新潟県中郷村立中郷小学校



100校プロジェクト 平成8年度実施状況

○ネットワーク利用状況

1 児童が電子メールを自由に利用するための環境整備
 まず最初に児童一人一人が個として自由にメールのやりとりができるように、3年生以上全てにE-Mailアドレスを割り振った。
 イーサーネットでサーバーと結ばれた各階のクライアント機(マッキントッシュ)を、ローカルトークで多数のマッキントッシュと結び構内LANを構築した。それにより各階全てのマッキントッシュから、インターネットに接続することを可能にした。このことにより、自分がメールを出したいときにいつでもどこでも気軽にメールが出せるようになった。

2 Gopherサーバーの設置とWebテレビ生中継の実施
・自動観測機器を屋上に設置し、風力・風向・気温・気圧・降水量を24時間観測して いる。その観測データを今年度新たに設置したGopherサーバー(Gopher: 
 //202.249.113.3)で毎日提供している。
・ビデオカメラを設置し、その映像を24時間wwwサーバー(http: 
 //202.249.113.3)で提供している。この結果、全国に激しく雪が降る様子をリアル
 タイムで提供することができた。また、子供たちがスキーやそりで遊ぶ様子も伝える ことができ好評であった。

3 メーリングリストの稼働
 3年生以上全てが参加のメーリングリストkodomo、各学年用メーリングリスト、ボランティア参加のメーリングリストnob、高校教員参加のメーリングリストhischool等多くのメーリングリストを稼働させた。
 kodomoには、3年生以上の児童と教師など学校関係者以外にも外部の多くの方に参加していただいた。その結果、児童は従来の学校の枠に縛られずいろいろな方からの意見を聞くことができた。 

4 各学年の実践紹介
1年生・・・ 低学年ではインターネットに慣れ親しむという観点で取り組んだ。香川
      県坂出小学校の1年生と生活科で交流中。メールとホームページ上の画像
      交換を行う。本校では、ホームページ上に絵を貼り付けることで交流を図
      った。
2年生・・・ 自分たちが生活科で育てた羊のことを転出職員にメールで伝える活動を
      行った。また、2学期からは静岡県の小学校ともインターネットを通じた
      交流を図った。2年生なりに、インターネットは遠くの人に手紙を出した
      りすることができるということを漠然とではあるが気付き始めた。
3年生・・・ 3学年専用のメーリングリストgenkiを活用した。具体的には、1学期
      の社会科「私たちの村の様子」では、自分たちの調べたことをメーリング
      リストに入ってもらった新潟県長岡市の3年生や新潟市教育委員会の英語
      教師に自分たちの村のことをメールで伝えた。
       また、2学期の社会科「人々の買い物」の単元では、新潟県の食料品は
      全国にあるかどうかを、メールを用いて調査した。全国17都道府県より
      もらった返事をメーリングリストgenkiに流すことで、一人一人に対する
      メールの返事を3学年として共有化することができた。
4年生・・・ 「暖かい地方のくらし」では、沖縄に関係する情報をホームページから
      収集することができた。教科書や資料集にはない生の情報を得ることがで
      きた。また、得られた画像などをクラリスワークスなどで加工し発表に活
      かすことができた。メールに関しても岐阜県の小学校に雪国の暮らしを伝
      える活動を行った。
5年生・・・ 稲作の学習に際して、稲に関する情報をホームページで調べる活動を行
      った。ホームページから得られる情報は、最新の物が多かった。
6年生・・・ 15年戦争について、全国から意見を求める。ボランティアの方が多数
      参加しているメーリングリストnobに自分たちの意見を伝えた。その結果
      nobに参加していただいているアメリカ人、中国人の方など多数の方から
      意見をもらった。翻訳はnob参加の方からボランティアで行ってもらった       児童は、15年戦争に関して戦争加害者・被害者の両方の意見を電子メ
      ールを用いて集めることができた。

5 本校のネットワーク施設図(本年度Lanを構築)

○平成8年度の成果と課題

 校内LANを構築し児童参加型のメーリングリストを稼働させたことで、異学年交流のきっかけができた。高学年が中学年の質問にメールを通して答えたり、担任以外の教師がアドバイスをしたりと校内学習交流が進む可能性がある。この延長線上に外部との交流があると考える。6年生の実践のように日本人以外いろいろな方にメーリングリストに参加してもらうと多様な考えに触れることができ児童の考えが広がるであろう。
 課題としては、メーリングリストに積極的に参加していただける方を探すことが難しいことが上げられる。
また、メーリングリストを利用しての他校との共同学習は学校間の授業進度の問題もあり困難なことがわかった。メーリングリストは、学級の枠を超えた交流を可能にする可能性をもっているが、その運用には外部の強力なサポートがないと継続的に行うことは困難であろう。
 来年度は、中郷村内などローカルな情報にこだわり、地域にこだわったメーリングリストを運用していきたい。そして、学校と地域社会の連携をメーリングリストという形で図っていきたい。

○プロジェクトに参加して
 100校プロジェクトに参加し、インターネットを用いた教育を積極的に推進することで教師の意識が変化した。全国を視野にいれ、教材を考えるようになった。この教材ではインターネットが利用できるのではないかといったことが話し合われる機会も増えた。
 児童の中にもインターネットが完全に定着した。休み時間など自分の好きなホームページを見たり、社会科の学習で自分の必要とする資料をインターネットで調べたりと図書館を利用するようにあたりまえに利用する児童が増えた。本校においては、インターネットがない環境など考えられないといってもよいであろう。
 また、地域でも子供たちからインターネットを利用している話を聞き、インターネットに対する理解が深まった2年間であった。地域の方からもメールをもらったこともあり、地域と連携を図る可能性を見た気がした。