友達や家族,先生,上級生や下級生,地域の人々など,最も身近にいる人たち と「豊かな関わり」を持つことができなければ,向こう側の端末の前に座ってい る人とまともな関わりを持てるはずがない。つまり,情報活用能力としての「情 報の判断,選択,整理,処理能力及び新たな情報の創造,伝達能力」は,特別活 動領域を中心とする「人との関わり方」をその土台とするはずである。この活動 は,「小集団(班)の協力」をすべての場面での前提として,「自分たちの歌志内 」を取材し,自らの手で編集し,クラスページ上に公開(発信),さらに取り組み について発表会で交流することを通して,情報活用能力を「実力」として身につ けることをねらいとしている。
自分たちの学級に生徒の目を向けさせ,一人ひとりの意欲を引き出す取り組み を展開するためには,以下の3点を強調しなければならない。
そこで「インターネット・クラスページづくり」を,その「文化活動」として 学級活動に位置づける。すなわち,班ごとに情報を収集・加工・発信することを 通して「班づくり」を進めることをねらう。完成したページは目に見える結果と なり,また,発信した情報に反応があれば,意欲的な取り組みがさらに期待でき る。社会的な注目度も極めて高く,加えて「今度はこうしよう,ああしよう」と いった工夫には限りがない。
活動計画 | 活動の内容・留意点 | |
9月中旬 | クラスページ立ち上げ (製作−学級担任) | ・学級紹介,班紹介,担任紹介の作文 ・これまでの学級活動の記録 |
9月中旬 | 学校祭・壁新聞 | ・「インターネットをつかって歌志内を世界に」 |
9月13日 | クライアント機の設置 | ・機器使用上の注意事項−Windows95 の終了方法 |
9月下旬 | 自己紹介の製作 | ・個人情報の保護,情報公開上の倫理についての学習「のせてはいけない
こと」 ・班活動の導入 自己紹介の項目についての話し合い ・デジタルカメラの使い方 |
10月上旬 | メール交換 | ・福島県葛尾村立葛尾中学校2年生(公開授業)へのメール発信 男女の協 力を生み出す学校祭の取り組みについて |
10月上旬 | 「歌志内の紹介」のページづくり | ・班活動「班員全員で活動する」 ・企画,取材準備→取材→ページ製作 |
本時 | 発表交流会 | ・ページの完成,発表の準備,発表,交流 |
その後 | メール交換 | ・イギリスの中学生とのメール交換(希望者) |
活動内容 | 留意点 | ||
前 半 50 分 |
1 活動の予定,内容を確認する。
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パ ソ コ ン 室 |
・プリントの配布 ・班活動のポイント |
2 班活動
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・技術的支援 ・班活動の指導 |
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後 半 60 分 | 教室の移動 | 視 聴 覚 室 |
・機器の点検 |
3 発表交流会の直前準備
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・機器調整 パソコン 液晶プロジェクター | ||
4 発表交流会
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・プリントの配布 | ||
5 活動のまとめ |
「全国一人口の少ない市」である歌志内市は炭砿の閉山でさらに人口が減少し, 先行きが見通せない不安や閉塞感は,少なからず生徒に影響を及ぼしている。そ のなかで「神威岳(かもいだけ)」を中心としたスキー場や温泉,公園などの観光 産業が地域振興の命綱となっており,中学生を含めた全市民が,様々な立場で「 歌志内再生」への道を模索している。
「これからの歌志内 歌中生に期待されるもの」 1994年3月18日,歌志内の産業を支えてきた,空知炭礦が閉山しました。 そのため,多くの人々が職を失いました。そして多くの人々が,歌志内を離れて いきました。私たち2年生も,これまでに10人もの人たちが転校していきまい た。 歌志内の街に活気を取り戻そうと,様々な取り組みやイベントが行われていま す。スイスランド計画や第4次歌志内基本構想も,これからの歌志内をどうして いくか,真剣に考えた結果だと思います。しかし,それらは大人が大人の力をつ かっての取り組みです。「私達中学生が,中学生の力と知恵で,何ができるか」 その問いから私達は始めました。(途中省略) インターネットをつかって歌志内を世界に! では,私達中学生ができる街づくりへの貢献とはどんなものでしょう。 歌志内中学校には,北海道でも最先端のコンピュータの施設があります。その 上,100校プロジェクトという全国的な企画に,北海道の中学校で唯一参加し ています。それは,インターネットで世界と歌中のパソコン室がつながるという ものです。 私達の力と知恵でできること,それは,このインターネットを使い私達の街・歌 志内を,私達の手で紹介するというアイディアです。(途中省略) 私達2年A組は,歌中のホームページの中に,学級紹介をのせました。それを 充実させる中で,歌志内の紹介をどんどん進めていこうと考えています。 |
(実践者 北海道歌志内市立歌志内中学校 加藤祐志)