福井大学教育学部附属小学校
○ インターネットの利用状況
(1) 「親しむ」活動
@ 教育活動全般「インターネットの世界へ」
総合学習や学級活動の時間、WWWブラウザーを利用しながらホームページを探検した。インターネットの世界をのぞき、親しみを持ち、触れ合う活動を行っている。休み時間に情報ルームや教室のPCを開放したりするなどして、自由に活用できるようにした。
A 全国発芽マッププロジェクトへの参加
平成7年度より全国発芽マッププロジェクトに参加している。本年度はケナフを育てた。E-mailのやりとりとともに、4校(宮崎小、平野小、人吉小、福井小)共同によるCU-seemeのTV会議を行った。また、年賀状を送付するなどものを通しての交流を行った。
(2) 「もとめる」活動
@ 3年総合学習「発信!ふるさと福井基地」
インターネットを利用して地区調べを行った。調べたことをホームページにまとめ、情報発信した。福井市内、県内、県外、外国からもE-mailがとどいた。いろいろな地区の紹介をし、E-mailをもとにした交流を進めた。
A 4年総合学習「これがわたしの生きる町」
・ EMづくりにチャレンジ
yahooのサーチエンジンを利用しながらEMの作り方を調べた。そして、給食の残りなどを使ってEMをつくり、ヘチマ、やさいなどを育てる肥料として使った。
・ バリアフリーの町づくりへの提案
点字の学習で初心者でも学習に役立つホームページを資料として示した。また、バリアフリーの町づくりに関して、グループ毎の追究活動の参考となるホームページを資料として活用できるようにした。
B 5年音楽「北と南、2月物語」
北の地方の冬祭りを知るために、フインランドに住む人とE-mailのやりとりをし、北の冬のイメージをつかむ材料の一つとした。
C 5年総合学習「めざせ!生き生きプロデューサー」
世界の楽器調べをインターネットを利用して行った。民族楽器についての多くの資料を得ることができ、創作音楽づくりに役立てることができた。
D 酸性雨プロジェクトへの参加
酸性雨プロジェクトへ参加している。酸性雨をpH計で測定し、Webにデーターを登録している。どれぐらいの酸性雨が降っているのかを全国的に比較し、環境について理解を深める学習へと発展している。
E 海外日本人学校との交流
香港日本人学校大タイホ校とCU-Seemeによるリアルタイムの交流を行った。タイホ校からはオープンハウス(展覧会)の様子、本校からは科学で遊ぼう集会で行ったことを紹介し、交流を行った。
F 4年社会「あたたかい土地のくらし」
沖縄についての情報をインターネットで探した。
G 4年社会「山地に住む人々のくらし」
高知県池川町のホームページにアクセスし、池川町を発展させるプランづくりを行った。
H 4年社会「低地に住む人々のくらし」
岐阜県海津町のホームページにアクセスし、子供達への資料提示を行った。
I 5年社会「流通調べ」
日本のいろいろな地域の特産物が、どのように他の地域に広がっていくか、情報を得た。
(3) 「つくる」活動
@ 各学級による情報発信
各学級で発信したホームページの内容の概略は以下のようになる。
1年 学級・学年総合学習 わくわく ドキドキ はらはらキッド隊!出発」
学級・グループの紹介 トピック総合学習「科学で遊ぼう」遊びのやり方
2年 学級の紹介
3年 学級・グループの紹介
4コマ漫画の電子絵本 学級・学年総合学習 科学遊びのやり方
4年 学級・グループの紹介 総合学習「これがみんなの生きる町」の取り組み
5年 学級・グループの紹介 総合学習「めざせ!生き生きプロデューサー」の取り組み
学校行事の紹介
6年 学級・グループ紹介
A TV会議による(リアルタイム)交流
phonixによるリアルタイムの交流学習を行った。
・ 3年総合学習「遠くのみんなと」 春江小学校との交流学習
インターネットを利用してホームページを探検していた時に、前担任の先生を発見したことから交流が始まった。学級・学校紹介、昔と今の道具調べ、ものづくりによる共同学習を、 TV会議を利用して行った。
・ 1年総合学習「遠くの友達と」 中名田小学校との交流学習
相互の学校の紹介を行い、しりとりや学校クイズなどによる遊びや交流を行った。これまで、学んできたことを、TV会議を通して話し合うことで、新しいことを発見し、相手を意識した交流をより深めていった。
B LIVE中継 トピック総合「科学で遊ぼう」
交流校のお友達と交流を深めるために、科学で遊ぼう集会の様子をインターネット上でLIVE中継した。いっしょにものづくりをしたり、E-mailに情報交換したりして、共有体験をすることができた。
C Kidlinkプロジェクトへの参加 国際理解教育
本校もアメリカ、オーストラリア、カナダなどの学校とメールによる交流を行っている。しかし、小学校段階で問題となるのは、英語そのものの理解である。そこで、翻訳をしていただき、交流を行うkidlinkプロジェクトに参加した。
D 5年総合学習「めざせ!生き生きプロデューサー」
子供達がプロデューサーになって劇をつくろうという活動を行った。ホームページの制作を通して、何が印象に残ったか、自分にとって意味があったか、ふりかえりを行った。
○ 平成9年度の成果と課題
(1) 子供主体の必然性を伴う学習活動へ
昨年度まではとにかくインターネットを使うための実践が多かったが、本年は子供達の学びの際にインターネットを活用しようといった学習活動の中に組み込む実践が増えてきた。インターネットのE-mailやCU-Seemeなどの交流から、子供達が友達となった学校を訪問したり、一緒に遊びを体験したりといった共有の体験活動をすることができた。
(2) 交流による学習の共有化
学びはより多くの人との関わりを通して深めていくことができる。ケナフによる紙づくり、各学校のユニークな行事など、自主的な企画、共同企画に参加することで、より多くの発見に出会い、より多くの学びをすることができた。
○ プロジェクトに参加して
本校はインターネットに接続してから3年目になる。当初合ったような教師や子供達の興味関心だけでなく、日常生活のメディアの一つとして少しずつ定着しつつある。また、インターネットに接続する学校も増えてきた。共同で、しかも共創で学びを展開できるようになってきたと捉えることができる。今後は、子供達とどのようにして学びをつくっていくのかを、子供達とともに探っていくようにしたい。