並木小学校では,5・6年生全員が環境について主体的な課題作りを行い,30以上の調査(水質調査,微生物,鳥,水生生物,植物など)をそれぞれが行っている。その調査の中に大気の調査を行いたいというグループがあった。実際測定してみたが,他の地域の状況がどうなっているか知りたくなり本企画に参加した。
2-1.教育活動の中での位置づけ
(1)プロジェクトを実施した具体的な教育活動(2)
- 理科の授業
- 理科以外の授業(教科 特別活動)
- クラブ活動
- ホームルーム活動
- その他の活動
(2)測定を行ったのは誰ですか。 (1)
- 生徒
- 教師
- 生徒と教師の共同作業
(3)データの送信は誰が行いましたか。 (3)
- 生徒
- 教師
- 生徒と教師の共同作業
2-2.プロジェクトを教育活動の中で実施するとき、ネットワークの具体的な利用場面(2,4)
- データの送信
- 他校のデータの収集
- 他校との交流
- 他のホームページを使った資料の収集
- その他( )
2-3.プロジェクトの実施にあたり利用できたネットワークの環境。
該当するものを全て選び、その他のものがある場合は具体的にお書き下さい。(1,2,3,6)
- ホームページ
- 電子メール
- 電子掲示板
- テレビ電話
- チャット
その他(グループウェア)
月 | 内容(時間) | 児童の活動 | メディア | |
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並木・梅園再発見
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4月 5月 6月 7月 |
活動の確認(2) オリエンテーション(1) 現地調査(4) 調査のまとめ(2) 調査テーマづくり(1) 現地調査(4) |
・昨年の活動を確認し合う。 ・1年間の活動内容を確認する。 ・並木・梅園地区の自然環境や人的社会的環境を新たに調べ直す。 ・気づいたことを,グループウェアにまとめる。 ・現地調査活動で気づいたこと,疑問点から,調査テーマをつくる。 ・自分のテーマを基に並木・梅園地区を調べる。 |
データベース デジカメ 校内ネットワーク |
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夏休み | 継続調査 | ・夏休みを利用して,調査活動や観察,実験をする。 | ||
環境 私の提案 | ||||
9月 10月 12月 |
調査のまとめ(1) 結果の発表(2) 追究テーマづくり(1) 追求活動のまとめ(3) |
・夏休みまでの活動をホームページにする。 ・まとめたことをインターネットで発表する。 ・9月の発表活動で友達から出された疑問や話し合った事柄から,追究するテーマをつくる。 ・追究するテーマを基に活動する。
・伝え・考え・深め合ったことをコンピュータに まとめる。 |
コンピュータ インターネット 電子メール ビデオメール コンピュータ |
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思いは,未来へ | ||||
1月 2月 3月 |
環境集会の準備(6) 環境集会(2) 1年間のまとめ(3) |
・環境集会で提案すること,発表することをコンピュータにまとめる。 ・保護者や地域の人々に,並木・梅園地区の環境について発表・提案する。 ・今年の取組をまとめ,次年度の資料とする。 |
コンピュータ 電子メール |
学習活動・内容および支援上の留意点(★個への対応 ◎評価)
1.本時の活動内容を知る。
これまでの調査内容を他の学校へ情報発信しよう 資料:コンピュータ・インターネット・デジカメ
2.グループに分かれ,それぞれの方法で情報発信を行う。
大気調査グループ(全国の学校) 水草での浄化グループ(竹園東小) 並木小以外の場所の大気の測定値はどうなっているのかな。 水草には3種類あって,クロモという水草が一番水をきれいにするよ。 ★調査の測定値の意味を分かりやすく説明するといいね。 ★説明にはビデオメールを使うと相手に言いたいことが伝わるかな。 鳥調査グループ(桜南小) 世界の食事グループ(クアラルンプール) カワセミを撮った画像を送ろう。他にもどんな鳥がいるか知りたいな。 南国のケーキの作り方を教えてもらって作ったよ。他にもどんな料理があるかな。 ★自分たちのことを伝えるだけでいいのかな。 ★外国の友だちは,日本の料理も知りたいのではないかな。 アサザでの川浄化グループ(アサザの会) 水生生物グループ(竹園高校) アサザで水がきれいになったよ。でも,魚に食べられちゃった。 アユが見つかったよ。花室川はきれいなのかな。知っている人は教えて下さい。 ★どうしてきれいになるかがわかるといいね。 ★他にはどんな魚がいたのかな。写真を送ってあげるとわかりやすいね。 点字・盲導犬グループ(竹園東小) 池に住む微生物の調査(早稲田大学) 人に優しい町にするには点字ブロックの他には,どんな工夫が必要かな。 約20種類の微生物が見つかったよ。でも,うまく名前がわからないな。 ★どうすればわかりやすく説明できるかな。文や写真の分量はどうしようか。 ★インターネットやメールでわかるかもしれないね。 ◎自分たちの調査結果をわかりやすく伝えられたか。(画面)
◎一方的な伝達ではなく,相手との交流が進むような内容になっているか。(画面)
(1)実践で得られた成果
(図1)児童が作ったメニュー画面 (図2)調査方法画面 (図3)他地域との調査 (図4)他の学校のアドバイスを元に作成 NOxをどんな場所で調査したらよいかわからない児童たちは,電子メールで送られてきた他校(高校)の調査内容を参考に考えることができた。そうして決めた測定場所が図4の画面である。また,石垣島から転校してきた児童は,インターネットを使えば他校と交流できることを知り,石垣島と並木小との比較をしようと考えるようになった。図3は石垣島との交流が書かれた画面である。このようにただ単に調査するのではなく,児童たちは目的を持って調査活動をするようになってきた。(図1,2)
(2)反省・課題
今回は,年度途中からの実践であったため,交流場所が限定されてしまった。来年度は当初から交流先を決め,こちらからも情報発信をたくさん行えるようにしたい。
(3)今後の実践にあたってのワンポイントアドバイス
学校間交流といえば実際に行うために大変な苦労があるように思いがちだが,学校間でプロジェクトを設定してしまえば,あとは児童たちが自分で電子メールや掲示板などを使って日常的な交流ができるようになる。教師の役目を,そのやりとりを見守ったり,援助することと考えればコンピュータが苦手な先生方も気軽に利用できるのではないかと考えられる。
(4)このプロジェクト実施にあたって利用した資料・ホームページ等
- 酸性雨,NOxメーリングリスト
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