情報化社会と言われる今日、コンピュータはその中心的な存在であり、ますます広く社会に普及しております。また,マルチメディア・インターネット等でも,様々な活用方法が各種分野で叫ばれ、情報化はより急速に進展しております。
社会におけるめざましい情報化の進展に対応し、学校においてもコンピュータを利用した教育が行われております。そしてこのコンピュータ教育を推進するためにハードウェアやソフトウェアの整備が進んでいます。
ハードウェアについては,平成6年度から6年間の計画で始まった教育用コンピュータ新整備計画(小学校で22台,中学校で42台,特殊教育諸学校で8台,普通科高等学校で42台)も終盤となり,台数としては少ない学校があるものの,現在全国で95%弱の学校に教育用コンピュータが導入されいます。
ソフトウェアについても、多様な教育活動に対応可能な学習用ソフトウェアを学校に供給するため平成6年度より学習ソフトウェア研究開発事業が始まり、高度で専門的な情報技術者等を参画させた研究開発グループ等により学習ソフトウェアの研究開発が行われております。
このような整備とともに、情報教育を適正、かつ円滑に推進するため、児童・生徒の実態や指導内容・方法等に即した良質の教育用ソフトウェアを適切に選択し、活用するための環境を提供するために平成7年度より各自治体で「教育用ソフトウェアライブラリセンター」の設置が進められています。
このようにハードウェア・ソフトウェアが整備せれてきましたが,まだ半数以上の教員がコンピュータの操作ができないというのが現状です。また,文部省主催の研修会や各自治体主催の研修会が研修センターなどで精力的に実施されていますが、いろいろな仕事に追われる先生方が時間を作り出し、学校の外での研修に参加することは難しいのも現状のようです。
このような現状を踏まえ、情報教育の一層の推進に資するため、文部省は平成6年度より「情報処理技術者等委嘱事業」をスタート致しました。この事業は、情報処理技術者等(SE等)が非常勤の講師として各学校に出向き、先生方の技術力向上を支援したり、「教育用ソフトウェアライブラリセンター」などでソフトウェアの活用について助言するなどの取り組みです。この事業について、当財団法人コンピュータ教育開発センターは、情報処理技術者等に関する情報を企業より収集してデータベースを構築し、教育委員会に対して企業情報の提供を行っております。
本冊子は、この制度をより広く効果的に活用していただくために、CECの活動・データベースの状況および平成9年度に実施した自治体の実践事例等を提示するものです。
本事業を推進し、先生方の研修機会を拡大することにより、導入されたコンピュータが教育の中でより一層活用され、子供たちの可能性を開くための道具へと変化する事を念願しております。