②　１００校プロジェクト平成８年度実施状況報告書

〇ネットワークの利用状況

（１）海外との交流

平成８年	９月	第３０回九州小学校社会科研究大会（福岡大会）で、北九州市立小倉北区小倉中央小学校との６年生社会科（太平洋戦争）での交流授業のため、海外の交流校アメリカ合衆国イリノイ州シカゴのアンコナ小学校やシカゴ日本人学校、オレゴン州ポートランドのハロルドオリバー小学校などに太平洋戦争についての実際に参戦したアメリカ人の考えを聞くために、依頼の電子メールを送る。
	１０月	アメリカ合衆国オレゴン州のマーク・アルメターさんから太平洋戦争についての返事をいただく。
	１１月	アメリカ合衆国カリフォルニア州のモンテヴェルデ小学校とこども国際テレビ会議についての打ち合わせを電子メールで行う。
	１２月	こども国際会議の開催（小森江西小学校６年生、東京都渋谷区鳩森小学校６年生とアメリカ合衆国オレゴン州ポートランドのハロルド・オリバー小学校との三元中継）アメリカ合衆国オレゴン州ポートランドのハロルド・オリバー小学校との電子メールでの交流開始
平成９年	２月	インドネシアのジャカルタ日本人学校に会食についての質問を６年生が電子メールで送る。
		インドネシアのジャカルタ日本人学校のホームページにアクセスし、６年生の家庭科（楽しい会食）で利用する。

（２）国内との交流やインターネットを活用した授業など

平成８年	７月	東京都渋谷区鳩森小学校と５年生が電子メールの交流開始
	９月	東京都渋谷区鳩森小学校の５年生とのテレビ会議（社会科「わたしたちの生活と運輸」の発表会）に向けての電子メールによる質疑応答開始。
		４年生が社会科「わたしたちの福岡県」の授業で全国に向けて、県の特産品などの質問を電子メールで発信し、茨城県岩井高校の先生等から２０通を越す回答をいただく。
		第３０回九州小学校社会科研究大会（福岡大会）で、北九州市立小倉北区小倉中央小学校との６年生社会科（太平洋戦争）との交流授業に向けて、全国に質問の電子メール発信。
	１０月	東京都渋谷区鳩森小学校とのインターネットを利用した共同授業（５年生「わたしたちの生活と運輸」）のテレビ会議システムを活用した発表会開催
	１１月	子ども国際テレビ会議に向けて、６年生が東京都渋谷区鳩森小学校と電子メールの交換開始。
平成９年	１月	５年生の社会科「伝統工芸」で、ホームページを利用した調べ学習を展開。
	２月	１００校プロジェクト研究発表会で６年生が家庭科「楽しい会食」で授業を公開。２００名もの多数の参加をいただき、情報教育の研究の経過を発表する。ホームページや電子メールを利用した授業を公開。

（３）プロジェクト参加状況

　昨年度に引き続き、広島大学支援酸性雨プロジェクトに参加・・・環境委員会

（４）平成８年度の成果と課題

　成果としては次のようなことがわかった。

授業に取り組む前に、児童や教師のコンピュータリテラシーを様々な場面・方法でつけておかないと、情報機器の操作活動に追われ教科の目標、内容ならびに相互の関連を踏まえた授業とはなりえない。
教師が教科の目標、内容ならび相互の関連を踏まえた上で、児童の発達段階に応じた情報活用能力が生かせるような目的に応じた情報機器の活用を工夫することによって、児童が意欲的に自らの課題を追究するために情報機器を活用し、さらに情報活用能力を向上させることができる。
教師だけでは困難な作業をコンピュータに分担させ、学習者がコンピュータと協同して作業できる喜びが、創造性や次への意欲を生む。
コンピュータの通信機能を生かした学習を設定することにより、他地域の人の生の声・生きた情報が得られ、学習の視野が広まり、意欲を高めることができた。このように、子ども達の社会性を育てたり、情報活用能力を向上させたりする上で、コンピュータの通信機能を使うことは、学習の躍動感を生む。
教科指導と情報機器操作指導の役割分担を明確にしたＴ・Ｔ指導を行うこと。

　課題としては、

学校では、機器の設定ならびに管理・保守・点検が時間的、人的な点で難しいので、システムの様々な部分でサポートが受けられる体制を作る。
小学校においては、ＷＩＮＤＯＷＳ９５などの使いやすいＯＳが動く機器ならびに周辺機器を導入しないと、低学年などで使いにくいので機器の活用の幅が狭められ、なかなか現場で普及しない。
学習に利用しようとしてインターネットのホームページにアクセスした時に、アクセスまでの時間が長いと児童が待ちきれないのと同時に、授業時間を無駄に過ごすことになるので、回線速度の速い環境を整える。・・・できればＩＳＤＮ回線で。
授業で活用する場合、機器面での不都合などが生じて使えないことが起こってくるので、情報教育専任の教師を各学校に配置したり、情報担当の教師に時間的などの配慮をする。
地域で機器やソフトの統一性がないため、添付ファイルなどを送付しても相手が読めないことがあるので、機器やソフトの統一性を図る。

（５）１００校プロジェクトに参加して

　平成７，８年度と百校プロジェクトの研究発表会や門司区の国語主任研修会の開催や九州工業大学のＰＣカンファレンス、九州芸術工科大学のインターネット国際シンポジューム、１００校プロジェクト活用研究会（九州大会）での講演を通して、参加者の熱気や数から先生方の関心の高さを感じる。また、テレビ会議（４回うち１回は国際テレビ会議を含む）やペットボトルロケット大会（北九州大会）への参加や全校あげてのプレイベントとしてのペットボトルロケット教室もインターネットの取り持つ縁で開催できた。その他にも、海外や国内の学校との交流、海外の先生や国内の先生方の学校訪問とテレビ局や新聞社の取材とヒューマンネットの広がりを感じた２年間であった。児童、教師さらには保護者のコンピュータリテラシーの向上がみられた。児童においては、自己学習力・表現力・創造力さらには積極性などが養われたようである。これもＩＰＡ、ＣＥＣ，富士通などの関係各位が支えて下さったおかげであると深く感謝しております。本校にとって本当に充実した３年間でした。

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