酸性雨/窒素酸化物調査プロジェクト
実践報告書

松山市立南中学校


1.本企画に参加した意図

身のまわりの環境問題について、生徒に少しでも興味・関心を持たせるために本企画に参加した。そのことにより、環境についての広い視野や深い認識を持ち、自分の住んでいる地域の環境について、常に問題意識を持ちながら解決・保全の方法を自ら考え、積極的に実践できるようなきっかけになればと考えている。

2.プロジェクトの位置づけ

プロジェクトを実施した具体的な教育活動は、教科外の活動(環境調査に興味を持った有志の生徒の授業外の活動)であった。測定は生徒と教師の共同作業で行った。また、データの送信は教師が行った。

プロジェクトを教育活動の中で実施するとき、ネットワークの具体的な利用場面は、データの送信のみであった。

プロジェクト実施にあたり利用できたネットワーク環境は、ホームページや電子メールであった。  

3.実践の経過と指導計画の概要

(1) 観測の計画

(内容) NOx観測の意義・方法、NOx値の実態等について、観測学習の前に導入を行った。また、観測を実施する上での、日程、観測方法、役割分担、準備物などについて指示を行ったり、話し合わせたりした。

(結果) 生徒は、観測の概容を知ったり、測定の原理を理解できたりすることで、興味・関心を高めることができた。  

(2) 観測の方法

(内容) NOx採取装置、検査液の使用法を学ばせた。採取装置については、セットの仕方、設置時間(一日)などについて留意させた。検査液については、使用量、待ち時間、数値の読み方などについて留意させた。NOx値が大きいと、汚染度が進んでいるということをおさえ、原理についてはあまり深入りしないようにした。また、実験結果の平均値の計算方法についても、同様に扱った。

(結果) 比較的理解しやすい内容だったので、生徒は観測方法を正しく身につけることができた。

(3) 観測の実施

(内容) 観測方法を十分身につけさせたあと、各場所のNOx値を測定させた。

(結果)生徒は測定の正しい方法を身につけていたので、データに信頼性が持て、その後の考察にとって適切な資料を準備することができた。測定するたびに手間や時間がかかったが、観測に対する生徒の意欲は少しずつ高まっていった。また、1回や2回の観測では測定値の信頼性がうすく、継続してまとまった結果を得る必要があることを認識したようである。

 

(4) ネットワークによるデータの共有化と考察

(内容)本校周辺のNOxデータを、プロジェクトホームページに掲載した。

(結果)生徒は、観測によって、身のまわりの地域のどこのNOx値が大きいかは、容易に判断できた。学習の形態や時間といった点から、各校のデータをもとに、比較検討するといったところまでは活動できなかった。しかし、生徒にとっては、日頃の身近な環境問題に関心を持ち、これから取り組んでいこうとする動機づけになった。

4.授業の実践記録

一般の授業ではなく、課外活動であるので授業は行っていない。

5.実践を終えて

(1)実践で得られた成果

生徒にとって、観測方法が容易であったので、興味を持って活動が始められた。

環境問題に対する意識を高めさせることができ、積極的に問題を解決していこうとする態度を養わせることができた。

また、観察・実験の技能を少しでも向上させることができた。

(2)反省・課題

継続性・自主性に関する生徒への指導が不十分であった。行事により、教師の指導を中断せざるを得ない場面があった。有志的な活動であるため、参加生徒が増え分担を変更したので、観測場所を間違えるなどの混乱が生じた。十分な計画と、柔軟性が必要であると思われる。

また、生徒にとって身近なインターネット環境の整備、教科のカリキュラムの中での環境教育の位置づけ、行事の精選化などが望まれる。

(3) 今後の実践にあたってのワンポイント・アドバイス

計画性(基礎操作、手順の指導、データの集計、用具の補充、生徒の分担等)について・・・・分担が変更された時点で、明確に指示を与えるべきである。

(4) このプロジェクト実施に当たって利用した資料・Webページ等

福山付属中のホームページ


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