本単元の学習過程ではインターネットやパソコン通信などの手段によって情報 を取り入れる学習活動を展開しようと考えている。このような学習を重ねること によって,既存のコンピュータに適応する能力だけでなく,コンピュータによっ て開かれた新しい社会状況,すなわち高度情報化社会に適切に対応できる情報活 用能力も身に付けることができると考える。
このような活動を通して,いろいろな面からゴールドウインの秘密を意欲的に 探り,友達から得た情報を積極的に活用していこうとする態度を育てる。
そこで,ゴールドウインについて学習した後,コンピュータなど各種のメディ アを活用して,自分が調べた視点で考えをまとめるように働きかけていきたい。 そうすることで,自分の思いを理解してもらうためにはどのようなメディアを利 用すればよいのか考えることができ,よき情報発信者となることができると考え られる。また,それらのまとめをインターネットにのせることで,他人を意識し, さらにその他人にわかってもらうための効果的な表現方法に目を向けれる子供を 育てる。
次 | 指導計画(8/12) | 留意点 |
第 一 次 |
売り上げを伸ばしているゴールドウインの秘密を探ろう | |
(1)自分が普段使っている運動着をもちよりどこのメーカーか調べる。 |
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(2)繊維工場がたくさん倒産しているにもかかわらずゴールドウインが売 り上げを伸ばしているのはどうしてか話し合う。 |
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ゴールドウインの秘密を探るために工場見学をしよう。 | ||
(3)考えた予想を確かめるための工場見学の計画を立てる。 |
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(4)工場見学をする。 |
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(5)(6)見学で見聞きしたこと,家の人の話,インターネットなどをもとに,
一人学習を進める。
☆インターネットを利用 |
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(7)一人学習でわかったことを資料化する。 ☆コンピュータでまとめる |
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(8)調べて分かったことを話し合う。 ☆インターネットを利用 |
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(9)話し合ってはっきりしないことや新しく疑問に思ったことを調べる。 ☆インターネットを利用 |
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第 二 次 |
日本の工業に期待したいことを提案しよう。 | |
(10)(11)ゴールドウインを調べて分かったことをもとに他の種類の工場と 比較して,これからの日本の工業は,どんな工夫をすべきか提案しよう。 |
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工業新聞を完成しよう。 | ||
(12)分かったことをまとめて工業新聞を作ろう。その新聞をインターネッ トにのせよう。 |
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学習活動 | 児童への働きかけ | 備考 |
売り上げを伸ばしているゴールドウインの秘密について話し合 おう | ||
1 調べて分かったことを話し合う。
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2 テレビ会議を通して一の人の考えを聞き,それについて話し合う。 |
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3 今日の学習で思ったこを書く。 |
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一方,インターネットの利用に関して,繊維関係のサーバーにアクセスしてそ こから発信されている情報を引き出して利用したり,電子メールを利用していろ いろな人にアンケートに答えてもらって情報を集めたりすることを考えていた。 しかし,サーバーから発信されている情報は,大人向けであるため理解できない 言葉が多く子供にとっては必要感が生まれてこない情報源となったようである。 子供たちは検索機能を利用したり,インターネットサーフィンと呼ばれる技術を 使ったりして自分の利用したいサーバーへと入り込んでいたが,漢字と表現の障 害を克服することができなかった。現在は,インターネットに関して,プロジェ クト100校がいろいろな取組みを行っている。そのような実践から感じたこと でもあるが,ホームページを作成してその中に自分たちの学習の成果や聞きたい ことなどを組み込んでおく方法がとても互いにデータのやり取りができて効果的 であるように感じられる。また,この単元の中で行ったテレビ会議は,今後,大 きな学習効果を生み出すと考えられる。この活動が容易に行えるような学習環境 を整えておくことも大切であると考えられる。
子供からは,「自分の調べたいことからが簡単に調べることができて驚いた。 」「インターネットは,新しいことが書かれているので本と少し違っていてどち らを自分の参考にしようか困った。」「富山大学にいる人と話し合いができてす ごいことだ。」などの感想が聞かれた。
(実践者 富山県福野町立福野小学校 坂本博昭)