千葉県旭地域教育情報センター

○ネットワーク利用状況

・実践項目1(市役所職員、学校教員等へのインターネット体験の場を提供、インターネット接続へのアドバイス)

   昨年度に引き続き、旭地域教育情報センター協議会では、市民の体験の場として、当センター内のインターネットを自由に利用できるようにしている。

  本年度の利用者の中で特に目立ったのは、インターネットを自校に導入しようとしている学校関係者や、行政の場でインターネットを活用してみようと考えている市長や教育長をはじめとした市役所の職員が多かった。

   実際に本年度より、旭市役所と飯岡町立飯岡小学校がインターネットを導入したが、設置のために必要な物や費用、設置後の研修などで当センターに来所され、アドバイスをした。特に飯岡小学校については、ホームページ作成の仕方やインターネットの学習利用についての研修も行い、支援した。

   その他、当センターは旭市の教育委員会と同じ建物の中にあり、台風情報を夏から秋にかけて、インターネットを利用してその情報を得ていた。インターネットを接続していない学校の先生が来所して、ホームページを検索し、カラーTPシートにプリントしたり、データをフロッピーなどに保存して、自分の授業にその情報を活用していた。

・実践項目2(インターネット接続校の研究発表会の開催)

   当センターでは、毎年、2月に「地域の中の情報化展」という業者による最新機器の展示や講師をよんで情報教育のための基調講演や視聴覚教育や情報教育についての先進的な研究をしている学校の研究発表を行っている。

   本年度は、新100校プロジェクトに参加している旭市立琴田小学校の大久保高正先生と飯岡町立飯岡小学校の林宏先生によるインターネットの学習利用の実践研究について発表していただいた。平日の午後にも関わらず海上郡市内から多くの先生方が参加してくださり、保育園や幼稚園の先生方にも紹介することができた。

・実践項目3(教員へのインターネットの学習利用研修)

   当センターの主催事業である視聴覚主任研修講座では、年間4回合計12時間の視聴覚・情報教育のための研修を行っている。5月に行われたその第1回目の研修では新100校プロジェクト対象校である旭市立琴田小学校を利用して、インターネットの学習利用に関する研修会を行った。

・実践項目4(ホームページでの地域情報の紹介及び学習情報リンク集の作成)

   平成7年度から実施しているが、情センのホームページに旭市・飯岡町・海上(うなかみ)町の各種の情報を掲載し、1ヶ月ごとに内容の更新を行っている。内容は、各市町の広報誌の情報が主である。

   本年度新しく企画した学習情報リンク集を作成し、現在約100のリンクができあがった。学校別・学年別・教科別のリンク集に今後手直しをしていきたいと思っているが、現時点では、項目別のリンク集になっている。

○平成9年度の成果と課題

・成果

  @実践項目1について

    インターネット体験の場の提供を2年間に渡っておこなってきたが、旭市役所と飯岡町立飯岡小学校にインターネットの設備が整った。また、ホームページを開くにあたって、アドバイスや研修などを行い、職員にインターネットを扱う上での注意やきまりなどを理解していただくことができた。これにより、インターネットを体験したり、活用したりする人が加速度的に増加しつつあり、インターネットに対する理解が多くの人々に広まりつつあるといった状況である。

  A実践項目2について

    当センター主催の「地域の中の情報化展」を開催することにより、インターネットの体験及び、教育に関する具体的な実践事例を紹介することができた。インターネットの体験については、NTTが展示業者に加わり、インターネットの紹介を行ったためである。教員は、夏休みでも利用しない限り、なかなか平日に学校の外に出ることはできない。そのため、インターネットに触れたくても触れる機会がなかった人も多かったが、今回はそのよい機会であり、人気のあった展示でもあった。

    それから、実践校による研究発表が現場の教員からあったので、実物に実際に触れてみて、その使い方の例を聞いて、インターネットとは、どんな物で、どのように利用したらよいかを示す指針の一つであることが、参観された小・中学校の教員や幼稚園教諭、保育園の保母、社会教育担当者や行政担当者、教育委員会、一般のみなさんにわかっていただけたように思う。

  B実践項目3について

    実践2と同じように当センターの主催事業として視聴覚主任研修会があり、地域内の全小・中学校の視聴覚主任に集まっていただき、インターネット研修を行ってきた。

    これにより、各学校にインターネットに多少なりとも理解している教員が1人はいることになり、そこからの伝達講習が期待される。

  C実践項目4について

    学習情報リンク集を活用することにより、児童・生徒は今までサーチエンジンを利用していた分の時間(調べる物がどこにあるかを調べる)を、本来の自分の目的であるわからないことを調べる時間として利用できるので1単位時間をより有効に使うことができるようになる。ただし、リンクが少なければ、少ないなりに画面を工夫してこのリンク集のページが、自分の目的のホームページにたどり着けるかどうかを、できるだけ短い時間で判断できるように工夫する必要がある。

・課題

  @データ転送の速度が遅い。

    当センターはAグループのモデムを入れていただいた関係でBグループの学校よりもホームページが開くまでの時間が短いはずなのであるが、それは午前中だけで、午後になると夜の11時以降の状態と同じようになってしまう。同一市内にある参加校の琴田小も同様であり、プロクシの設定をしてもらったが、多少の改善は見られたが、授業時間に使えるほどの速さではなかった。これでは、調べ学習に活用するためには、前日などに1度そのページを開いてキャッシュに入れておかなければならないが、現実的にはそれも難しい。

  Aメールソフトに泣かされた

    当センターでは、メールソフトがよくバグり、担当者のメールが開けなくなってしまったことが何度もあった。そのたびにメールソフトを削除しては再インストールを繰り返すといった状態で、今年1年で7〜8回も再インストールを行った。夏か秋にNECから最新のパッチを当ててもらい、それ以後は、正常に動作しており、困ることはなくなった。

  Bリンク集の充実を図りたいが……

    当センターの常勤職員3名である。せっかく新100校プロジェクトに参加させてもらっているので、リンク集を充実して児童・生徒に役立ててもらいたいと思って、この1年間、他の仕事の合間を見て教育に役立ちそうなページを見つけてきたが、少人数のため、数が少なくなってしまった。役立つページを見つける、リンクの許可をもらう、リンク集に登録するといった手順に時間がかかってしまった。成果の4に書いたとおり、これからもっと充実させて多くの学校に見てもらえるリンク集にしていきたい。

○新100校プロジェクトに参加して

  ・この地域で100校プロジェクトに参加しているのは、当センターと琴田小の2箇所があるので、互いに協力しながら、地元教職員へのインターネット研修を行ったり、研究発表をしたりした。そして、インターネットを体験できる場所が地元に少ないために、当センターで体験をしてもらったりもした。教員に限らず、教育委員会や市役所の方も体験していった。その後、いろいろ調べてみたが、見つからなかったのでインターネットで調べさせてほしいという方や最新の情報を知りたいからインターネットをさせてほしいという方が増えている。子どもだけに限らず、大人が何か調べたいことがあった時にそれを探すひとつの道具として、インターネットを活用し始めたことが、この地域でのひとつの変化ではないだろうか。