はじめに

 最近、各地でネットワークの教育利用に関する様々なセミナーやシンポジュー ムが頻繁に開かれるようになってきた。インターネットの一般への普及が急速 に展開している現在、このことは歓迎すべき現象である。

 これまで、教育現場への先進的な情報技術や方法論の導入に関する試みは、 ややもすると遅れがちであり、少数の指定校による閉ざされた研究に留まって いた感があった。しかし、インターネットの教育利用に関しては、開かれた環 境を基盤として、研究者、教育者のみならず広く一般の関心を集めながら、社 会へのインターネット普及と同時並行的に複数の実証実験プロジェクトが推進 されている。

 この様な中、情報処理振興事業協会と(財)コンピュータ教育開発センターの 共同プロジェクトとして推進してきた「100校プロジェクト(正式名「ネッ トワーク利用環境提供事業」)」は、インターネット教育利用の先導的な実証 実験プロジェクトとして活動し、インターネット教育利用の先進的な情報技術 や方法論の利用・活用に、新たな道と可能性を開いてきた。

 本報告書は、(財)コンピュータ教育開発センターが情報処理振興事業協会か らの委託を受けて、100校プロジェクトにおける活動状況と成果をとりまと めたものである。

 本事業の推進にあたって、関係官庁、事業に協力をいただいた各地の教育関 係諸機関、地域ネットワーク、並びに推進協力者会議・分科会委員各位に対し て深く感謝の意を表わすとともに、本報告書が学校教育におけるネットワーク 利用の促進にあたって有効に活用されれば幸いである。

  平成9年3月

    財団法人 コンピュータ教育開発センター
       理事長  宮 島 龍 興