100校プロジェクト 平成8年度実施状況


○ネットワークの利用状況

1.電子メールを使った電子会議

(1)高校2年生の生活一般の授業では、電子メールを使い校外の高校生とある あるテーマについて議論を重ねてその結果を電子メールを使ったレポートで提 出をしました。提携先の高校は神奈川県慶應湘南藤沢高校で、本校と同様に帰 国子女の受け入れを行っていてまた生徒がコンピュータを使って電子メールを 出すことができる環境にありました。本年度の夏休みの課題としてそれぞれの 高校の生徒に電子会議で討論するための課題図書を読ませました。課題図書は 担当教員で相談して、10冊ほど決めて行いました。2学期の授業でそれぞれ の学校から夏休みに読んだ課題図書について意見を述べ合いその結果をレポー トとして各学校の教員に提出を行いました。

(2)中学3年生では昨年度までは校内での電子メールを出すことを目的に技術 家庭科の授業の中でお互いに電子メールを出し合い、電子メールの使い方を学 んでいました。今年度はさらに外の学校の生徒にも電子メールを出してみよ うということで前橋第四中学校の生徒と電子メールのやり取りを行いました。

2.ホームページの作成

高校3年生の特別授業では、自分のホームページを作成しました。4月から週 1回の授業で基本的なHTMLのタグを学習し、それをつかって自分の好きな ホームページを作成しました。

3.エコロジー研究部によるホームページの作成

エコロジー研究部では昨年度ホームページを作成し、さまざまな活動やデータ などを発表して来ました。平成8年度にはこのホームページをさらに改良しイ メージマップやフレームの機能を取り入れたものになっています。

4.酸性雨プロジェクトへの参加

エコロジー研究部では共同利用企画の1つである酸性雨プロジェクトへ参加し ました。エコロジー研究部の部員は、雨が降るたびにその雨を採取し、pHメー ターでそのpHを測定します。そしてそのデータをなるべく本校のエコロジー研 究部のホームページに載せると同時にプロジェクトにも報告を行っています。

5.進路指導への利用

本校では、卒業生のほとんどが大学へ進学し、またそのうちの何名かは海外の 大学を目指しています。今年度は大学のホームページも昨年度よりも充実し、 多くの大学では入試に関する情報をホームページで発表しています。そこでこ れらの情報を学校からインターネットを通じて得ることができました。またい くつかの予備校などでは大学入試センターのデータをもとに大学の合格可能性 をWWWにより調べることができるようになっています。このシステムを使っ て進路指導を行うことができました。

6.各教科での教材

社会科や理科では、授業で使う資料などをWWWで検索を行い、そこで得られ た資料を授業に使っています。

7.連絡用に

電子メールは専任教員や非常勤講師にもアカウントを発行しており、職員室内 のコンピュータから電子メールのやりとりが行えるため教員間の連絡用とし ても使われています。多くの教員が専任、非常勤を問わず使い始めています。 また校外との連絡にも多く使われています。

○平成8年度の成果と課題

●授業

授業では、おもに電子メールを使いました。生徒の多くが電子メールを使う技 術を得ることができましたが、ネットワークやコンピュータのエラーなどには まだまだとまどう面が見られます。授業で使うコンピュータ以外にもメディア センター(図書館・ビデオライブラリー・コンピュータルーム)のコンピュー タでもインターネットに接続できるようになったので昼休みや放課後にメディ アセンターのコンピュータを使って電子メールを出す生徒も多くなってきまし た。ただ出す生徒は決まっており、なかなかすべての生徒が同様に電子メール を出す状況にはなっていません。

●クラブ

クラブとしては、エコロジー研究部で非常によく活用されています。エコロジー 研究部はもともと地道な活動をしておりあまりおその成果を発表する機会があ りませんでした。インターネットを活用することでほかの地域の同様な活動を している学校とデータの交換ができるようになりました。今年度までの活動は 中心となる生徒が積極的にホームページの作成をしていたのですが、来年度以 降はまた新しい生徒がうまくこの活動を続けてくれるかどうかが、課題です。

●進路指導

進路指導には、8年度から本格的にインターネットを活用しています。夏休み の前後に自分の希望する大学のホームページを検索し、その情報を得ることが できました。また海外の大学などでは、問い合わせを電子メールで行うことも できました。今年度から多くの大学がホームページをもち、運用しているので それを十分に活用することができました。しかし大きな大学や専門学校はホー ムページを持っているところも多いのですが、比較的小さな短大などではまだ 持っているところが少ないのが現状ですべての生徒の進路指導に使えるところ までは行っていません。

●学校紹介

昨年度に引き続き学校のホームページを充実させていこうと考えていたのです が、今年度はあまり頻繁にホームページを書き換えることができませんでした。 やはり、専門的な組織を校内に作り、そこが運営、更新を行っていく必要があ ります。本校は帰国子女の受入校であるので入学希望の中には、海外でホーム ページを見て希望してくる志願者も居ました。また海外からの問い合わせもい くつ電子メールで送られてくるようになりました。

○100校プロジェクトに参加して

 平成6年度に100校プロジェクトが始まるのと同じころ愛知県でも東海ス クールネット研究会が発足しました。この研究会の中で本校は100校プロジェ クトのうちの1校として先進的な役割をはたす位置にいたいと思います。研修 会を開いたり、研究発表会も行いました。また平成6・7年度は文部省の機器 利用研究指定校としてコンピュータ機器の教育への利用について研究を行って 来ました。学校の現場では、プロジェクトに貸与された機器を中心にして校内 のコンピュータのネットワークを整備し、はじめ数台だったインターネット用 のコンピュータが今では50台以上になっています。また7年度はさらに数台 増える予定です。このような環境では、教員の電子メールの利用はほかの学校 に比べ非常に多くなって当たりまえのこととなりつつあります。また生徒のリ テラシーも向上してきたことがもっとも大きな変化であると思われます。