100校プロジェクト 平成8年度実施状況


ネットワーク利用状況

・実施項目

ホームページの製作 2年生情報化10名(選択情報処理)

 学校のwwwサーバ上に各自のオリジナリティあふれるホームページを作る という目標で、情報の集め方の練習と、ホームページにふさわしい情報が何か を考えさせる事を中心にしています。生徒のテーマは、学校近辺の案内、ハム スター、自分の家(理髪店)など、それぞれがクラス内の他の生徒にみてもら うことを考えてつくっています。

WWW ブラウザを利用した授業 3年生情報化40名(選択課題研究)

 教室にある情報機器を利用して各自の設定したテーマにそった研究発表をす る、ということが目標の情報化の課題研究の授業では、本を読んでまとめ、コ ンピュータを使ったプレゼンテーションをする生徒もいますが、学校の図書館 は情報検索という点では生徒の欲求を満たすのには不十分で、新しい情報や、 海外の情報、また本にはなりにくい情報などは WWW のブラウザを利用して集 める生徒が多くいます。

 同時に10人がインターネットに接続し、各自が別々の情報にアクセスする ときにはかなりの待ち時間が生じています。このクラスの生徒のテーマは、日 米の報道の比較、絶滅動物、エイズ、サッカー、着物、テディベアー、天気予 報など、まったく私達教師の得意な分野とは関係のない情報が多く、生徒は情 報を集めることの大変さと、快感を味わっているようです。各自の研究のまと めは1月にクラスで発表され、約半数がコンピュータを利用したプレゼンテー ションを行いました。

E-mail を利用した国際理解 3年生商業科14名(選択課題研究)

 IECC のメーリングリストを利用して、交流の相手をみつけ、そのあとは各 自がそれぞれの研究うテーマに沿った形で自由な交流をさせています。自由な レポートと成果の発表を課題にしています。対象生徒は14名ですが海外との 文通経験のある子は1名で、あとはごく普通で、step 準2級程度の英語力の 生徒が半分と、のこりは3級程度といった英語力でしょうか。生徒の共通点は 海外の人と交流してみたいという好奇心だけでした。海外の生徒との交流では 日本の国内での交流では得られない驚きと緊張と喜びが問題や誤解とともにも たらされ、生徒は自分が授業の主体となることができたと考えています。

地域情報交換プロジェクト LIEP

 昨年度に引き続き参加しました。今年度はメール以外に電子掲示板などの他 のメディアの利用も増え、また、大阪でのオフラインミーティングでは参加国、 参加者、交流時間も増えました。

 内容においても「老人と若者の生活」を中心テーマに設定し密度の濃いもの になりました。

○平成8年度の成果と課題

※ネットワーク利用に関する成果

 学校生活という外界から守られている壁の中での生活を何年も経験してきた 生徒が、インターネットというボーダーレスの世界がもたらす緊張と刺激によっ て変わりました。

 自分が一人の人間として相手に対する行動が求められることによって、自ら 学習する生徒が増えました。例えば海外と E-mail を利用した交流をする場合、 「こんなこと聞いていいんだろうか?」「何で私には返事が来ないんだろう? 相手は私のことおもしろくない人間だと思ってないだろうか?」「自己紹介の あとはどうやって何を書けばいいんだろうか?」など、与えられて問題を解決 するパターンの学習になれた生徒にとっては最初、かなりしんどい授業であっ たと思います。やがて自分で問題を解決する力をつけ、同時に学校の外に対し て興味を持ち、自ら取り組み始める生徒が増えたことは何よりの成果であった と思います。

問題点

1. 生徒が見ることの出来る情報が、適当なものにばかりは限っていませ ん。
常に安全で信頼できる情報かどうかを注意しておく必要がありました。
2.wwwで情報を検索する場合特にスピードの遅いのが問題になっていま す。
特に昨年秋以降目にみえて遅くなり、自由に情報を入手できるとは言いが たい状況になっています。

○100校プロジェクトに参加して

地域での活動

 以前からコンピュータの利用法を中心にして、地域の人々にコミュニティー カレッジを企画し取り組んできました。昨年はその授業の中にインターネット 入門をもうけ、約40人(18歳〜70歳)の地域の人々に集まってもらい、 実際に体験してもらう機会をもうけましたが、希望者が多く抽選によって参加 者を制限せざるをえない状況でした。

まとめ

 100校プロジェクトによって本校にもたらされた環境は、現在までに学校 教育活動、地域での利用を含めて、なくてはならないものになっています。教 員の中でも次第に利用者が増え、授業での利用を考えているものが急増してい ます。今後は、コンピュータと直接関連の少ない科目での利用にも重点をおく 必要があると考えてます。