注)以下は、平成8年度100校プロジェクト成果発表会の資料より、 テキストデータを抽出してHTML化したものです。図表類や文字の大きさなど、 文書のイメージは、実物とは異なっていますので御了承下さい。

熊本県立小川工業高等学校における活用事例

熊本県立小川工業高等学校
情報電子科岩永 久幸

1 はじめに

 インターネットは大きく成長を遂げ、次世代の情報基盤として注目を集めて いる。

 本校は幸運にも「100校プロジェクト」の対象校に選ばれ、64kbps 専用線接続のインターネット利用環境を整備していただいた。

 そこで、これまでに学校内部での利用の充実と対外的な貢献の両面から様々 な取り組みを実施してきた。その結果、生徒に対しては興味・関心を喚起す ることができ、また多くのインターネット活用の手がかりがつかめてきたの で、それらの中から主に授業外での活用事例のいくつかを紹介するものである。

2 ネットワーク環境(校内)

(1)サーバー
  SUN4/5 (富士通)( 1台)
(2)クライアント
  PowerMaccintosh 6100/60AV (アップル)(10台)
  FMV-575 (富士通) (42台)

3 ネットワークの活用事例

(1)1997年男子世界ハンドボール選手権大会に対する取り組み

 来る5月17日から6月1日まで世界大会が熊本県で開催されることになっ ており、一昨年夏からボランティアとして協力してきている。マイナーな競技 であるハンドボールに対する生徒の興味・関心を惹くことはもちろんの事、イ ンターネットを通して大会への参加意識を高めることを目指している。

  1. ホームページ制作
  2. MLの利用

(2)インターネット世界博覧会(IWE’96九州・熊本) に対する取り組み

 インターネット1996ワールドエクスポジション(The Internet 1996 WorldExposition : IWE'96)が、昨年1月1日から12月31日まで世界同時 に開催された。IWE’96は、インターネット上で行われる新しい形態の博 覧会で、次世代の高速なネットワーク上の仮想空間に多くのパビリオンが出展 され、最新技術を駆使した様々なイベントや実験が展開された。熊本では、県 内産学官の協力のもとにIWE九州・熊本実行委員会を設立し、IWE九州パ ビリオンの一員として昨年7月7日から参加し、IWE九州・熊本パビリオン を中心とした様々な実験、講演会・講習会の開催やパブリックアクセスポイン トの設置による普及啓発活動などが行なわれた。

 今回、その中に学校パビリオンのコーナーを設けていただいたので、県内で インターネットの利用可能な小・中・高校に声をかけ、共同で学校パビリオン のホームページ制作などの活動を通して、生徒にインターネットの興味・関心 を促すとともに教師間の協調作業およびネットワークに関する技術力向上を目 指した。

  1. MLの利用
  2. ホームページ制作
  3. StreamWorksの利用
  4. 臨時PAPの利用(CuSeeMe)

(3)教職員研修などに対する取り組み

 地域の人たちや学校の先生方にインターネット体験の場を与え、メールの有 効性、ホームページの制作法を学んでもらった。ホームページに関しては、サ ンプルデータはFDとして持ち帰り、職場での利用に役立つよう工夫した。

 更に、インターネットに関するノウハウをできるだけ多くのメンバーが共有 できるよう研修会の担当を情報電子科内で分担して、誰でも講師になれること を目指した。

  1. メール、ML利用
  2. ホームページ制作

(4)PTAにおける取り組み

 生徒の保護者にもインターネットへの興味・関心をもっていただくため、P TAの会合などでPRを行い、その結果PTAの広報委員会で取りあげられ、 メンバーの手により実現の運びとなった。子どもたちに直面する教育問題に対 して充分に、そして機敏に機能するPTAを目指して日々研鑽の目的で、ホー ムページを開設した。

  1. メールの利用
  2. ホームページ制作

(5)その他

  1. 進路コーナー
  2. 聴講生コーナー
  3. 開放講座コーナー

4 おわりに

 平成7年度の本校におけるインターネット活用に関する反省点の一つとして 利用環境の不足があげられていたが、CAD教室の整備に伴い最新のパソコン が導入され、それらの43台をインターネットに接続することができ、より便 利な環境を利用者に提供できるようになったことで、利用形態が拡大した。

 インターネットに関わる多様な取り組みを通して、生徒の興味・関心を喚起 することができたし、他校との連携、新しい技術への手がかりをつかむなど多 くの活用法を見いだすことができたものと考えられる。

  今後の課題として、常に変化を伴うハードウェアやソフトウェアのアップ グレードや様々な新しい技術に対する対応が、学校にとっては人的にも予算的 にも困難であり、今後の教育への積極的活用を考えた場合、多面的に考慮して いく必要があると考えられる。

  平成7・8年度の2年間「100校プロジェクト」対象校として、多くの 新しい経験をさせていただいた、通産省・文部省・IPA・CEC・富士通・ 地域NOCはじめ多くの関係された方々に厚く感謝申し上げます。