岡山県立岡山芳泉高等学校

○インターネット利用状況

 今年度取り組んだ企画

1 講習会

 ネットワーク利用初級講座

   1学期から2学期にかけて,インターネット利用を希望する生徒を対象に,ネットワーク上のコンピュータを利用した情報収集の方法・利用する際のマナー,エチケットの周知徹底を主目的に行った。現在,150名を越える生徒達が,校内のインターネット使用許可証を手にしている。

 電子メール講座

   初級講座を終了した生徒のうち希望する生徒と「E−メールを使っての異文化交流講座」受講希望者(63名)に対して,電子メールの利用のしかたの講習を行った.その結果,部活動に電子メールを利用する生徒やアメリカ合衆国カリフォルニア州 San Jose 市 Silver Creek High School の生徒と電子メールを交換して海外交流している生徒達で,放課後インターネットに接続されたコンピュータは占有されている。

 ホームページ作成講座

   初級講座を終了した生徒のうち希望する生徒にホームページの作り方の講習を行った.その内容は,HTML作成全般とデジタルカメラを用いた画像入力と整形,イメージスキャナーやフィルムスキャナーを用いた画像入力と整形の実践である。その成果は無線部のページや日食共同観測記録等,本校のホームページ上に多数公開されている。また,個人でホームページを公開する生徒もでてきた。

2 インターネットを利用した文化祭と生徒の活動

 情報ボランティア・パート 3 「岡山県の美術館・博物館」のページ更新 

   文化祭当日,本校生徒・教職員および一般来校者の協力を得て,一昨年に作成した「岡山県の美術館・博物館」のホームページの更新を行った。今回,より正確な情報を公開するために各美術館・博物館にインターネット上に公開中の本校ホームページの内容を郵送し,その内容の訂正やホームページ作成用の資料提供をお願いした。各美術館・博物館から提供された資料をもとに更新作業を行った。

 WWW情報発信 「岡山市の文化財」取材編

   8月に希望者を募って,吉備路周辺の文化財(吉備津彦神社,備中国分寺,国分尼寺,造山古墳等)を調査した。その調査結果は,文化祭においてクラス展示として公開した。近日,すでに公開している「岡山市の文化財」のホームページにその成果を盛り込んで公開する予定である。

 WWW情報発信 小講演会「モンゴル恐竜調査の夢

   昨年2月,林原自然科学博物館準備室次長 石垣 忍先生に「モンゴル恐竜調査の夢」と題して講演をお願いした。講演に先立って準備室のご厚意でお借りした恐竜発掘調査のようすやモンゴルの大自然を撮影したパネル展示展を校内でおこなった。その模様や小講演会のようす,講演会を終えての生徒の感想をホームページに公開している。

3 日食共同観測記録

  天文部・無線部が全国に呼びかけて実施した 1997年3月9日の日食の全国展開の観測記録。本校では,2つの部が中心となり,参加した一般生徒(希望者)と協力して,手作りの機器で観測を行った。食の様子は,デジタルカメラで撮影後,ほぼリアルタイムでインターネット上に公開した。共同観測を行った他校の食の様子との比較により,生徒達は空間的な広がりや時に関して興味を持ったようだ。共同観測の校内外の準備段階から,観測状況,そしてその成果をまとめたものをホームページに公開中である。

4 教科・生徒指導における活用

  インターネットに接続して3年,現在教員室には個人所有のものを含めて5台,進路指導室には2台のコンピュータで WWW を閲覧することができる。このような環境下,授業の教材資料作成用に,インターネット上のデータベースを利用する教員が目立ち始めた。まだ,そのようなデータを集めたリンク集が少ないこともあり,ほとんどの教員が検索エンジンを利用して手探りで資料収集をおこなっている。また,国内外の大学の新鮮な情報が入手可能なこともあり,教員・生徒ともに進路を考える情報源として活用している。加えて,留学した生徒や進学した卒業生とメールで連絡を取ることができ,今更ながらインターネットの双方向性の有用さを実感している。

5 電子メールを利用した企画

 メーリングリストを利用した部活動 (無線部)

   無線部の活動として,文化祭に「のろしからインターネットまで」と題して展示発表とホームページ(校内公開用)の作成を行った。その際,部員間や顧問と部員間の連絡のために無線部メーリングリストを立ち上げた。文化祭終了後もこれを通じてネット上の部会がもたれている。

 E−メールを使っての異文化交流講座

   授業日となる土曜日の2年生の選択講座として,電子メール交換による異文化交流講座を実施した。63 名の選択生徒のほとんどがこれまでインターネットや電子メールを経験したことがなかった。英語科の教員2名が本講座の指導にあたった。その活動のようすは,ホームページで公開中である。

6 重点企画や自主企画への参加

 理科実験観察教材データベース (自主企画本校

   平成8年度100校プロジェクト共同企画としてスタートし,今年度は自主企画として進めてきた。理科教育において大切な,実験・観察の実施例をネットワーク上に公開し,データベース化することで,これらの交流を図り,授業において安全で効果的な実験・観察をおこなうことを目的としている。

 木材の平衡含水率自主企画日田林高校

   生物科学部が週に1回,木材の質量を測定しその含水率を求めている。

 全国発芽マップ “ケナフ編”

   ケナフの種を植え,発芽・成長過程等を観察するプロジェクトに参加した。

 インターネット・クラスルーム (重点企画,国際化企画

   100校プロジェクトに参加して以来,英語科インターネット活用の取り組みの一つとして電子メールによる国際交流を実施してきた(本校成果報告:平成7年度平成8年度)。今年度,土曜日特別授業として,英語ライティングの授業と関連させてインターネットクラスルームに参加した。

 教育用レイティングシステムの運用実験 (重点企画,高度化技術企画

   将来,インターネット利用環境がほとんどの学校に整備されるであろう。だが,教育利用という観点で,公開されているホームページを見れば,好ましくないものも含まれている。学校へのスムーズなインターネット導入に役立つことができればと考え,本実験に参加した。

○ 平成9年度の成果と課題

  昨年度の活動をうけて,本年度はインターネットの学習活動への利用というテーマでさまざまな実践をおこなった。それらの成果の一部を「中国・四国活用研究」で,「自己実現へのアプローチ」として報告をおこなった。本校の学習活動へのインターネット利用は,始まったばかりである。本校の活用例が,他のインターネット導入計画校の参考となるよう来年度もさまざまな実践を重ねたい。

○ 新100校プロジェクトに参加して

  この3年間,他校に先駆けインターネットの教育利用に関する実践研究が行えたことや多くの生徒・教職員がインターネットを経験でき,非常に有意義であった。