広島大学附属福山中・高等学校

○インターネット利用状況

◇ 環境教育における利用

  インターネットを利用して世界を結んだ環境学習のプログラムが注目されています。当校のインターネット利用の取り組みも,環境教育を中心に推進しています。

 1 重点企画 酸性雨調査プロジェクト

   平成7年度より継続している酸性雨調査プロジェクトは,新100校プロジェクトの重点企画「高度化教育企画」定点観測データの共有・活用実験に位置付けられています。

  [平成9年度のプロジェクト推進の経過]

    平成9年 4月 ・広島大学総合科学部中根周歩教授の指導のもとに、平成9年度のプロジェクトの基本構想を決定。

    平成9年 8月 ・参加校の追募集を呼びかける。

    平成9年 9月 ・新規参加校への機器の配付。

    平成9年10月 ・酸性雨調査プロジェクト研究集録への原稿募集。

    平成10年 2月 ・本年度のまとめと、次年度以降の実施計画の立案。

    平成10年 3月 ・酸性雨調査プロジェクト研究集録の完成。

  [当校での取り組み]

    中学校2年生の課題学習「理科」の授業を選択した37名の生徒が、観測を行いました。今年度は全国の参加校が観測したデータを自分たちの観測したデータと比較して,日本の酸性雨の状況について,研究を行いました。

 2 環境学習ネットワーク(EILNet)

   文部省から「平成9・10年度 環境データ観測・活用事業」(通称:環境学習ネットワーク)の研究指定を受け,酸性雨の調査やサウンドスケープ,世界の食文化などの項目について,インターネットを利用して学習しました。

 3 GLOBEプログラム

   文部省より研究指定を受けた「平成7・8年度 環境のための地球学習観測プログラム(GLOBE)」を任意継続して,観測を行いました。特に今年度は海外の学校との交流に重点を置き,共通の項目で観測を行っている世界の仲間たちと電子メールを利用して意見交換を行いました。

◇ 中・高校生のためのスーパーコンピューティング

  広島大学附属福山中・高等学校と広島大学大規模非線形数値実験室が共同で,平成8年度より推進しているプロジェクト。中学生・高校生が広島大学理学部のスーパーコンピュータを利用して計算を行うためのプログラム作りを行っています。今年度は生徒もプログラミングに習熟し,星と重力のシミュレーションや流れのシミュレーションなどの課題に取り組んでいます。

◇ ホームページによる情報発信の充実

 1 教育実習支援システムの構築

   教育実習支援システムは,当校において教育実習を行う広島大学の学生を対象に作成しました。当校における教育実習に関する情報を提供し,また当校の教育実習に関して寄せられた質問に答えるシステムを構築し,教育実習の充実のために役立てています。

 2 広島大学附属福山の中・高一貫教育の紹介

   当校は、全国に先駆けて1962年から中・高一貫教育に取り組んでいます。その理念やこれまでの実践について紹介しています。1997年6月に出された、中央教育審議会第二次答申において、中高一貫教育の導入の是非は今日的にきわめて重要な課題となっていると述べられています。そうした中,大いに注目を集めるページになっています。

 3 各教科のページ

   各方面から反響をいただいている各教科のページ(国語理科美術保健体育家庭英語)の充実に努め,教育研究や授業の実践についての情報を発信し,その成果を公開しています。

   美術科では,VRMLによる3Dグラフィックスなど,コンピュータを利用した新しい美術教育に取り組んでいます。

   理科では,大阪大学人間科学部と共同で,自動気象観測システムを構築し,インターネット上で気象観測データの公開を行っています。

◇ コンピュータリテラシーの育成

  中学校に入学した生徒が高等学校を卒業するまでの6年間,様々な場面でコンピュータを利用する機会があります。コンピュータに対する基本的な技能やエチケットを中学校1年生の間に身につけさせることを目指して,本年度より週1時間のコンピュータの時間を設定しています。ワープロや表計算,イラストの作成,そしてホームページの作成練習などを行っています。

○平成9年度の成果と課題

  100校プロジェクトそして新100校プロジェクトと,インターネットが当校へやって来てから3年が経過し,インターネットの利用が生徒にも教職員にも定着してきたように感じています。電子メールを日常的に利用している教員が増加し,いろいろなメーリングリストへ参加したり,日々必要な情報をWWWから取り出すと行ったことが当たり前のことのように行われるようになりました。授業に利用する教科も増え,大学と共同で教材開発に取り組んでいる教科もあります。

  これからも,より幅広い活用を目指して研究を進めていきたいと考えています。