルアップ型のものも、併せて一つの商品名(例えば
NTT の OCN 等)で、提供しているケースが多いようですが、ここでの説明で
は、常時接続型のものを対象としています。
料金は、回線の速度や、DSU やルータの料金が含まれるか否かなどで、変って
きますから、比較する場合は、これらの条件が同じになるように注意が必要で
す。
料金に影響をおよぼす主な項目は、次のものです。
- 回線種別、回線速度
- DSU のレンタル料を含むか否か
- ルータのレンタル料を含むか否か
- ドメインネームサーバのサービスを含むか否か
- ニュース配送などの付加サービスを含むか否か
どの第1種電気通信事業者がサービスを提供しているかについては、
一覧表を参照してください。
なお、地域によって、直接サービスが受けられない場合でも、学校から、
サービスの提供地域まで、専用線を引くことにより、このサービスが利用でき
る場合があります。
1.2 インターネットへの接続方式(ダイアルアップ接続)
インターネットへの接続が、一日当り数時間以内である場合、一般的に専用線
接続よりも、ダイアルアップ接続にしたほうが、接続にかかる費用が小さくて
済みます。
ただし、ダイアルアップ接続の場合は、
- 実際にいくら料金がかかるかが、前もってわからない。後から、専用線接
続にしておいた方が安かったということも十分起りうる。
- WWW へのアクセスは、常時有り得るため、情報を提供したい場合には、別
途外部に、常にアクセス可能なサーバのスペースを、レンタルで確保する
などの処置が必要。
- メールの送受信が、何時間かに一回という割合で行われるため、専用線接
続のように、瞬時にメールが到達するという利点は失われる。
- 電話の話中に相当する状態があるため、接続を行いたい場合に、必ず接続
可能とは限らない。
- システムの運用が、専用線接続に比べて、かなり難しい。専用線に比べて、
トラブルの発生比率も大きい。
という性質があるため、あまりお奨めできません。最近はインターネットへの
接続にかかる費用は、小さくなってきているため、学校のような組織では、専
用線接続を第一に検討すべきでしょう。安易に、料金の安さからダイアルアッ
プ接続を選択するということは、賢明では有りません。
それを了解の上で、ダイアルアップ接続を検討する場合は、以下の点に注意し
てください。
- 複数のユーザが利用できるか
- 多くのプロバイダでは、ダイアルアップサービスとして、個人用と団体用
を分ています。学校が接続する場合、複数の人が利用するという形態に
なるため、団体用のサービスを受けることになると思われます。(詳しく
は、プロバイダにご相談下さい)
一般には、団体用は個人用に比べて、料金が高くなります。
- 付加的なサービス
- 一般に、単なるインターネットへの接続だけはなく、多くの付加的なサー
ビスが提供されており、その内容により、料金が変ってきます。
付加的なサービスとしては、以下のようなものがありますから、それらを
踏まえて、評価してください。
- ホームページを持てるか
- ホームページで、CGI を利用できるか
- UNIX のシェル(SHELL) を利用できるか
- News の配送を行っているか
なお、ダイアルアップ接続については、一般のネットワークサービスプロバイ
ダの他に、第一種電気通信事業者もサービスを提供しています。多くの企業が競合
しているため、価格競争が激しく、安価にサービスが提供されている反面、
それぞれの特色を出した多種多様なサービスがあったり、内容が同等でも
混雑の度合いが異っているため、サービスの質にばらつきがあったりするなど、
選択が難しいといえます。