パソコンクラブ
東京都品川区立城南中学校
顧問 釼 持 利 行
http://www1.cts.ne.jp/~johnanjh/
johnanjh@cts.ne.jp
キーワード 中学校,クラブ活動,インターネット,DL,ルール,ホームページ,Fairewall
インターネット利用の意図
昨今,パソコンが普及して,家庭でもE-mailなどインターネットを日常的に利用する生徒が多くなってきた。また,インターネットを利用する場合の心構えの問題と考えられる犯罪も出てきている。しかし,学校では,施設・設備の整備の遅れや,指導者の不足といったことから,このような状況や生徒の学習意欲に対して,十分な対応ができていないのが実情である。1 交流
(1) インターネット利用状況
図1 ネットワーク環境
(2) 都立高専との交流
都立高専は本校生徒の進学先の一つで,ほとんど交流はなかったが,本学校企画をきっかけに交流が始まった。
2 指導計画
指 導 計 画 | 留 意 点 |
(a) 都立高専の見学,交流会(7月23日) ★インターネットの利用 |
・都立高専の施設を見学し,今後の交流について話し合う。 ・コンピュータやインターネットについて,利用してみたいという意欲を一層持たせる |
(b) キーボード練習とホームページビルダーの使い方を練習 ☆IBMホームページビルダー |
・パソコンの操作に慣れる。 |
(c) 親子ふれあい事業(9月18日) (ホームページ作成講習会) | ・講習会のお手伝いを都立高専の学生にしていただく。 |
(d) 文化祭(10月31日)の準備 ★インターネットの利用 |
★「私の見つけたホームページ」を捜し,展示作品を作成。自分たちの作るホームページの参考にするための調査をする。 | (e) 取材 | ・取材場所の選定と分担 ・デジタルカメラの使用法 |
(f) ホームページの作成法 ★インターネットの利用
(パソコン室) | ★初めてのホームページ作りなので,ハイパーリンク,画像データの貼り付け方など,基礎的なものを中心にする。 スキャナーの使用方法 |
(g) 都立高専学園祭参加(11月7日) ★インターネットの利用 |
★パソコンのモニタを見ながら,不特定の相手に,きちんと自己紹介ができるか。 ★システムの動作チェック |
(h) インターネットの利用について 小林先生(都立高専)のお話(平成12年1月14日) |
★利用上のルールの大切さを理解 ・話の理解度のチェック ★システムの動作チェック |
(i) ホームページの作成 (1月15日最終回) ★インターネットの利用 |
★アップロードの方法 ・CD-ROMへの記録・保存 ★システムの動作チェック |
3 展開
(1) 都立高専の見学と交流
都立高専では最新の施設・設備が整っていて,生徒は驚嘆していた。また,本校のホームページを見て,歓声を上げていた(図2)。
(2) 親子ふれあい事業
図2 都立高専の見学と交流
この事業は生徒会主催で,ホームページの作り方を親子で学んだ。講師は本校の中村校長が勤め,パソコンクラブの生徒と都立高専インターネット研究会の学生にもお手伝いを頂き,大変好評であった(図3)。
図3 親子ふれあい事業
(3) 都立高専学園祭参加
NetMeetingとCU-SeeMeを利用して,都立高専とインターネットで接続し,自己紹介などを試みた。
当初,パソコン室からの接続を試みたが失敗したために,校長室からFirewallマシンを外して実施した。
このときは東京都品川区広報の取材(図4)もあって,緊張していた。生徒にとっては,初めての体験で,こんなことができるのかという驚きとともに,恥ずかしがってしまう生徒もいたが,楽しい雰囲気であった。
図4 学園祭参加の様子(広報しながわ(12月1日号)より)
(4) インターネット利用について(講義) 利用したソフトは,NetMeetingで,本校と都立高専のモニタ画面(図6)は共通で,チャットのほかに,ファイルのやり取りもできた。 (5) ホームページの作成 4 まとめ (a) 今回の企画がきっかけとなって都立高専との交流が始まったことは大変有意義で,生徒ばかりでなく教員にとっても,学習の幅や視野が広がることが期待できる。 ワンポイントアドバイス パソコンにSCSIボードやテレビのチューナーボードがセットされている場合,音源ボードがFull-Duplex(全二重)対応であっても,Half-Duplex(半二重)動作になる場合がある。 参考文献
図5 講義風景
DLのテストケースとして,都立高専電気工学科小林弘幸先生(図5)に,「インターネット利用にあたってのルール」について,お話をしていただいた。中学生のインターネット犯罪がニュースになっていたので,話の内容がタイムリーであった。さらに,Webの閲覧(郵政省通信白書フォーキッズ)を利用したお話はテンポよく進み,生徒は大変興味を持って聞くことができた。
図6 モニター画面
本校周辺の名所紹介のホームページを作るために各地を取材し,デジタルカメラに記録した。
ホームページはホームページビルダ(IBM)を利用して作成した。
ホームページの作成やアップロードの方法などの学習をDLでも試みた(図7)。
(http://www1.cts.ne.jp/~johnanjh/jp/index.htm)
図7 ホームページのチェック
(b) 親子ふれあい事業のように高専からのお手伝いがあって,内容の充実がはかれた。
(c) パソコンクラブの活動として,E-mailのやり取りが始まるなど,クラブ活動の幅に広がりが出た。
(d) ホームページの作成は始まったばかりで,初歩的ではあるが,自ら取材した情報をもとに作成したことは地域に対する理解を深める上で大変意義が深い。
(e) CU-SeeMeやNetMeetingと比較するために,RealSystemについても実験した。
ホームページの作成やアップロードの方法などの学習をDLでも試みた。
操作ミスもあってDLの利点を活かしきれなかった。
NetMeetingとCU-SeeMeはFireWallのためにパソコン室での実施ができなかった。そのため,生徒個人個人でパソコンの操作ができなかったので,期待したほどの効果は得られなかった。
なお,
・RealSystemはストリーミング放送に利用されているように,オンデマンド方式に使用する場合は,他の方式より優れている。
・CU-SeeMeとNetMeetingはRealSystemに比べ使用方法が簡単で,対面式の利用に適している。
・RealSystemは,現時点で応答に30秒ほどの遅れがあり,チャットができないので,対面式に利用する場合には課題が残る。
・CU-SeeMeとNetMeetingはFireWallの機能によっては使用できない場合がある。現在CU-SeeMeとNetMeetingが使用できるように,LinuxによるFireWallの構築を試みている。
(f) DLにおいては,生徒の興味を引き付け,持続して学習できるようなソフトの充実が急がれる。
(g) DLの準備中に,都立高専とジャンケンが始まり大変盛り上がった。生徒の奇抜なアイデアに驚かされるとともに,インターネット利用の面白い体験ができた。
利用したURLなど
(1) DL関連
遠隔授業システム(http://www.gis.ie.niigata-u.ac.jp/BBI/bbi_index.html)
光ファイバー網を利用したテレビ会議システムの研究
(http://www.cec.or.jp/es/E-square/h10jishi/2/43/index.html)
郵政省(通信白書フォーキッズ)(http://www.kids.mpt.go.jp/)
品川区ホームページ(http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/)
(2) CU-SeeMe関連
CU-SeeMe(http://www.jp.wpine.com/)
Linux IP Masquerade mini HOWTO(http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/IP-Masquerade.txt