つまり、教材はネットワーク教材としてインターネット上に公開し、広く意 見を集めていくことが可能で、個々の教員の指導のノウハウを再生産性のある 形式で鳩首できる。
また、ネットワーク教材の利点としては、オンラインの場合、教材データベー スができれば、それぞれの学校の教育課程にあった内容を選び、また手を加え て平素の授業に用いることができる。オフラインの場合、仮にスタンドアロン であっても、ハードディスクなどにコピーすることで利用できる。いずれの場 合もプリント教材への転用により、コンピュータのない教室でも活用ができる。
「自ら学び考える力を培う」ことを目標に、教材は、「しくみ」と「考え方」 でまとめられ、生徒の思考方向をある程度制御できた。つまり、考え方のパター ンを選択できる生徒が増えた。
技術的課題としては数式処理、動的なグラフ処理をHTMLにどう組み込む か、HTMLコンパイラの開発などがある。
経験のないUNIXやツールの少ない中でのスタートであったが、これまで 以上にコンピュータを用いた授業に教師、生徒とも興味をもつようになった。 特に、ネットワーク利用では、教員側において、視野の広がりを居ながらに体 験でき、次のような意識の変化があった。まず、教材の捉えかたでは、従来は 教科書中心で、副教材は問題集でリアルタイムなものが教材になるとしても、 たとえば「新聞」がその例、程度の意識しかなかったが、新しい教材、たとえ ば、外国の生徒との交流の中でなされる国際理解、酸性雨の共同調査分析など、 ネットワークならではの教材があり、また、これからの社会ではそういった教 材が必要であることが認識できた。
平素の授業においては、板書説明、演習といった、一定の形から脱却し、授 業の構成そのものを考えることによって、授業内容を生徒が明確に捉えること ができるようになった。
また、本県の状況から、他県教員との交流が少ない中で、本県特有の悩みと 思っていたことが、他県も同じであったり、生徒、教員とも視野を広げること ができた。