注)以下は、平成8年度100校プロジェクト成果発表会の資料より、 テキストデータを抽出してHTML化したものです。図表類や文字の大きさなど、 文書のイメージは、実物とは異なっていますので御了承下さい。

traceroute の旅

栃木県立小山北桜高等学校
加藤 栄光

1.はじめに

 Webへのアクセスがどのような経路で伝わっていくのか、その経路のとお りに実際に移動していけば、インターネットのイメージを、わかりやすく、と らえることができるのではないかと考えました。

 気象衛星ひまわりの画像が、国立がんセンターのWWWサーバで提供されて います。昨年の8月に、本校から、このひまわりの画像を発信しているサーバ まで、「人間パケット」となって、生徒とともに移動してきました。

2.国立がんセンターまでの traceroute

 traceroute は、めざすサーバまでの経路情報を提供してくれるコマンドで す。国立がんセンターまでの、traceroute は、次のようになっています。
hopIPアドレス ルータ名 設置場所
1 202.249.112.1 router.engei-hs.oyama.tochigi.jp 栃木県小山北桜高等学校
2 160.12.128.199 宇都宮大学情報処理センター
3 160.12.128.1 uugw.utsunomiya-u.ac.jp
4 192.31.121.41 udaicisco.tran.ad.jp 東京大学大型計算機センター (文京区弥生)
5 192.31.121.39 cisco2.train.ad.jp
6 192.41.197.15 tokyo-1.bb.sinet.ad.jp
7 150.99.101.1 new-nacsis.bb.sinet.ad.jp 学術情報センター千葉分館 (千葉市稲毛区弥生町)
8 150.99.90.1 nishi-chiba.sinet.ad.jp
9 150.100.126.1 otsuka.sinet.ad.jp 学術情報センター (文京区大塚)
10 150.100.1.5 otsuka-gate2.sinet.ad.jp
11 150.100.50.2 kdd-im-cisco1.inoc.imnet.ad.jp 省際ネットワーク (千代田区大手町)
12 202.241.2.65 ntt-tky-cisco3.inoc.imnet.ad.jp
13 202.241.0.222 国立がんセンター (中央区築地)
14 160.190.240.254
15 160.190.10.1 gan1.ncc.go.jp
ルータは、インターネットを構成する重要な機器で、経路情報を持っています。 「小山北桜高校発、国立がんセンター行き」の信号(パケット)が、さまざま な所に設置されたルータに指示され、バケツリレーのように、目的地までよう やく到達します。そこで、これらの経路をそのまま、自分自身がインターネッ トのパケットになったつもりで移動する、という企画が、「traceroute の旅」 です。

3.事前学習

  1. シミュレーション
  2. 講義と学校内の移動
     8月9日(金)14:30〜16:30
      講師:NTT栃木支店 地域網運営センタ 土澤康一氏
    1. 電話のつながる仕組み(講義)
    2. 学校内の経路(移動)
       202.249.112.7 情報処理室の1台のパソコン→(2F)→10BaseT →ハブ→10BaseT →
       202.249.112.1 roter.engei-hs.oyama.tochigi.jp(2F) →専用線→MDF(分配装置:1F)→外の電話線への出口
    3. 小山北桜高等学校から宇都宮大学までの専用線の経路(地図による講義)

4.「人間パケット」出発

(1)8月19日(月)
12:30
国立がんセンターへのアクセスと本校からの traceroute および ルータの役割について確認する
13:33 出発
本校〜延島電話(無人)交換センタ
〜小山ビル=中河原ビル(宇都宮) −地域網運営センター(平出)
17:05
〜宇都宮大学工学部情報処理センター
(2)8月20日(火)

5.さいごに

 私は、ネットワーク社会に生きる生徒たちに、コンピュータの向こう側には、 いつも「人がいる」ことを、伝えていかなければならないと思っています。

 今回の旅で、traceroute では見えないけれども、実にたくさんの人が、ネッ トワークを支えていることを知りました。そして、どこでも、非常に親切に対 応してくださったことに、生徒ともども、幸せに感じながら、栃木に帰ってき ました。