はじめに


 初等中等教育における先導的な実証実験としてインターネット教育利用に新しい道と可能性を開くことを目ざして、平成6年度から平成10年度までの5年間にわたり実施した100校プロジェクト(ネットワーク利用環境提供事業)と新100校プロジェクト(高度ネットワーク利用教育実証事業)は、文部省・通商産業省の指導のもとに、情報処理振興事業協会(IPA)と財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)が共同で事業推進協力者会議を設置して助言をいただきながら推進してきた。
 この間、「こねっと・プラン」、「先進的教育用ネットワークモデル地域事業」などさまざまな実践研究が進められており、学校教育におけるネットワーク利用が急速に展開、普及しつつある。
 また、平成8年7月の中央教育審議会では、「21世紀の始めにはすべての小学校、中学校、高等学校、特殊教育諸学校をインターネットに接続」するとした情報化の進展に対応する答申も出されるなど情報教育の実施に必要な学習環境・条件の整備に関する施策が着々と行われつつあり、IPAとCECの本共同プロジェクトがわが国における情報教育の推進に貢献することができたのではないかと思われる。
 本報告書は、プロジェクトの5年間の活動を特に委員会を設置して総括評価し、その概要や歩み等を取りまとめたものである。主な内容は、対象校/地域ネット/事務局の活動状況(アンケート結果など)、利用企画事例、関係者座談会、ネットワーク利用の教育的・技術的な成果と課題、まとめと提言のほか、参考資料として年表、実践事例、イベント、刊行物などのリストを収録している。
 本事業の推進にあたって、関係官庁をはじめ、協力支援をいただいた各地のプロジェクト参加校その他教育機関、地域ネットワークの関係者、協力者会議委員各位、分科会・WG委員各位に深く感謝の意を表すとともに、本書が今後の学校教育におけるネットワークの利用促進にあたって有効に活用いただければ幸いである。

 

  平成11年3月

 

財団法人コンピュータ教育開発センター

理事長 宮島 龍興


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