桐蔭学園中学校
100校プロジェクト 平成8年度実施状況
○ネットワーク利用状況

 ・海外の中学校・小学校との電子メールを使った交流。
 ・米国チョート高校の生徒たちが交換留学で我が校に滞在中、母国の両親などと連絡を
  取り合うのに、アカウントを発行し、電子メールを利用できるようにした。利用者数
  は10名程度。
 ・パソコン室内の静止画をHPから、見られるようにするカメラを一台追加して、2カ
  所から同時に見られるようにした。死角がほぼなくなった。
 ・中学校2階の廊下の広くなっているスペース(多目的広場)に5台のWindows95マシ
  ンを置き、生徒がいつでもインターネットにアクセスできるようにした。朝の授業前
  と昼休み及び、放課後に自由に使っている生徒が常時数名いる。
 ・NECの国際交流プログラムGakkosに参加。世界16カ国の中学校と接続し、
  生徒1500名全員が交流できるシステムを構築した。英語科の教員が中心になって
  いるが、社会の教員にも利用できるシステムなので、利用を勧めている。

○平成8年度の成果と課題

 ・活用方法 生徒一人一人にアカウントを発行して電子メールを使えるようにしている
  が、内容については検閲していないので、若干の心配はある。また、多目的広場に設
  置してあるマシンはダイヤル・アップ接続でInfowebにつないでいるのだが、接続時
  に生徒が独自のアカウントを持てないため、通常の電子メールは使えない。しかし、
  NECのGakkosのアカウントで会議室の利用ができる。これは生徒一人一人に
  個人IDとパスワードを発行に、匿名性を消し去ることで、発言に責任感を持たせる
  システムである。ただ、生徒の数が1500名と膨大なのと、アクセスできるマシン
  の数が数台しかない状況で、登録作業を生徒自身が行う時間非常にとられるため、遅
  々 として進まない実状である。非常に頻繁に利用する生徒については、専用線につな
  が っているパソコン室のマシンで利用させている。
 ・教育効果 英語学習の点では、英語を日常的に目にすることになるので、速読の訓練
  として大変効果的である。他教科においては、まだ教育実践が足りないので、直接的
  な効果はでていない。
 ・技術的課題 ダイヤル・アップの設定が簡単に変えられてしまうために、メンテナン
  スに大変な手間がかかる。また、再設定までの期間使えない状態でいることが多くな
  り、生徒のやる気を削いでしまう。専用線の敷かれているパソコン室では全く問題な
  い。
 ・リテラシー HTMLが書ける生徒はもちろん教員もごく一部しかいないために、各
  個人でHPを開くというのは無理である。テーマを決めて企画ごとにHPを設置して
  いる。Browser の使用法については大学の協力を得て、現在毎週3回放課後に実施し
  ている。ダイヤル・アップ機を設置した9月から10月にかけては毎日実施した。当
  初、NetScapeの使用を考えていたが、倫理規定の問題で、Internet Explorer に変更
  した。ただし、できればNetScapeの利用をしたいということで、現在他の解決法を
  模索中である。
 ・その他
  教員のパソコンはインターネットに対する関心はこの1年できわめて増大し、60人
  の専任教員のうち90%が自分でパソコンを所有する状況になっている。ただ、まだ
  インターネットを利用している教員は少数なので、これをパソコン所有者全員に広げ
  ていく必要がある。かなり関心が高まっているので、今年中には全員が電子メール程
  度は使えるようになると予想している。

○100校プロジェクトに参加して
   100校計画発足当時は、インターネットの言葉も知らなかった教師や生徒が多かっ
  たが、この2年の間に学校の内外でインターネットという言葉に触れ、かなり認知は
  されるようになった。学校内の研修会も昨年9月以降毎週開かれており、教員もかな
  りの人数が参加し研鑽を行っている。当然、生徒はもっと多いが、生徒は人数が多い
  のでまだインターネットを知らない者も多い。
  9月23日の学園祭で7台のパソコンを使い、インターネットの体験デモを行ったと
  ころ、大変に関心を呼んだ。折しも、大型台風が来ていたので、インターネット上で
  流される台風情報、特に衛星画像には生徒だけではなく父兄も含め大勢の人が見入っ
  ていた。このデモは多目的広場にWindowsNTServer3.51で仮設のWebサーバーを構
  築し、学園祭の情報をHPで流したもので、大変高い評価を受けた。専用線にもつな
  いだ状態にしてあったので、学園外からもこのHPを見ることができた。
  思えば、この学園祭のデモンストレーションと体験コーナーを機にインターネットへ
  の関心が非常に高まったと思われる。