注)以下は、平成8年度100校プロジェクト成果発表会の資料より、
テキストデータを抽出してHTML化したものです。図表類や文字の大きさなど、
文書のイメージは、実物とは異なっていますので御了承下さい。
中学校国語科におけるインターネット活用事例
〜 一人一人が意欲的に学び合う授業をめざして〜
笠間市立笠間中学校
市毛 正明
1 はじめに
100校プロジェクトに選定されて2年,各教科でさまざまな試みがなされ
てきたが,ここでは本校での国語科での取り組みを紹介したい。
国語とコンピュータというと相反するような考えをするような向きがあるが,
とりわけインターネットを利用するとなると敬遠しがちな傾向にある。そこで,
インターネットを活用することによって国語科でどのような可能性が見えてく
るのか,どんな利点があるのかを探っていきたいと考え,取り組んできた。
2 インターネット活用の考え方
1.インターネットの活用
国語科におけるインターネット活用はその活用に目的があるのではなく,
あくまでも活用することによって学習内容の把握や理解の手だて・
表現手段として利用することにその主眼を置いている。
新学習指導要領「A表現」には,「目的や意図に応じて適切に表現する能力
を高めるようにする。」と記されている。
また,「相手や場面に応じて,適切に表現することができるようにする。」
と示されており,今まで表現対象が友人や家族,一般であったのに対し,
インターネットを利用することにより,その幅は多いに広がりを見せることが
可能となった。
2.インターネット活用に当たっての配慮事項
インターネットを授業の中で利用するためには,あらかじめ活用のねらいや
教材,利用形態,利用時間などについて十分検討しておく必要がある。
ア 活用のねらい
インターネットの情報を授業のどの場面でどのように使うかなどといった
構想を十分に練り,活用のねらいをはっきりさせておく必要がある。
インターネット上の情報は膨大であるので,効果的に活用するためには
ねらいに沿った情報を適宜リンクさせておくなどの配慮が必要である。
イ 教材
すべての領域にわたってインターネットが利用可能かというと疑問が残る。
特に国語科においては,言語事項や表現領域においては情報発信や
情報収集といった点で効果的であろうが,理解領域について利用するには
まだ困難が伴うものと考える。
自分の意見や考えを深めるためにはインターネットのメール機能などを
利用して意見交換などできるが,読解や鑑賞においては
個別的なものだからである。
ウ 利用形態
本校の場合はインターネットに接続されているクライアントマシンが
20台あるので,2人1組で使用する場合がほとんどである。
2人1組での形態は個別に近い形で学習することができ,
一人一人の生徒の理解の深まりや進度に応じたむだのない学習を
進めることができる。
一斉授業で使用する場合には,大型モニターで提示用に使いながら
授業を進めることができる。導入時において利用することによって
生徒の興味・関心を喚起することができるなどの利点がある。
終末時において利用する場合には,学習のまとめとして学習内容を
確認できるであろう。
エ 利用時間
1単元,あるいは授業1時間の中のどこで利用するかは,
そのねらいによって異なってくる。
導入時で利用するには,資料としてWWWの情報などを提示する
ことができる。それをもとに話し合いを深めたり,興味・関心を
高めたりすることが可能であろう。
展開時で利用する場合には,インターネットのインタラクティブな
機能を活用できる。今までのコンピュータではスタンドアローン型だったが,
インターネットを利用すれば,双方向性が可能となる。
終末時に活用する場合には,学習のまとめとしての作品を
インターネット上で情報発信することなどがあげられる。
生徒たちは自分の作品をインターネット上の画面で確認することにより
単元や教材学習後の成就感を味わうことができるのではないだろうか。
3 授業実践例
1.「表現」領域における活用
- *実践例1
- <1年 わたしの○大ニュース>
- *実践例2
- <2年 表現2 「私の名画鑑賞」>
2.「理解」領域における活用
- *実践例3
- <2年 表現の豊かさ「短歌・その心」>
3.「言語事項」領域における活用
- *実践例4
- <2年 「方言と共通語」>