理科教師にとって、いかに実践に関する情報が必要であるかはパソコン通信 【理科の部屋】(※2)の盛況が何よりも雄弁に物語っている。 パソコン通信の文字情報に、画像や音声また動画が付加されれば、より正確 な情報の伝達が可能である。表現も豊かになる。そして、これらのことがイン ターネットで実現できる。「百聞は一見にしかず」というわけである。
インターネット版【理科の部屋】 の立ち上げの背景には、勤務校が100校 プロジェクトに参加していることも大きな理由であった。現時点で、インター ネットが自由に使えることは、かなり恵まれた環境と言えよう。「100校プ ロジェクトによって公的な支援を受けているからこそ、やるべきではないか」 と考えたのだ。
現在、本ホームページは19名の【理科の部屋】運営スタッフにより共同運 営されている。ホームページは葛尾中学校サーバを核として、それぞれのメン バー所有のホームページと多重にリンクし合いながら緩やかな【理科の部屋】 文化網を形成している。
(※2)NIFTY-Serve教育実践フォーラム(FKYOIKUS)の【理科の部屋】。理科関係の情報交換が盛ん。
授業や教材研究での活用を目的とする理科資料集であるとともに、理科の教 育実践を記録し、共有するための実践記録集として位置づけられている。
現在、Java による授業で活用できるシミュレーション等の教材開発が活発 に行われている。(ドップラー効果:北村俊樹氏)
また、HTMLによる情報提供は機種、OSを越えた汎用性があり、著作権 に配慮をすればローカルに記憶して活用することも可能である。
ネットワークを活用した教育実践データベースは、ますます必要性を増し、 理科教育に携わる人々の共有財産になるであろう。
96年6月、インターネット版【理科の部屋】は趣旨に賛同する有志の協力 を得て運営スタッフによる共同企画として再始動した。
各方面で活躍する個々人がネットワークによって共同作業を行うことにより、 一個人の能力では実現が困難であった、壮大な理科教育の実践データベースを 創り上げることが可能となる。
今後も共同研究者との連携を深めて良質の情報を創造、収集、発信を継続す るとともに、理科教育の情報基地として情報共有のあり方を模索したい。
青野裕幸 | 北海道江別市立野幌中学校 |
阿部英一 | 北海道立有朋高等学校(通信制課程) |
池田勝利 | 大阪府関西創価中学校・高等学校 |
北村俊樹 | 東京都立上野高等学校 |
楠田純一 | 兵庫県市川町立鶴居中学校 |
久米宗男 | 大阪府関西創価中学校・高等学校 |
今琢生 | 山形県西置賜郡小国町立白沼中学校 |
佐藤勝彦 | 兵庫県尼崎市立尼崎東高等学校 |
檀上慎二 | 大阪府四天王寺高等学校・中学校 |
名越幸生 | 東北学院中高等学校 |
馬場康人 | 北海道恵庭市立恵み野中学校 |
本間善夫 | 県立新潟女子短期大学(生活科学科生活科学専攻) |
前田泰男 | 鳥取県境港市立第二中学校 |
松本貞男 | 福島県立中央高等学校 |
宮崎幸一 | 神奈川県立霧が丘高等学校 |
森山和道 | NHK教養番組部 |
山本央明 | 福島県立二本松工業高等学校 |
寄木康彦 | 兵庫県神戸市立上野中学校 |