学習院高等科

インターネット利用状況

  コンピューター教室に新規にコンピューター48台(WindowsNTWorkStation)が導入され授業、放課後のクラブ活動に使用された。

  学習院大学のコンピューターセンターの協力により、今回導入されたコンピューターは利用者の個人的な設定(デスクトップの変更、ウエッブブラウザーのブックマーク等)はすべてセンターのサーバーに記録され、どのコンピューターを利用しても同じ環境で使えるようになった。NTを利用したことによりファイルのパーミッションを細く設定することが可能となり、授業中だけでなく、放課後などにコンピューター教室を開放することができるようになった。大学でも同じ環境でコンピューターを利用できるため、コンピューター教室を開放しないときも、大学の計算機センターを利用する生徒が増大した。今年度、センターよりIDを取得した生徒は約90名である。

授業

 全般

  ○資料収集に利用

    昨年度から教員室に置かれたコンピューターを利用し、検索用のホームページなどgoo,YAHOOなどで授業のデータやアイデアを収集する教員が増えた。

  ○メールの活用

    院内の他の学校(初等科・中等科・女子中高等科、大学)との連絡を中心に盛んに利用する教員が増えた。

 教科

  ○数学

    学習院大学で開発した、Cleos(言語簡単操作システム)を用いてC言語を学んだ。

    Cleosに組み込まれたレポートシステムを用いてプログラムリスト・実行結果を教員に転送する、プログラミング中に資料の検索ができるなどLAN(インターネット)を活用した授業を行った。

    また、統計の授業では、総務庁統計局(国勢調査)、警視庁(交通事故死者日報)、日銀のホームページから収集したデータを用いた。各統計値を計算するにはExcelを利用した。生徒のレポートにも、Internetを利用してデータを収集したものがあった。

  ○英語

    ホームページから最近の英文のニュースをプリントして授業の副教材として利用。選択のクラスでは、本校のホームページを英文に直すなどの授業を行った。

 課外活動

  ○図書委員会

    図書委員会のホームページの作成

  ○文化祭(鳳桜祭)

    有志が集まり、文化祭に向けてインターネットカフェをオープン、個人のホームページ、学校案内のページを作成した。

平成9年度のインターネット利用に関する活動

 ○大学のサーバーを利用するだけでなく、校内にインターネット、イントラネットサーバーを設置するために、FreeBSD,WindowsNTなどの比較、検討、教材データベース設置のための準備を開始した。

 ○学習院の情報化推進委員会で教育分科会で、幼稚園から大学までの教員が集まりインターネットを利用した教育のあり方、共同学習の可能性の検討を始めた。

平成9年度の成果と課題

  教員は来年度竣功する校舎の建築関係の仕事に多くの時間を取られ、前年度までのように授業以外での活動を特に呼びかけるようなことはしなかった。しかし、何人かの生徒が自主的に集まり、ホームページを更新するために自らHTMLを学ぶなどの活動をした。

  したがって、本年度は特に成果と思われるものはほとんどない、ただインターネットは着実に利用されほとんどTVや電話と同じように当たり前に使われるようになってきた。また、生徒の家庭でインターネットのプロバイダーに加入する者が増え、家庭からレポートをメールで送るなど、学校でも家庭でもインターネットを利用する生徒が増えた。

  そのような中で次のような課題が残された

  ○クライアント数が増え、多くの生徒がインターネットを活用できるようになったが、使用者数が増えるとLANの転送速度が遅くなりシステムが凍りついたようになるなど、来年度以降の回線の見直し、LANの整備などの課題が残された。

  ○IDを発行した生徒が増え、活用する機会が増えたが、その反面、IDを発行されていない生徒にIDを貸す(パスワードを教える)などの問題も出てきた。今後機械の操作だけでなく、ネチケットなどをどう教えるか検討する必要がある。

来年度に向けて

  平成10年9月竣功予定の新校舎には、普通教室、特別教室、職員室、事務室等ほとんどすべての部屋にLANを整備し、コンピューター教室2室、多目的コンピュータ教室(LL+コンピューター+視聴覚教室)、図書室内に演習室、検索コーナーなどに120台のコンピューターを配備する計画である。

  そのような中で今までの経験を生かしてインターネットを利用した教育をどのように展開するかが今後の課題である。