高根沢町立阿久津中学校

○インターネット利用状況

(1)国語科での利用(2学期)

 ・第2学年のディベートの授業で生徒が死刑制度などの参考資料を集め、立論等に利用した。また、その内容をホームページに載せた。

 ・他校と電子メールを使ってディベートをやっている。

(2)社会科での利用(通年)

 ・第2学年の地理の授業で生徒が中部地方などの特色を調べたり、地方公共団体の情報を探した。

 ・第3学年の公民の授業で政党政治の学習をする際、教師や生徒が政党で開設しているホームページを利用した。

(3)理科での利用(通年)

 ・本校の天体学習支援のホームページ「インターネット学習ノート」を生徒が利用して、授業を実施した。

 ・教師が様々な天体や気象に関する画像を生徒に提示した。

(4)保健・体育での利用(2学期、3学期)

 ・保健分野の授業で、生徒が成人病に関する資料をインターネットで探して資料とした。

(5)選択社会科での利用(11月〜1月)

 ・地球温暖化に関する授業で、資料を集めた。その際にメーリングリストで紹介されたホームページが参考になった。

(6)選択数学科での利用

 ・教師が数学に関する問題が紹介されているホームページを印刷して生徒に配布し、自分で関心のある問題を解いた。回答を電子メールで送って添削してもらった生徒もいた。(6月〜7月)

 ・生徒がサーチエンジンなどを利用して、数学に関するホームページを探し、関心のある問題を解いて、レポートを作成した。そのレポートを本校のホームページで紹介している。また、電子メールで回答を送った者もいる。(2学期〜3学期)

(7)選択技術・家庭科技術コースでの利用

 ・生徒が「阿久津中学校の1日」(未完成)というページを作っている。(通年)

(8)学級活動での利用(10月〜11月)

 ・生徒が高等学校や専門学校の情報を調べて、進路の学習に使った。

(9)ホームページを生徒が作成

 ・生徒会情報委員会が体育祭のホームページを作成した。(9月)

(10)ホームページを教師が作成(通年)

 ・教科のページを各教師が自作した。

 ・研究授業などの指導案をホームページに載せて、公開している。

(11)教師の研修会の実施

 ・全教師を対象に電子メールとブラウザの使い方の講習会をした。(4月)

 ・コンピュータ室の改装時に全教員で Windows95の利用法の研修をした。(11月)

 ・全教員対象にデジタルカメラとスキャナの使い方の研修をした。(12月)

(12)コンピュータ利用の開放

 ・昨年に引き続き、廊下にインターネット接続のパソコンを置き、生徒が自由に利用している。(昨年〜)

 ・図書室にパソコンを2台置き、インターネットに接続した。授業時間、昼休み、放課後に生徒が利用している。(9月〜)

(13)教師の利用率を高める校内LAN 

 ・学校職員で、職員室内に10Base−Tのケーブルとハブを設置し、校内LANを整備した。これによって、各職員の机上からプリンターを利用したり、校務のデータを共有したり、インターネットを利用したりできるようになった。また、教員の約7割(32人中22人)が机上からLAN接続をしている。(4月〜)

(14)交流活動

 ・笠間中学校の「生徒会の輪プロジェクト」への参加

 ・他校とのメールの交換を目的とした交流活動部(希望者)を集め、他校への呼びかけの準備をしている。

○平成9年度の成果と課題

(1) 校内LANの整備

   町当局の理解と研究学校としての予算を得て、本年9月にコンピュータ室に40台のWindows95で動くパソコンが入り、授業で1人1台利用できるようになった。これによって授業での個別化、特に操作方法の習得に効果をあげている。また、今まで企業の研修室を借りて行っていた生徒・教師へのコンピュータ研修が、本校でできるようになった。さらに、1月には各階の廊下にHUBを取り付け、コンピュータ室以外でも、ノートパソコンと10Base−Tケーブルでネットワークを利用できるようにした。今後、普通教室での利用を活発にするために、各教員へのハード・ソフト面の研修会等の働きかけが大切であろう。

(2) 職員へのLANの普及

   本年特筆すべき効果は教職員へのネットワークの普及である。昨年は職員室にインターネットに接続できるパソコンが学校所有の1台だけであったのだが、本年は個人でノートパソコンを購入して校内LANに接続し、プリンターやデータの共有、インターネット接続をしている者が22人と激増した。Windows95の普及と利便性を理解したことによるが、LAN整備の担当者の働きかけも大きかった。このLAN利用者の増加により、教員がコンピュータの操作に慣れ、校内掲示や授業の資料にインターネットの情報を利用することが増えてきた。しかし、LAN接続の数から考えるとまだまだ利用率が少ないと思われる。教師各自が専門教科等のメーリングリストに参加するなどの積極的な利用を推進することが課題である。

(3) 生徒の利用機会の増加

   コンピュータの図書室、廊下への設置によってかなり自由にインターネットや他のソフトを利用する状況になっている。授業で調べ学習をしているときに、コンピュータ室まで行かなくても廊下で利用できたり、図書室で本を利用しながら同時にインターネットも利用できるなどの利便性を得、実際にそのような利用法が実施されている。さらに、休み時間などにもその続きを調べている姿を見るようになった。しかし、自由に利用できるパソコンの増加で、現在数件にとどまっている有害情報へのアクセスが増加する可能性がある。現在は有害情報へのアクセスの件数は数件にとどまり、指導によって効果を上げているが、今後の状況を見守る必要がある。

(4) ホームページ作成による生徒活動の広がり

   本年度はホームページの作成する技術を習得した教師の増加で、その教師の指導のもと生徒がホームページを作成するという取り組みが軌道に乗ってきた。前述の選択技術・家庭科の技術コースでは、阿久津中学校の1日体験として、フローチャートを作ってブランチングによるゲーム的な要素のあるホームページを作成しているが、その発想や表現法には目をみはるものがある。授業で1人1台のパソコンを利用することで作業を分業することができるようになり、1人1人の活動が明確になったことも活動の積極性につながったようである。ホームページ全体としては情報をただ公開している感があり、将来は目的を再考し整理する必要が出てくるだろう。

○新100校プロジェクトに参加して

  本校もいよいよ本格的にコンピュータを利用できる環境が整ってきたなと感じる。これも、他校の先進的な取り組みや実績をPRに利用させていただいて、コンピュータの必要性やインターネットの有効性をアピールできた結果であると思う。他校の成果を本校の期待される効果として具体的に提示できることは、ネットワークでの公開がされていればこそであり、新100校プロジェクトのありがたさであった。また、授業での利用法やホームページなども参考とさせていただいたりと、インターネットでの公開がありがたかった。